|
(帯惹句から) “ブラジル66”を率いて《マシュ・ケ・ナダ》の大ヒットを放つ |
セルジオ・メンデス。その2年前に吹き込まれた本アルバムでは、メンデ |
スがジャズ的なセンスを持ったピアニストとしての個性を十二分に発揮し |
て、スマートなタッチを披露している・・・ アトランティックにおける記念す |
べきデビュー・アルバム・・・ |
|
アトランティックでのデビュー作、つまりアメリカ・デビュー作。 |
後年の「ブラジレイロ」などのイメージを持つものかなーなんて思いこんだ |
のが、まあ間違い。 |
録音年を見ても、演奏者を見てもわかりそうなものなのに・・・ |
ということで、思い込みとはまるで別物。 |
ジョビンがリーダーの古いコンボ演奏ものにこういうのにちょっと似たよう |
なのがあって、CDも確か持ってもいるはず。似てないか・・・ |
この11曲はみんなジョビンの曲なんだろう。 |
|
とても軽くて乗りもまあなんとか・・・。 |
メンデスのピアノは、冴えたインプロヴィゼーションを聴かせるわけでもな |
く、スピードのある転がしもやらず、借り猫ふうでいたっておとなしい。本 |
領発揮なんぞしていない。フィーチャーされているはずのジョビンすらもソ
ロなどほとんど取らずじまい。
|
ひたすら、ウッズ、ファーマー、ロウズの3人の大物プレーヤーが堂々とソ |
ロを取るばかり。つまり、アメリカのジャズからのアプローチによるサンバ、 |
ボサノバのアルバム、というところかしらん。 |
つまらないとは言わないが、ここからは、メンデスさんのボサリオ、ブラジ |
ル66、そしてその後の大活躍を予感させてくれない。 |