(帯惹句) 20世紀初めに活躍したモンサルヴァーチェ(1912-2002)。彼はス |
ペイン有数の作曲家であり、カタロニア文化の発展に大きく寄与した人でし |
た。 |
作曲家としてだけでなく、バルセロナ音楽院で数多くの生徒を教え、またス |
ペイン内戦後には新聞の音楽評論を始めるなど、積極的に活動、また映画 |
音楽の分野でも素晴らしい作品を残していいます。このアルバムでは彼の |
初期の作品と円熟期の作品の両方を聴くことで、彼がどのような音を求めて |
いたかを伺い知ることができるのではないでしょうか?学生時代からダンス |
に興味を抱いていた彼は、22歳で最初のパレエ音楽を作曲、それ以降もい |
くつかの新しい作品を作っていました。この「マンフレッド」はバイロンの詩に |
触発されたもので、明らかにストラヴィンスキーの影響を受けています。「ブ |
リック・ア・ブラック」は彼の最後のオーケストラ作品で、リズムと強烈な響き |
に満たされた音楽です。数多い彼の宗教作の中でも、とりわけ素晴らしい |
「シンフォニア・デ・レクイエム」に横溢する精神性にも注目です。 |
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(WIKI)作風は何度か変化を見せている。初期は十二音技法とワグネリズ |
ムから強い影響を受けていた。次に時期はアンティル諸島の音楽に影響 |
を受けた。さらにオリヴィエ・メシアンやジョルジュ・オーリックのようなフラ |
ンスの作曲家との出会いによって多調を採用するようになった。その後最 |
終的に前衛の影響を受けた・・・ |
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(1)バイロンの詩といってもわからん。ストラヴィンスキーの影響というのも |
ピンとこない。はっきり言って、19世紀後半から世紀末までの国籍不明の |
ロマン派のオペラ~オペレッタの序曲か管弦楽組曲みたい。踊り(バレエ) |
も入る感じやね。けっこう凝ってる。 |
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(2)短く夜明けを感じさせられた後は、ぐんぐんドラマの中へ吸い込まれる。 |
そんな感じ。ルーセルの『蜘蛛の饗宴』を連想。繊細なオーケストレーショ |
ン。といっても、この曲のタイトルの意味が全然分からない。 |
帯の文句を読んで、どれほど強烈なのかというと、それほどでもないけ |
れど、全体にひんやりした感覚と、そこそこのバーバリスムはある。4曲そ |
れぞれ個性があって、楽しい。最後の管弦楽曲で、前衛の影響を受けた |
結果なのかもしれないが、(1)から見て、道具立てはそんなに大きく変化 |
/進化したとは思えない。それでも、感覚的には確かに新しく独特のサウ |
ンドだ、と思う。 |
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(3)各楽章名からしてレクイエムの意味するものを頭に思い浮かべてしま |
うが、何度聴いても、鎮魂のイメージではない。惹句の‘精神性’にも疑問 |
があるなあ。いや全然かまわないんですがね。 |
(2)からわりと自然にこの曲へはいって行く。ただ、WIKIの文章にメシアン |
の名があったからだろうが、全体にメシアンのような膜にうっすら覆われて |
いるような印象があるし、時々はもろにメシアンを感じるサウンドもあった。 |
単に言葉の影響?そうでもないと思う。歌は⑪のみで短く、歌詞らしきも |
のとなると微々たるもの。 |
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どの曲も、いけてます。この作曲家を知らない人に、ブラインドで聴かせ |
てみたいという気を起こさせますな。考えてみれば、この作曲家の管弦 |
楽曲は初体験。もっと締った演奏、もっとプレゼンス豊かな録音がありえ |
たろうが、まずは曲の紹介。楽しめるかどうか。それを十分満たしている |
と思えたので、OK。 |
とっつきはイマイチだったのに、繰り返して聴きたくなる(だいぶん聴きま |
したけどね)好みを広げてくれた素敵なCDでした。 |
作品には『長靴をはいた猫』などのオペラ、インディアーノ四重奏曲な |
どの室内楽曲、『地中海交響曲』『迷宮』などの管弦楽曲、『5つの黒 |
人の歌』などの歌曲、映画音楽がある。(WIKI) |
ピアノ曲を集めたCD1枚でストップしていました。上記なんかもちょっと聴 |
いてみたくなります。 |