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(交響詩の解説から) ・・・ストラヴィンスキーの最初のオペラ「うぐいすの |
歌」は、当時創設されたばかりのモスクワ自由劇場の委嘱作品として、 |
作曲が開始され、第1幕は1908年から1909年の夏にかけてウスティル |
ークで作曲され、第2幕と第3幕は1913年から1914年にかけてクラランス |
で作曲された。1908年に作製された第1幕のスケッチは、リムスキー=コ |
ルサコフも見ており、このストラヴィンスキーの作曲の師は大いに称賛し |
たという。1913年の夏にモスクワ自由劇場は、1万ルーブルの作曲料を |
呈示して、このオペラ作品の完成を依頼し、ストラヴィンスキーは、4年前 |
の作曲スタイルとは異なる書法で第2幕と第3幕を書き続けた。モスクワ |
自由劇場での上演は結局不可能となり、この3幕のオペラ作品は、1914 |
年5月26日、パリのオペラ座で、P・モントゥー指揮のロシア・バレエ団に |
よって初演された・・・ |
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原作はアンデルセンの「小夜鳴き鳥と中国の皇帝」(「ナイチンゲール」)。 |
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「火の鳥」のあと第1幕が書かれ、「春の祭典」を書くためにストップした |
が、その後再開して書き終った。 |
だから第1幕と、第2幕第3幕の音楽には違いが出来てしまった。ライナー |
にもちゃんと書いてある。 |
それを、知ったかぶったネットのレヴュアーが、その違いがバランスが悪 |
くて具合が悪い、などと書いている。 |
具合は全く悪くないがねェ。学者系が言い募るならわからぬでもないが、 |
その違い、ワタシにはかえって魅力だった。 |
第1幕は「火の鳥」に近く、乾いた叙情や民謡調に嬉しくなってしまうし、 |
第2幕第3幕は「春の祭典」を彷彿してバーバリズムが楽しい。それに、 |
「ペトルーシュカ」やもっと先のものの萌芽すら聞こえる気がする。 |
ストラヴィンスキーの3大バレエは、ワタシ、どれも大好きで、順位なんぞ |
つけられない。上記レヴュアーの言い草がなんとなく「火の鳥」を下に見 |
ている気がしたので、ちょっとムッとしたほど。 |
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今回初めてオリジナルのオペラ・ヴァージョンを聴いてみて、交響詩版よ |
りむしろオペラ版のほうが魅力的なのではないかと感じた次第。 |
それってひょっとすると、交響詩が第2幕第3幕だけでこしらえ 、第1幕 |
が入っていないからではないか・・・ |
それとも、ご本人は上記レヴュアーと似たようなことを考えたのだろうか。 |
ま、分りませんけどね。(今更こんなことを言い出す人間がどこにいる?) |
歌ものはむしろ敬遠しがちな方なんで、ほとんど「音」としてしか聴いてい |
ない。勝手なこと言ってますな。一応アンデルセンのお話を若干思い浮 |
かべながら聴いてはいるんですが・・・ |
期待をはるかに超えて嬉しい鑑賞になった。 |
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どうでもいいことながら、聴き比べに使った交響詩版は、このオペラと同 |
じブーレーズの指揮で、オケはフランス国立管(エラート盤)。 |
更にどうでもいいことですが、「火の鳥」の全曲盤は始めはアンセルメ/ |
スイス・ロマンド管のLPで、そのあとは(けっこうたってからですが)ブーレ |
ーズ/ニューヨーク・フィルのLPでした。この2枚はお気に入りでしたねェ。 |