スペインの芸術を広く紹介しようというこの出版社の企画で、その最初の |
もの。それにプラド美術館が捧げられ、前後2巻とし、第1巻をスペイン絵 |
画にあてたとある。 |
わざわざ「日本語」と書いている。 |
なに、ミレー展の古い図録を中古屋で見ていたら、近くにこれが並んで |
いて、べラスケスやゴヤが観られるのを確認して、一緒にレジへ。図録じ |
ゃない。これも特価。 |
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230枚もあって全部カラーだからねえ、なかなか贅沢。この値段で、写真 |
が少し小さい!なんて文句は言えない。 |
沢山の画家が紹介されていて、ベラスケスやゴヤの扱いは大きい。グレ |
コ(1541-1614)も立派な扱いだけれど、ワタシ好きでない。 |
ベラスケス(1599-1660)は、王室とか貴族の肖像画は妙に気色悪いが、 |
市民を描いたものは素晴らしい。 |
ゴヤは1746-1828とあるから、ベラスケスとは直接の接点なんぞあるは |
ずもなく、近代に近いんだ。知らんかった。ま、こんなもんです。絵の変遷 |
が大きい。はじめの素朴な絵よりは、美化しない肖像画や、後年の凄味 |
のある“黒い絵画”がいいなあ。 |
他にも素晴らしい画家がたくさんいたことはわかった。中でも、カラヴァッ |
ジョの影響下にあったらしいと書かれている ホセ・デ・リベラ(1588or1591- |
?)の細密で暗いリアリズムは強烈。 |
星の数は単に好き嫌いの‘密度’。 |
知らない絵や絵描きがたくさんいるのっていいもんです。行き当たり |
ばったりのくせして、ときどきおっと思えるものに出逢える。 |