休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ルイ・フレモー CBSO全録音 1&2/12

ルイ・フレモー CBSO全録音 (12枚組)

 LOUIS FREMAUX The Complete CBSO

  Recordings

スタートはオールベルリオーズプログラムの2枚

CD1 
①-⑨エクトル・ベルリオーズ:レクイエム, op.5 (1837)
  ロバート・ティアー(T)
  バーミンガム市交響合唱団(合唱指揮:ゴードン・クリントン)
 (1975年4月19-22日、バーミンガム大学グレイト・ホールでの録音)     71:18
CD2
①同上 続き                           12:13
 以上<★★★☆>
②エクトル・ベルリオーズ:序曲《ローマの謝肉祭》, op.9      8:39
③エクトル・ベルリオーズ:『ハムレット』の終幕のための葬送行進曲, op.18-3  
  バーミンガム市交響合唱団(合唱指揮:ゴードン・クリントン)   7:33

④-⑥エクトル・ベルリオーズ:劇的物語《ファウストの劫罰》より

  3つの管弦楽曲Op.24                     12:35

⑦エクトル・ベルリオーズ:歌劇《ベンヴェヌート・チェッリーニ》序曲 9:41

⑧⑨エクトル・ベルリオーズ:歌劇《トロイアの人々》より〈王の狩と嵐〉と

 〈トロイ人の行進〉                    9:06/5:25 

 (1974年9月13-14日、ロンドン・アビー・ロード第1スタジオでの録音)
 以上<★★★★>

これからは、安価で手に入ったルイ・フレモー(1921-2017)/CBSO(バー
ミンガム市交響楽団)の録音を聴いてゆきます。間に何か挟むとは思います。
ずいぶん昔から名前だけは知っていて、多分一番有名だったのは、フォーレ
のレクイエムのレコードでしょう。この曲の日本での火付け役として、大い
にもてはやされたという記憶があります。日本にも結構来ていたみたいです
が、特に興味を持ったことはありませんでした。
今年たまたま激烈なファンのコメントを読んで気持ちがざわつき、リストア

ップしていたもの。ほとんどがフランス音楽で、それも知らない曲がけっこ

う多い。

で、たいていそうであるように、ぐっと安くなっていたので、エイヤッ!
いろいろ挟みながら、聴き終わりは、来年のいつまでかかることやら。
 

CD1/12

ベルリオーズ:レクイエム, op.5 1/2

①入祭唱とキリエ(Introit et Kyrie)
続唱(Séquence)
  ②続唱(Séquence) ③そのとき憐れなるわれ(Quid sum miser)

  ④恐るべき御稜威の王(Rex tremendae) 

  ⑤われを探し求め(Quaerens me)

  ⑥涙の日(Lacrymosa)
奉献唱(Offertoire)
  ⑦主イエス・キリストよ(Domine Jesu Christe) ⑧賛美の生贄(Hostias)
聖なるかな(Sanctus)

CD2/12

ベルリオーズ:レクイエム, op.5 2/2

①神羊誦と聖体拝領唱(Agnus Dei et Communion)
 
正式な名称は「死者のための大ミサ曲」(Grande Messe des morts )
多分初めてちゃんと聴いたんじゃないですかね。しかし、Grande!でかいワ!
独唱こそテナー1人だけだけれど、合唱は楽譜では混声6部で200人、通常は
400人で歌われたのみならず、可能なら800人まで増やされたそうな。
楽器では、後でも触れますが打楽器がスゴイ。変則のフルオケの中でも、テ
ィンパニ8対!(10人)、大太鼓2、タムタム4、シンバル10対!
金管なんか別に「バンデ」と言われた別動隊が4つ付く。その総勢38人!
心配しても始まらないけれど、録音はどうしたんだろう。ワタシの車のスピー
カーが特に今合唱に弱いというのに、この規模だもんね、録音もつらかったろ
うが、聴くのもえらいつらかった。規模感もよくわからななかった。(次の点
検時にはよく見てもらおう、ダメなら交換の見積ももらおう)
 
