休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ランシーノ/レクイエム

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20150517(了)
ランシーノ/レクイエム
   Thierry Lancino (1954-)/Requiem
   作詞 : ミサ典礼文/作詞 : 不詳 /作詞 : Pascal Quignard
 
①プロローグ Introitus: Prologue 7:25
②憐れみたまえ Introitus: Kyrie 3:04
詩篇 第18番 Sequentia: Psalm 18 5:43
④怒りの日 Sequentia: Dies irae 7:19
⑤審判者に答えるために Sequentia: Mors stupebit 2:43
⑥畏き御陵威の王よ Sequentia: Rex tremendae 1:26
⑦私は嘆き Sequentia: Ingemisco 4:55
⑧呪われたもの Sequentia: Confutatis 6:25
⑨涙の日 Sequentia: Lacrimosa 6:33
⑩奉献唱 Offertorium: Offertorium 3:10
⑪シビラの歌 Offertorium: Song of the Sibyl 6:26
聖なるかなSanctus: Sanctus 5:32
ダヴィデの歌 Sanctus: Song of David 4:19
⑭祝福あれ Sanctus: Benedictus 0:20
神の子羊 Agnus Dei: Agnus Dei 3:16
⑯彼らに永久の安息をお与えください Agnus Dei: Dona eis requiem 3:36
 
  エリアフ・インバル(指揮者)
  フランス放送フィルハーモニー管弦楽団/フランス放送合唱団
  ハイディ・グラント・マーフィー (ソプラノ)/ノラ・グビッシュ(メゾソプラノ)
  スチュアート・スケルトン(テノール)/ニコラ・クルジャル(バス)
  録音: 2010年1月、仏、パリ、サル・プレイエル
 
  2011年/CD/現代音楽/宗教曲/NAXOS 8.572771/ネット
 
  <★★★☆>
 
(帯紹介文) まるで巨大な鉄槌を振り下ろすかのように、重々しい打撃音
が延々と続くこのフランスの作曲家ランシーノによる「レクイエム」の冒頭。
ここを聴いただけで思わず頭を垂れてしまいたくなるような、衝撃的な作
品です。20世紀になって書かれたレクイエムは、宗教的な観点よりも、よ
り人間の存在について掘り下げるものが多いのですが、この曲もその一
つの形と言えるでしょう。テキストは「めぐりあう朝」の原作者として知られ
パスカルキニャール。彼との3年間に及ぶ共同作業からこの作品が生
まれたと言います。彼らは死と永遠の時間について、答えの出ることのな
い質問を、レクイエムという形式で聴き手に突き付けます。人生というもの
は「壮大なフレスコ画と神聖な式典」なのでしょうか?それとも・・・。マー
ラー、ブルックナーで音楽というものを高みに引き上げた名指揮者インバル
による、人間の暗部に光を当てるかのような明晰な演奏です。
 
紹介文にあるように、始めの重々しい打撃音の連続は、なかなかインパク
トがある。
そのプロローグがトラックとしていちばん長く、ここのみフランス語でほかは
ラテン語のよう。
 
概して、神々しかったり、天に召される感覚、なんてものは少なく、せいぜ
い最後の2トラックにその片鱗があるかもという程度。
ひたすら悩みまくるしかない人間というものを歌う感じが多い。
そういう意味では‘今更’であって、‘衝撃的’なんてことはない。
なんてね、上手く喩えられないのでもどかしい。
「‘人間の暗部’なんてありふれたものを突きつけて(作る側は)楽しいも
のなのか!」
などと逆切れすることもないのだが、レクイエムが美しくないのは、寂しい
じゃないか・・・
 
今風の鎮魂の形・・・
と、その言い方はヘンやね。
オーケストラのサウンドは、斬新というわけでもないが、なかなか魅力的。
他の作品も聴いてみたい。
(今年初めに聴いたポルトガルのA・ピーニョ・ヴァルガスの「レクイエム」
が粗削りでも心揺さぶるものであったのに対して、こちらはもっとテクニッ
クのある作曲家で、多分著名。)
 
   ② リゲティの「レクイエム」を連想