休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『最前線物語』

20250808(了)

映画『最前線物語

  監督・脚本;サミュエル・フラーリー・マーヴィンマーク・ハミル
  1980年製作/アメリカ/原題:The Big Red One/NHK-BS
  <★★★☆>

NHK-BSの昼過ぎの映画、朝昼兼用の食事を延ばして、観ちゃった。
こういうの、あったんですね、知りませんでした。
リー・マーヴィンがだいぶん老けているので、古くはないんだろうと思ったら、
1980年製作。マーヴィンは当時56歳。年齢、わかりにくい。第一次世界大戦
が終わった1918年には、マーヴィンはまだ生まれてもいないわけだが、役柄の
見かけとしてはちょうどよかったんだ。
第一次大戦の生き残りが、第二次大戦でも、若い兵を連れて様々な最前線を潜
り抜けて生き残るというだけの映画。
そりゃあマーヴィン、老けて見えて当然。しかも軍曹!普通なら、厳しい設定
だと思う。
個人的には、1980年ごろは、映画どころでない時期ではありました。
 
北アフリカ、イタリア、ノルマンディ、チェコなどなどの最前線を、4人の死
なずにいる若い兵と、順次補充されては死んでゆく補充兵が名前も覚えられぬ
まま消えて行きつつ、最前線をまるでロードムーヴィーででもあるかのように、
ほとんど戯画のように物語られる。ここまで様々な前線を経るなんてことがあ
りえたとは思えないので、どうしても「戯画」を連想してしまいますな。
脚色されているだろうけれど、監督の自伝ぽいそうで、とんでもない話。
語り部は4人のうちの一人、狙撃兵のマーク・ハミルなんだが、まぁ別に誰で
もいいようなもの。
兵卒兼リーダーに徹しているマーヴィンや率いられる部下4人が、経験する最
前線のとてつもない、ほとんど嗤いたくなるほどの非情さ。あれだけ死を見せ
られても、案外むごたらしさはなく、テンポもいい。 どこか軽妙(うーん、そ
れじゃもう一つピンとこない)な感じに出来上がっている。
さらに温かみ(人間らしさというのともどこか違う)やいろんな国々のある種
のお国柄を感じさせる挿話が殆ど規則正しいくらいに挟まれる。作り話ふうな
がら、意外とリアルなのかもね。
そうそう、まるで宿敵というか、セットのように最初から「付き合ってきた」
ドイツ人将校の存在も、戯画っぽさを後押ししてくれたかも。
 
この映画がつくられた意味や感想は難しい。「諧謔」と言っておけば済むが、言
い違えると、総すかんを食らうかも(そうでもないのかな)。

 

 ん? THE RECONSTRUCTION?
 なんか、監督による再編集というようなことだけではない経緯がある映画な
 のかもしれんね。知りませんけど。