休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ストラヴィンスキー/火の鳥、うぐいすの歌

~20210128

アンセルメストラヴィンスキー全集 1/(3-1)

  ERNEST ANSERMET EDITION - STRAVINSKY(1882-1971)
●CD 1
 (1)バレエ音楽火の鳥」全曲(1909-10) ①-⑮
      <★★★★>
 (2)交響詩「うぐいすの歌」(1917) ⑯-⑱
      <★★★★>
  エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団
  録音;ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール

    (1)1955年4月 (2)1956年10月11月

  1994年/CD4枚組/管弦楽/ポリドール/邦盤/(Decca/London)中古

f:id:kikuy1113:20210219004908j:plain

名指揮者エルネスト・アンセルメ(1883-1969)のストラヴィンスキー
ステレオ録音をまとめたものが手に入りました。当然オーケストラが主の作
品群。4枚づつのセットもの2つを一つの箱に収めたもの。
お二人は同世代。親交があったかどうかよくは知らないが、なんかそんなこ
とを読んだような気がする。
アンセルメは「調性」を離れるのは嫌って、それが理由かどうかはわからな
いが、親しくなくなったような記憶もあります。一方ストラヴィンスキー
ほうはスタイルをどんどんかえて行く巨人で、無調やセリーにも挑戦したは
ず。もっとも、セリーにはどっぷり嵌ることはしなかったんじゃなかったで
したっけ・・・ このごろはそんなことはあまり気にしなくなっちゃいまし
たね、こっちは。
アゴン』『エディプス王』とか、協奏曲系も入ってないですね。録音した
かどうかまでは知りません。ま、そんなに拘ってません。詰め込んで超安く、
8枚も聴けるんですから。
 
ここに収められている曲の内、アンセルメで聴いたのは、「火の鳥」と「ペ

トルーシュカ」の二つだけでしょう、ちゃんと聴いたのはという意味ですが。

きっと「プルチネッラ」あたりは聴いているはずです。
そのかわり、この二つだけは猛烈に聴きました。勿論LP時代。
だからこの2曲についちゃあ、当然ながらアンセルメの演奏がその後の規範
になってしまいました。55年とか57年の録音だったんですねえ。
ペトルーシュカ」なんて、演奏もスゴイが、英デッカの録音もすごくて、
手筒花火を持って降り注ぐ火の粉を浴びているみたいでした・・・ そんな
記憶です。これが若者の感性にどれだけ影響を与えたか! 美化されてもいる
んでしょうけどねえ。実際CDはやっぱり少し色気が抜けてるのでしょう。
適当に切りながら、順番に、ゆっくり楽しみます。
 
 
●CD 1
(1)バレエ音楽火の鳥」全曲(1909-10) 
1955年の録音、65年前かぁ、ステレオ最初期だったんや。驚いた!立派!
第2場の二つ前までの幻想味による包み込むような雰囲気が実にいい。スピー
ドの変化には頼らずゆったりとしてこれ見よがしな表現がまるでない。とい
って繊細な表現も十分でね、もう少し冷たいとか、録音的に少しレベルが低
かったとかいった記憶があったんだが、気にならなかった。そして遂に訪れ
る爆発的な盛り上がり以降は、エンディングまで高揚感がすばらしかった。
でも、書きにくいワ、弁護めいたことを書きそうになる。聴き過ぎて、アバ
タもエクボ状態になっていたのかもしれない。
ただ、アンセルメの後年のニューフィルハーモニア管との再録音盤を聴いた
時は(雑誌では非常に高評価だったのに)、ワタシは特に大きく心を動かさ
れることもなく、旧録音で十分じゃないかと思いました、確か。先に書いた
ように、ひょっとするとそう思い込もうとしたのかもしれない。自分がずっ
と聴いてきたものをなぜか「弁護」しようと心が働いてしまっただけかも。
自分の性格的に、ありがちだなぁ。ともあれ今回久々に聴いてみて、間違い
なくすばらしい魅力的な演奏だとわかったのが嬉しい。
 
(2)交響詩「うぐいすの歌」(1917)
もともとバレエ音楽だったのを、ディアギレフが交響詩に編ませたものだけ
ど、バレエとして作曲していた時期は、「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春
の祭典」などと少しダブっているせいか、いずれにも通じるサウンドが聴か
れて親しみが湧くし、規模がそれらよりはかなり小さいという違いが随分違

ったサウンドにも繋がって楽しい。とはいえ、まだまだ大きく舵を切る前の

ストラヴィンスキー

この作曲の少し後(数年後ぐらい)からラヴェルが作曲をはじめたオペラ、
『子供と魔法』に、なんと、この「うぐいすの歌」に似たサウンドを聴きつ
けた気がしまして、ちょっとビックリしました。そうか、ラヴェルはストラ
ヴィンスキー聴いてるよな、きっと・・・  ついついこういう聴き方をして
しまうのも、こんなことで喜んじまうのも、どうかと思いますが、まあしょ
うがないですね、特にクラシックのジャンルなんて。
歌の美しさは世界共通のようで、ウグイスの歌を治療に使うという、うぐい
すにとっちゃあ迷惑な話(ストーリー)。
 
お次は人気曲のカップリングです。
どんなことを書くことになりますやら・・・