|
(「このミステリーがすごい!2015年版」 国内編第6位、紹介文) |
ジブチに駐屯中の陸上自衛隊第一空挺団は、墜落したヘリの救援のため、 |
ソマリア国境に近い内陸部に12名の隊員を送る。野営中の部隊は一族を虐 |
殺され逃亡してきたという氏族長の娘を救う。だがその直後、部隊は激しい |
銃撃にさらされる。娘を追う別の氏族が襲撃を始めたのだ。僥倖も手伝い逃 |
亡に成功したが、隊長以下5人が戦死してしまう。無線も食料もなく、わずか |
な武器を持っただけの逃亡が始まる。しかし娘を狙う敵は執拗な追撃をあき |
らめようとしない。 |
現実に起こり得る危機をテーマに、不利な条件、内紛、命の危機の際に示 |
すべき人間の矜持、隠された謎など、本書には冒険小説のあらゆる要素が |
つまっている。 |
|
映画「ブラックホーク・ダウン」をちょっと思い出した。 |
ドンパチの原因は違うけれど、場所も多勢に無勢の状況も似ていたんじゃな |
いか。 |
でも、なんてったって、ミソはこれがほかならぬ自衛隊員が置かれた状況で |
あること。そもそも自衛隊がこんなドンパチの状況に陥る「はずがない」わけ |
で・・・、小泉首相は戦闘地域を避けることに関してミョウチキリンな受け答え |
をしたんだったか。安倍首相はドンパチは基本「ない!」と断言したんでした |
な。 |
でもひょっとして捜索/救助なんてことに駆り出されれば、まあ、こういう事態 |
も大いにありうると思う、常識的に考えれば。いやこれまでだって、あったか |
もしれない。隠ぺいされただけかもしれない・・・ |
|
なぜここまで激しく攻撃されるのか? |
なぜ救援が来ないのか? |
自衛官は人を殺せるのか? |
男たちは命を懸けて女を守った。 |
|
その他帯にはたくさんの書店員のレコメンドが載っていて、「一気読み&大興 |
奮」の類ばかり。 |
よくわかりました。その通り。本一冊見事にだれない。上手いものですねぇ。 |
もうほとんど‘アメリカ映画’。 |
参考文献の中に高野秀行さんのもの(「謎の独立国家ソマリランド」)が混ざっ |
てました。 |
|
ワタシ、リストアップはしてましたが、職場一階にある「コミュニケーション・スペ |
ース」(まあほとんど学生の勉強室になってます)の本棚(有志の寄付によるも |
のらしい)にあるのを見つけた時は、驚きましたね。これだけ浮いてた。どんな |
人が置いていったのだろうな。今年になってからだと思う。批判ではなく、この |
ハラドキをどうぞ楽しんで、と、おいてくれたに違いない。 |
ともあれラッキー!とばかり、オッサンが借りだしました。 |
返しておきます。 |
‘このミス’の文章にならい、「冒険小説」としました。かまわんでしょ?
( ジブチを見てみると、ドンパチがおさまらぬイエメンのみなら
ず、‘悪名’とどろきわたる エリトリアとも隣接しているのがよく
領内からの脱出/逃走。)
|