もと陸上選手白石がサイクルロードレース(の自分が勝つんじゃなくアシスト |
というシステム)に惹かれて自転車競技に転向する。そこでベテランのチー |
ム・エースに絡んだ事故とも殺人ともつかない事件があったことを知る。次 |
期エースを虎視眈々狙う新人同僚やチームの他のメンバーらとの競技の中 |
で、再び事故が起きる。 |
というような、一足飛びのあらすじだけれど、なんたって自転車のロードレー |
スをミステリーにしちゃった点。それと何が何でもチームのエースを勝たせる |
ためにアシスト(つまりサクリファイス/犠牲)に徹することに喜びを感じるとい |
う、ちょっと変わった(もっとも、ワタシは意外にもよくわかる)主人公である点。 |
そう長くもなかったためか、やたらすいすい読めてしまった。 |
「ただマイヨジョーヌのためでなく」とかいうドキュメントのタイトルだったかの |
意味がようやくいくぶんかわかったような次第。
‘フォア・ザ・チーム’では小説のムードとしてはちょっと暗いかと思いきや、
そんなこともなかった。
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自転車レースの世界を描いて珍しかったんだね、かなりいろいろと話題にな |
った作品。ミステリーとしても「このミス 2008年度版」では国内の堂々7位。 |
当時は作品紹介を読んでわかったような気になったか、“読みたいリスト”に |
は入れてなかったのですが、なぜか感じるものがあって購入。 |
分厚い本の後、取りかかって、大成功。(いつもの気まぐれですけどね。) |
ミステリーよりも、むしろ断然‘その世界’のこと。競技場をぐるぐる回る競輪 |
じゃなくて、ツール・ドなんとかってやつ。作者は日本ではまだまだ人気もな |
じみもあるとは言えないこの自転車レースについて、かなり好きというか詳し |
い作家なんだそうな。すでに続編的なものも書いておられるようです。 |
‘酔いどれフィッシャーマン’さん、もし読んでおられないなら、おススメです |
よ。スポーツ系ミステリーの傑作。 |
ちなみにワタシはママチャリにバッテリーがくっついたやつをちょいちょい使っ |
ってます。ま、別に恥ずかしいとは思ってません。むしろバッテリーの容量が |
少々小さく、もう一つ上のやつにするんだったと、ちょっと後悔している。 |