休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

狂騒のあとで

8/17(月)
お盆の期間がおわり、近所の住宅地の車の台数が減った。
ベスト8に入った高校野球をTVで流しながら、朝食。
カミサンは仕事に行って、オフクロと二人で、テレビに映ることやお天気のことを
ぼそぼそしゃべりつつ・・・  
予報通り雨が落ちだした。
戦後70年という節目で、安保法制談義や70年談話など、例年になく喧しかった
のも、すっと引ける感じがする。今日、朝刊がないのもその感覚を助長する。

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(20150815)
昼間はまだクソアツイが、夜は涼しくなった。
エアコンはなしで済む感じ。
ページを切り取って、70年談話読む。
たしかに、お詫びや痛恨の反省とかは、引用というのではないが、前人の文言
の踏襲をするという、その「踏襲」に力点がかかっていて、自分の意思という感じ
は薄められたきらいはある。それを‘逃げている’と言われれば、際限なく上げ
足も取れるだろうが、でも、うまくできているような気もする。
よく考えた、もうおしまいにしたいんだ、という雰囲気を醸すのにけっこう成功し
ているのではないか。
80年談話、なんてのが出るとしたら、安倍首相のときにはこんな風にニュアンス
が変わったんですがね・・・ふうに、きっとひきあいに出される。
戦後のどさくさに生まれたワタシは、やっぱりというべきか、現代史をちゃんと習っ
た記憶がない。受験戦争と言われたころで、どうせ「そのへん」は入学試験には
出ないから、と、先生自身が宣言していた。
嘘も何もない、ただただ空白だった。だからその後の自分の勉強の仕方次第だっ
たわけで、どんな考え方になるか、きわめて人によりけり。
今の若者たちも、どうやら、教わっていないらしいじゃないか。この事実が、なに
をかいわんや、やね。
史実やその数値などがどうも政治判断によって曲げられたふしのある韓国や中
国では、あれだけ徹底して、“その史実”を刷り込む教育を施し続けてきているん
だもの。そりゃ日本人にとってそれに対抗するのは容易なわけがない。日本人に
近代現代の歴史教育はない。こんな国ほかにあるんかいな?
ワタシもかの国たちの言い分に腹を立ててはいるものの、実際にはこの三国、も
ちろんのこと、どう推移してゆくのだろうと思うとタジタジ。孫やひ孫の世代には戦
争責任は負わせたくないのはたしかながら、そんな思いだけでは「戦後」論は終
わりゃしない。
若者は、これからの若者は、なんだか大変だ。
そんな中、時期的なこともあって戦後論ふうな記事が多く、みんな読めているわけ
もないが、3つ切り抜いて目を通してみた。
(1)戦後70年/日本の誇るべき力; ジョン・ダワー(歴史家、1938-) 
    国民が守り育てた  反軍事の精神 それこそが独自性
    郷土思うゆえ 過去を反省し 不寛容と一線を     (H27年8月4日 朝日)
(2)フォーラム/戦後70年 日本の転換点は ザ・対談
       ;古市憲寿社会学者、85年生)/山崎正和(劇作家・評論家、34年生)
    90年 少子化のショック 時代区分の意味、変化
    冷戦 日本に麻酔かけた 根強い55年体制的思考
    戦後=平和と語られる 概念は風化してゆく      (H27年8月9日 朝日)
       (戦後日本の転換点はいつか。戦後はいつまで続くのか。などの朝日
        のデジタルのアンケートの回答を前にしての対談)
(3)寄稿/私の歩んだ戦後70年; 池内紀(ドイツ文学者・エッセイスト、1940- )
    国は信用ならない/他人は頼りにしない/自分で考え決断する
    平和を根付かせるのは忍耐と知恵          (H27年8月14日 朝日)
徹底的に文科系だからなんだろうけど、こういう読み物がどうしても響きやすいので
