アメリカの作曲家では好きな部類に入ります。 |
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(1)「巡礼者」: |
この「巡礼者」という訳語を見て即連想したのが、映画「偉大な生涯の物語」。 |
アルフレッド・ニューマンのサントラの音楽。妥当かどうかはよくわからないけ |
ね。 |
分厚い弦の非常に美しい音楽。 |
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(2)②で時々打楽器がボン!とかドカン!と鳴るのが、ミヨーを連想。多くの |
交響曲でこんな音をたくさん聴いた・・・。この打楽器のほうはミヨーよりものも |
のしさがある。管弦楽全体はミヨー独特のとんがり方と違って、包容力がある。 |
③は木管中心のアンサンブルが美しく、その中でフルートが一応中心だよ、 |
という感じ。裏側にバーバリズムが潜んでいるぞ、というかのごとき抑えた雰 |
囲気もいい。 |
④こりゃ‘サイレン’じゃなくて‘海の精’のようなものかな。⑤ピアノの出だし |
がいかにもフランス近代。たいそう美しい。⑥短い。太鼓、そしてワルツ少し。 |
⑦レジュメと祈り? 何のこっちゃ。ティンパニの連打や二本のフルートなどの |
導入から、わりと大きな音量に達するも、静かな終わりまで、あとはほとんど |
盛り上がらない。静謐な調子が続いて、勿論静かに消えゆくように終わる。 |
フルートの技巧を楽しむというよりは、フルートが活躍する管弦楽組曲とでも |
いうべきもの。 |
知っている管弦楽曲である3つの交響曲とはかなり違った印象で、ラヴェル |
やミヨーなどのフランス系の影響が、かなり濃いように思う。 |
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(3)これも6つの楽章に分かれている。 |
フルート協奏曲とは違って、管のアンサンブルのセンスを聴かせる、みたいな |
ものはあまりなくて、でも全体に品のある抑えたコンチェルト。 ヴァイオリンは |
ときには激しく弾かれるけれど、ヴィルトゥオーゾぽいところはほとんどない。 |
地味。ソリストには面白くないかもしれないが、聴く方はそうでもない。 |
先のフルート協奏曲よりは、交響曲に近いかもしれない。もっとも、ティンパニ |
はよく鳴るものの、規模感はない。オケは小さ目だと思う。 |
いや、フルート協奏曲がつまらないと言っているんじゃありませんヨ。どちらも |
良かった。 |
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この方、歌曲の作曲家として知られるんだそうだが、歌ものはまだひとつも聴 |
いたことがない。歌はワタシ、好きになれるものがなかなか見つかりませんの |
で、(というか、たいてい音としてしか聴かないので)無理して探す気はないの |
ですけどね、ちょっとだけ気になる。それより、ピアノ曲なんか、どうなんだろう。 |
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*Cover Image: Ned Rorem at the piano by Jean Cocteau ですって。 |