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税吏でもホントはなんとか食って行けたはずなのに、現役画家としては評価され |
ることもなく、極貧のうちに亡くなったのアンリ・ルソーのミステリーの後は、いま |
だブームが去らないフェルメールのお勉強・・・ |
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真筆かどうか怪しいものも含めて、全部で37枚という少ない枚数、しかも欧米だ |
けで済むということで、この筆者は、出版社の一気踏破の企画に乗っかった。あ |
るいはその逆。日本人だけがやたら好きで騒いでいるというわけでもないようで、 |
欧米ではもともと人気があるんやね。 |
真筆かどうかの真贋だけでなく、これまでいろんな事件に巻き込まれてきた作品 |
がいくつもあり、かつご本人にも、デルフトという町をほとんど出なかったわりには、 |
わからないことが山ほどある。 |
ミステリアスな方が人気が出るものなんだ。 |
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美術館ごとに、その作品の来歴、画家とその周辺の事情、巻き込まれた事件や |
出来そのものなど、思った以上に詳しく書かれているし、筆者自身の考え方や好 |
みまでも加えてある。 |
観たらさっさと次へ行くのかと思っていたら、意外に読みごたえあった。 |
絵の写真、大きいとは言えないものの、新書なんだからまずまず。 |
著者はこの本のための取材では4枚が残ってしまったものの、観たことがあると |
か、その後観たとかいうのを含めると、「合奏」を除いた36枚は観終わっている。 |
(「合奏」は盗難に遭って行方不明なんだってさ。) |
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ワタシは37枚、写真で一応全部観ることができましたヨ! |
著名画家の作品、全部観たなんて初めてだよ。文献的にはあと10枚、描かれ |
たとわかっているものがあるそうで、でもおそらくもう見つかることはないんでしょ |
う。それとも、代々隠し持っている人間がいるんだろうか。 |
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レンブラント展なんていうのに、ずいぶん前に行ったことがあった。 |
けっこう印象深い。巨人レンブラントが1606-1669年、フェルメールが1632-1675 |
年、同じオランダなんだから、面識ぐらいあったんじゃないの? そんなこと書いて |
なかったけど。かたや‘肖像画’、かたや‘トローニー’。 |
(モデルになった女性は、限られたごく少数のかただったみたいに見えた。) |
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似たタイプの絵のインパクトでは、カラヴァッジオ展というのを、岡崎へ名古屋か |
ら車を飛ばして行ったことがある。気まぐれだったんです。これがね、レンブラント |
展よりすごかった。なんで行ったのか覚えてない。NHKテレビか何かで紹介して |
いる番組を観たんじゃないか。 |
だいたいねぇ、美術なんてワタシには中学校までだった。高校受験時には科目 |
としてあったなあ。その教科書にカラヴァッジオなんて画家の名前はなかった! |
その後一般教養としても知る機会もないまま、、、と脱線。 |
その、なんです、“カラヴァッジオ様式”との関係を書いているところがあった。影 |
の扱いのことやったか。 |
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さてさて、真贋の怪しいものは特にそうだけれど、出来のいいものとそうでないも |
ののギャップがけっこうあるみたいだった。宗教性が薄いのは好ましいし、寓意が |
少ないのもいい。その独特の光と影の個性的としか言いようのない扱い方! |
美術館単位で観ていくので、時代を追うようなスタイルではないものの、晩年の |
作に近づくほど壊れていく(狂っていく)みたいな感じが、解説でよくわかり、悲し |
くなっちゃいましたねえ。 |
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一番気に入ったのは『デルフト眺望』。 |
二番目は、どれと決めにくく、「牛乳を注ぐ女」とか、大味だと書かれている「女と |
召使い」あたりだろうか。「真珠の首飾り」や「青衣の女」、勿論超有名な「真珠の |
耳飾りの少女」もいいけど・・・
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