休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ルイ・フレモー CBSO全録音 11&12/12

ルイ・フレモー CBSO全録音

           (12枚組)

LOUIS FREMAUX The Complete CBSO Recordings

                11&12/12

CD11 64:48
①-⑥ウィリアム・ウォルトンバレエ音楽《賢いおとめたち》組曲 19:29
 (1976年9月1-2日、ベッドワース市民センターでの録音)
John McCabe 1939-2015
⑦-⑪ジョン・マッケイブ:夜と夜明け 21:51
  ジル・ゴメス(S)
 (1972年9月5日、バーミンガム大学グレイト・ホールでの録音)
⑫-⑯ジョン・マッケイブ交響曲No.2(1971) 23:10
 (1972年6月27日、バーミンガム大学グレイト・ホールでの録音)
  ①-⑥<★★☆>、⑦-⑯<★★★☆>

 

CD12 76:35
①ルッジェーロ・レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》より〈衣装をつけろ〉3:52
②ジャコモ・プッチーニ:歌劇《ボエーム》より〈冷たい手を〉     4:26
③ジョルジュ・ビゼー:歌劇《カルメン》より〈花の歌〉        3:45
④ジョルジュ・ビゼー:歌劇《美しきパースの娘》より〈誠実な恋人の声〉3:05
⑤ジャコモ・プッチーニ:歌劇《トスカ》より〈星は光りぬ〉      2:48

⑥ジャコモ・プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ

                                  3:01

⑦アーサー・サリヴァン:喜歌劇《ゴンドラの船頭達》より〈輝く瞳〉  3:02

⑧フランツ・レハール:喜歌劇《パガニーニ》より〈僕は女にいっぱいキスをしたけど〉

                                  3:24

⑨フランツ・レハール:喜歌劇《フラスキータ》より〈青空をしとねに〉 3:47
⑩フランツ・レハール:喜歌劇《フレーデリケ》より〈乙女、私の乙女〉 2:42

⑪ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇《ヴェネツィアの一夜》より〈来たれ!ゴンドラ〉

                                  3:06

⑫フランツ・レハール:喜歌劇《ほほえみの国》より〈君は我が心のすべて〉3:38
   デヴィッド・ヒューズ(T)
  (以上 1970年6月2,4-5日、バーミンガム・タウン・ホールでの録音)
⑬ジャック・オッフェンバック:喜歌劇《地獄のオルフェ》序曲      9:38
⑭ジャック・オッフェンバック:喜歌劇《ジェロルスティン大公妃殿下》序曲 6:50
⑮ジャック・オッフェンバック:喜歌劇《美しきエレーヌ》序曲      8:58
⑯ジャック・オッフェンバック:喜歌劇《青ひげ》序曲          5:27
⑰ジャック・オッフェンバック:喜歌劇《パリの生活》序曲        4:53
  (以上 1972年4月11-12日、コルビー・フェスティヴァル・ホールでの録音)
 
  ルイ・フレモー指揮/バーミンガム交響楽団(CBSO)
   CD/12枚組/クラシック/Ⓟ&ⓒ Parlophone/Warner Classic/中古
   <★★★☆>

CD11

①-⑥は擬古典主義とでもいうか、バロック趣味でほとんど統一された組曲

上手なもんだとは思うけれど、ワタシの好みからはちょっと離れている。

それに、この録音がいただけない。ドローンとした低音が耳についてしまう。
20分近くもあって退屈。録音場所も他と違っている。ま、そのせいだろうね。
シャキリしておれば印象も少しは変わったろう。
 
あとは珍しやマッケイブ(1939-2015)が2曲。
と、知ってそうに書いたが、アルバム1枚聴いたことがある程度、それも合唱
曲。幅の広いジャンルの作曲と共に、ピアノ弾きも本職だったのでピアノにも
重要な作品がある。英国ではビッグネームのようです。
 

⑦-⑪ 繊細かつドラマティックな交響組曲という感じ。いきなり入ってくるソ

ラプノは英語ではなさそう。北欧風な涼やかさ、爽やかさ。バーンスタイン

「ウェストサイドストーリー」のような打楽器の用い方が楽しい。
影響を受けた作曲家に、V・ウィリアムズ、ブリッテン、ティペットなどの名が
あるんだが、弦の用い方がマルコム・アーノルドの5,6番などの交響曲で聴い

たものになんとなく似ているような気がしました。

マルコム・アーノルドの名は、ひょっとすると映画『戦場にかける橋』とか

 『テレマーク要塞』の音楽で知っている方もおられるでしょうね。)

 

⑫-⑯ Sym.2 交響曲だからか力が入っている感じはありますが、上記曲との

サウンド上の類似点はありそうで、アーノルドを想起させる点も似ている気が

します。それはほんの一部ですけどね。アーノルドのいわば素っ頓狂なアイデ
ア風な曲想はないようで、繊細で生真面目。
セリーのような方向へは進まなかったのですね。
聴きやすくなかなかカッコイイ。好きな音! でもどうでしょう、記憶に強く残
るかというと、そうでもないかもしれない。

 

ウォルトンの時にもちょっと書きました・・・
持っているマッケイブのCDは合唱もの。引っ張り出して聴いてみました。
今回のオーケストラものと引けを取らない、いやむしろもっと魅力的かもしれ
ないものでした。特にアルバム後半ではオルガン伴奏が付いているのですが、
伴奏なんてものじゃない。大音量こそ出さないが、心地よくビューティフルに
尖がった感じとでもいうのかな、合唱だけでも魅力的な音楽なんだが、合唱と
オルガンの和声の相乗効果がすばらしかった。

                            (メモ20230310)

CD12

最後の12枚目はちょっと意外な内容。歌劇、喜歌劇のアリアと序曲。
アリアの⑦以降は知らないものが多かったですね。序曲だって⑬以外はそう。
まぁ概してオペラ、オペレッタについては知識が乏しいし、楽しみ方もよくわ
かっているわけじゃないけれど、今は決して嫌いというわけでもない。
①~⑥はさすがに知っています・・・
で終わりというわけにもいかないですから、何か書いてみます。
 
驚いたことがあります。
⑫までのアリアですが、喜歌劇ならいざ知らず、なんとまぁ全部英語!
⑥までの有名オペラアリアだって、言っちゃなんだが、ミュージカルみたい
に聞こえました。
喜歌劇の⑦から⑫までは、ま、もともとミュージカルみたいなもんだからね、
ミュージカルをクラシックっぽく歌った感じに似てるといってもいい。
そうだ、③の「カルメン」なんて「カルメン、アイ ラブ ユー」なんてやると、
ほとんどミュージカルで、笑っちゃった。たまにはオモロイ!
 
デヴィッド・ヒューズというテノール、ワタシは知らなかったですが、歌劇
のオペラはそれなりの声の出し方で、すごいハイ・トーンもちゃんと出てま
した。それが喜歌劇になると、ぐっと甘ったるくなった。
声質は特別個性的というわけじゃないものの、どっちもいけるなかなかうま
い方。(有名な方なのかもしれませんね)
 
オケのほうは喜歌劇やオッフェンバックの序曲集は、軽い音色が結構似合っ
てまして、⑬はあの「天国と地獄」。ツボも心得た感じで、いい演奏だった

んじゃないでしょうか。ま、ワタシは歌劇のほうの演奏のほうが断然好きで

すけどね。

 
聴き始めの不安感(つまんないんじゃないかっていう)はすぐ消えて、失望
を味わったものはありませんでした。

軽く楽しんで、12枚組、12枚目、やっとおしまい。

                           (メモ20230320)