休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

角幡唯介/「空白の五マイル」

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20151031(了)
角幡唯介/「空白の五マイル
チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
     地図および歴史
 
     プロローグ
   第一部 伝説と現実の間
     第一章 一九二四年
     第二章 憧憬の地
     第三章 若きカヌーイストの死
     第四章 「門」
     第五章 レース
     第六章 シャングリ・ラ
  第二部 脱出行
     第一章 無許可旅行
     第二章 寒波
     第三章 二四日め
     エプローグ
     あとがき
     主な参考資料
     解説 柳田邦男
     2012年9月/探検ドキュメンタリー/集英社文庫(単行本2010年)
     <★★★★>
 
(「BOOK」データベースより) チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイ
ル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちの
チャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわ
れる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の
果てに目にした光景とは―。第8回開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一
ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞
こんな探検/冒険が今時あるんやねえ。
そりゃあ賞ぐらい獲るワ。
ツアンポー峡谷の探検の詳しい歴史と、自分の2度の探検を交互に並べ、
ヤマは自分の2度めの厳しい探検の経緯。
ここはいわばヒルトンの「失われた地平線」の舞台なんだよな。とてもじゃない
が‘シャングリ・ラ’じゃなかったけれど。
高野秀行とはもちろん早稲田の探検部の先輩後輩の間柄で、対談本なんて
のまであるが、エンタテインメント・ノンフィクションの高野さんと、苦しいほど真
面目な角幡さんとは、全く違うスタイルの冒険作家。
この違いがいい。比較なんぞ意味がない。
これは角幡氏のデビュー作だが、この後、同時に同じ賞を受けたこともあるらし
い。息苦しほどの体験に、浮世を忘れる。
とにかく、こんな秘境、もうほとんどないんじゃないかい?  外国旅行なんて一
度だってしたこともない人間が言うのもナンだけどさ。
残念なのは、写真が全くないことかな。(写真に関する記述はちゃんとあった!
偏っていたってかまわないのに。)
数日前に届いたナショナル・ジオグラフィック11月号(丸ごと一冊 気候変動 大
特集) の最後の読み物が、たまたま角幡氏のもの。楽しみにしておこう。北極
圏の単独行。
危ないことする人やなぁ。
 
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