すけどね。理科系の偉い人の喋りに、「文科系の人はこれだから困るんで、フォロー
してあげないといけない」なんてのが時に出てきて、グサッとくるんだよねぇ。
とまれ、せっかく読んだのだから何か紹介しなきゃと思って・・・
ダワーさんの「敗北を抱きしめて」はいったい何年前から積読状態なんだっけ。
日本の「従属的独立」の状態はみんなが認識していることだろう。その関連で、、、
(1)には「・・・孫の安倍首相が進める安全保障政策や憲法改正によって、日本が
対米自立を高めることはないと私は思います。逆にますます日本は米国に従属す
るようになる。その意味で、安倍首相をナショナリスト呼ぶことには矛盾を感じます。」
というのがあって、まあ本筋とは少しずれて、アホ(ワタシのこと)みたいだけど、、、
(2)にこんな喋りがある・・・
  山崎: 政治面でいうと、人々の間に気分としての、冷戦対立を背景ににした55
     年体制的な思考がかなり残っていると感じました。安倍政権の新安保体
     制への批判。これが強い。野党ふうにものを考える風習が残っているとい
     うことですね。戦後を肯定的にとらえて、良かったといっている人の数は圧
     倒的です。戦後否定論、戦後民主主義否定論がなかったことが、むしろ印
     象的です。
      回答には「現在が戦後の転換点だ」 も多い。「せっかくつくった戦後を安 
     保法制で破壊しようとしている」 というわけです。でも私は、安保法制とは、
     「戦後の終わり」をなんとか食い止めようとする動きの一つだと見ています。
     これによって日米同盟を強化して、なんとしても米国と中国が組んで日本を
     非難するなどということになってほしくないと。
  古市: ということは、首相は「戦後レジーム(体制)からの脱却」と言っています
     が、実際にやっていることはむしろ「戦後レジームの延命」であるというわけ
     ですね。
奇しくもダワー先生も山崎先生も、似たようなことをおっしゃってるなあと思って、ちょ
っとだけ書きだしてみた。
地位協定を何とかしないと、なんて話が出る機会は、ま、当分来ない。
古市さんは、戦後という言葉は残っても、内容的には風化して意味のない言葉にな
っていくんじゃないか。山崎さんは、今の天皇制が続く限り、戦後は続くとおっしゃっ
てる。(理由ははしょります)
(3)の池内先生の文章は、(1)(2)と違って、文学者として歩んできた道のりを、自
伝的に含蓄ゆたかに述べているだけに近い。それがいかに戦争の影をこっぴどく落
としていることか。オレは文学をやってきたんだ。文章を読むことを生業としてきたん
だ、で、やっぱり戦争ってこんな風に影響を与えてきたんだ、何か文句あるか!と
いう感じ。(ちょっとオーバーかな) ちょうど発表される「作文」(70年談話のことやろ
ね)、皆さんも採点してごらんなさい、だってさ。注意点は・・・
 ①主題をすり替える ②どうでもいいことにこだわる ③小さな私的事実を織りこむ
あたりではないか、とのこと。
締めに使われているカントの『永遠平和~16歳からの平和論』の内容が強烈。
  ・・・
  山崎正和さんの本は昔けっこう読んだ。本の装丁なんかは皆覚えているけれど、
  中身的には今何が残っているのかな、、、、怪しい。
  池内紀さんの本は、わりと最近。NHK-FMの長寿番組「日曜喫茶室」なんかを
  聴きはじめてからだと思う。勿論独文関係なので存じてはいましたけどね。基本
  的に優しいかただが、近づきにくそう・・・ 写真、非常にお若い。
  古市さんは、NHKでよく見かける若き論客。

  
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この辺で息切れ。
核心の話ではないので、アップしてみた。
ありがたいことに、こういうのにはほとんど関心を示してもらえない。
ワタシ、オフクロに縛られている、みたいな書き方をしているにもかかわらず、なん
のことはない、かなりひまってことです。ハイ。