休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

原田マハ/小説「楽園のカンヴァス」

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20150206(了)
原田マハ/小説「楽園のカンヴァス」  La toile du paradis
 
  2014年/小説/新潮文庫(単行本2012年1月)/中古
   (カバー写真 「夢」 アンリ・ルソー 1910年 ニューヨーク近代美術館所蔵)
 
   <★★★★>
 
(ネット解説) ニューヨーク近代美術館学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸
宅でありえない絵を目にしていた。M oMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ル
ソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。
持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎
の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。
ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。
 
ルソー(1844-1910)ってこんなにバカにされたり、ひどい貧乏をしたりしていたん
だ。知らなかったというか、知る機会がなかったというか・・・。
 
で面白そうだというので、まじめに読み始めたところ、アンリ・ルソーという奇妙な
画家のこのミステリーは、殺人なんか起きないものの、ルソーとその取り巻きな
どの伝記的な部分の面白さが加味されて、ワタシには不思議と興味津々の物語
でした。絵をかくのは下手で嫌いですが、観るのは嫌いではありません。
伝記と書いたように、最後にはルソーが死んでしまうわけだけれど、ワクワク感は
途切れず、珍しく2,3日で読了。ま、‘ミステリー’としても読めるという言い方のほ
うが正しいんとちゃいますか。(‘このミス’2012年、国内の第6位)
 
ルソーの最後の何年間の時代があり、二人の若きキュレーターが戦わされる7日
間があり、その15-6年後(ほぼ現代)がある。この3つの時間帯がきちんと描かれ
るのだが、時間の描かれ方にヒントあり・・・(ややネタバレかな)。
若いキュレーター二人が、ちょっとナイーヴすぎるか。
さらには、絵の真贋と解説されているが、その材料として渡されるルソーの最後
の何年間の‘物語(古書)の真贋’こそがキモ・・・ とこのぐらいにしとかなきゃい
けないですな。
 
この文庫の表紙にもなっている「夢」、知ってはいたが、かなり大きな絵なんだ。そ
れは知らなかった。「1910年、204.5×298.5 ニューヨーク近代美術館」
この表紙写真じゃ小さすぎて話にならんと、絵が好きだった親父が集めたらしい
本(図鑑ふう)で探してみたところ・・・
「週刊 朝日百科 世界の美術」というもので、14ファイルあり、それぞれに10冊
づつが専用のファイルに綴じられている。「ルソーと素朴派」という1冊にルソーの
絵は23枚が紹介、解説されていて、「夢」もちゃんとあった。これならよくわかる。
他の素朴派と言われる画家たちのほうは全く知らなかった。
毎月配本されたって、ずいぶん長い間かかったろうねぇ。
昭和54年6月17日発行(毎日曜日発行)、全140冊・・・定価400円、専用ファイル
は別売、か。 (1978年頃か)
毎週かよ、こりゃたいへん、、、がんばったんだ。この際関係ないけどさ。
 
閑話休題。読後見るルソーの絵は、けっこう違って見えた。ホント。 
きのう、‘おわかれ会’が催されたと新聞に載っていた赤瀬川原平さんの判断基
準、「買うつもりで見てみろ!」でいうと、、、うん、なんか欲しい気がするもの。
 
 
  著者のお名前である‘マハ’、絵の話で‘マハ’と聞くと、そりゃあゴヤの絵‘裸
  のマハ’‘着衣のマハ’を連想してしまうのを止められない・・・子供の頃は、マ
  ハのまたぐらに目が行くのを止められなかった・・・なんかちょっとねえ、言う必
  要はないが、自己申告!申し訳ない気がする。赦してもらうしかない。
  (下の写真はふざけての借用です。ゴメンナサイ)
 
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