印象はさっといきます。正直に言って好きにはなれなかった。もともとベルリ
オーズの熱心な聴き手ではなかったのと関係はあると思います。作品番号が5
なんでやっぱり初期作だったんだろうね。33歳とあった。
ワタシの素人としての感じ方では、前半がドイツ系宗教音楽をいろいろ参考に
したんじゃないか。その分ワタシにはぴんとこなかった、みたいな。そして上
記編成で特異な打楽器、これが、まさか!と思うようなところで(たとえば②
や⑥)猛烈にドロドロ騒ぐ。ビックリしました。誰でも知っている「幻想交響
曲」でも似た音ってあったよなあ、と思い至りましたが、用いられ方はへんて
こりんだった。ま、こういうのもベルリオーズなんですよね、きっと。変な⑥
では讃美歌「諸人こぞりて」似たメロディが繰り返し出て来ました。
で、実は後半に行くほど、レクイエムっぽいというより、美しくなってきて、
気に入ったのです。⑦~⑨はすばらしく美しい。
そして、次のCDにまたがってしまった終曲のアニュス・デイ(CD2①) など、
聴き馴染んだレクイエムの歌詞(言葉)がたくさん聞こえ、ああ、やっとレ
クイエムだなぁ、なんて感じたりなんかして、、、打楽器もまともだったし
、、、トンチンカンなんでしょうけど、、、ワタシなんざそんなものなんで
すって。いやぁいい感じでした。レクイエムといったらフォーレやデュリュ

フレしか聴いてなかったようなものだったからなぁ、「かたわ」なんだろう

ね。

 

英国の誇る高名なテノール、ティアーの歌唱は真摯で清潔感があってとても

よかった。

合唱はかなりサイズダウンしての録音だったんじゃないでしょうか。
こうなると、何故ベルリオーズが通常レクイエムにはある Benedictus(ベネ
ディクトゥス;祝福があるように)をすっ飛ばしてしまったのか、と考えちゃい
ましたけど、、、まぁいいか。
 
以下もベルリオーズです。
②序曲《ローマの謝肉祭》, op.9     
③『ハムレット』の終幕のための葬送行進曲, op.18-3 
④-⑥劇的物語《ファウストの劫罰》より3つの管弦楽曲Op.24 
⑦歌劇《ベンヴェヌート・チェッリーニ》序曲
⑧⑨歌劇《トロイアの人々》より〈王の狩と嵐〉と〈トロイ人の行進〉
 
③初めて聴きました。ちょっとドロドロした感じ。イメージが出ているような、
大仰すぎるような。ワタシは曲自体がいまいちです。
④-⑥ ガキ時代によく聴いたもんで記憶には強く残っているのですが、あまり
好きな曲じゃなかった。一般的にもよく知られている曲でしょうが、そう熱心
に聴かれる曲じゃないでしょう。それが、若干恥ずかしい気がしますが、この
ベルリオーズの序曲集でひょっとするともっとも気に入ったかもしれません。
あとの繊細で軽い2曲のみならず行進曲も含め3曲とも、いかにもベルリオー
ズ。フレモーさんのセンスなんじゃないか。

②と⑦、これらはイタリアネタの有名曲。名に恥じないカッコいい曲であり演

奏!

⑧⑨ 初めてです。演奏がいいのか、まあまあオモロイです。これもイタリア系
の感じ。
 
テンポの変化やアクセントが実に生き生きしてよかったですねぇ。繊細だし。
オケの技術もパワーもそんなにスゴイわけじゃないんだけれど、フレモーのタ
クトに実に敏感に反応して一体感がある。「レクイエム」よりよかったかもね。
それとねぇ、アビー・ロード・スタジオの録音であることが効いている、絶対!
柔らかい弦のみならず、全体の音のバランスがいかにもよかった。
なかなかこういういいバランスの音って、あるようで、ないような気がします。
大満足のベルリオーズの序曲集でした。

  

ハイ、この2枚分は実は去年の鑑賞記です。(20221223メモ了)
 (近ごろの言い方だと、「・・・鑑賞記になります」だね。丁寧語かなんかの
 つもりらしいが、ワタシはホントにホントに気色悪い。日本中「・・・になり
 ます」だらけ。誰か影響力のある方取り上げて、それはオカシイで!と言って
 ほしい。ま、これはあくまで喋り言葉のようで、書かれたものでは見ないから
 まだましですがね・・・ 脱線)