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(帯紹介文) 20世紀前半のポルトガルにおいて、最も重要な作曲家がこのブラ |
ンコです。NAXOSは彼の管弦楽作品を4巻のシリーズでリリースする予定で、こ |
ちらが第1弾となります。交響曲第1番はフランク、ブラームス、その他フランスの |
作曲家たちの影響を受けつつも、独自の作風をしっかり打ち出した荘大な作品 |
です。「アレンテージョ風の組曲」はブランコが夏に過ごしたリスボンの南の地 |
域の豊富な民族音楽に由来した楽しい曲集です。 |
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(1)①Adagio-Allegro moltoはしずしずと入るが、じきに馥郁たるロマン派から |
始まって、実に様々なタイプの音楽が入り乱れる。それじゃヘンだろと言われそ |
うだが、それがうまいこと融合して違和感なんかまったくない。ドイツ音楽もフラ |
ンク一派のフランス音楽の隣組も、感じだけで、決して重くならない。眉間の皺 |
はポーズだけ・・・ |
②Andanteの叙情はこぼれんばかりで、実に美しい。このアルバム中の白眉。 |
悠久の歴史を感じさせる景色を静かに眺め渡しているような、、、 |
③Allegro molto vivace これまたロマン派の終楽章っぽく、一瞬ブルックナーみ |
たいな音も耳を掠めつつ、あくまで元気よく明るく締めくくる。 |
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(2)これ、グリーグの「ペールギュント」の中の‘アニトラの踊り’だかにメロディー |
ラインが妙によく似ている。偶然だろうか、もともとヨーロッパでよく知られた民謡 |
系がベースにあるのか。 |
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(3) 抒情味たっぷりの⑤、翳りのある⑥、ヴァイオリン・ソロが入るところなんぞ |
狂詩曲スペインなんてタイプの知られた曲にそっくりのところがある⑦は、間に |
堂々とした緩徐部分を挟んで、にぎやかに盛り上がる。親しみやすすぎるくらい |
の楽しい組曲。(組曲第2番は第3集に入っていた) |
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まあこれでは現代音楽というわけにはいかないけれど、だからどうだというの! |
だね。 |
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4曲ある交響曲を中心とした管弦楽集をポツリポツリと、逆向きに聴く形で、4枚 |
聴き終えた。もっと人気が出てもいい作曲家だと思うのは毎度のこと。 |
演奏の精度という点で若干不満はあるけどね。やっぱり、ポルトガルもの、もう |
少しいろいろ聴いてみたいという思いは変わらない。 |
(聴いてみたくてかつ安く手に入るのが、NAXOS系列では少々少ないのです、 |
実は。) |