休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ヤナーチェク ;歌劇《死者の家から》

20251011(了)

ヤナーチェク死者の家から》3幕の歌劇

   LEOŠ JANÁ ČEK(1856-1928)

 /FROM THE HOUSE OF THE DEAD

  (AUS EINEM TOTENHAUS/Z MRTVÉHO DOMU

  アレクサンドル・ペトロヴィチ・ゴリャンチコフ;オラフ・ベーア(Br)
  アリイエイア;エリック・シュトクローサ(T)
  フィルカ・モロゾフ;シュテファン・マルギータ(T)
  大男の囚人;ペテル・ストラカ(T)
  小男の囚人;ヴラディーミル・フメロ(B)
  司令官;イジー・スルジェンコ(B)
  老いた囚人;ハインツ・ツェドニク
  スクラトフ;ジョン・マーク・エインズリー
  チェクノフ;ヤーン・ガッラ
  酔っぱらいの囚人;トマーシュ・クレイチジー
  炊事番;マルティン・バルタ
  司祭;ヴラティスラフ・クジー
  若い囚人/声;オリヴィエ・デュメ
  娼婦;スザンナ・ハーベルフェルト
  ドン・ジュアンとバラモン僧を演じる囚人;アレシュ・イェニス
  ケドリール;マリアン・パヴロヴィチ
  シャプキン;ペーター・ヘレ
  シシュコフ;ゲルト・グロコウスキ
  チェレヴィン;アンドレアス・コンラート
  マーラー・チェンバー・オーケストラ
  指揮;ピエール・ブーレーズ
  アルノルト・シェーンベルク合唱団
  舞台監督(演出);パトリス・シェロー
  芸術監督;エルヴィン・オルトナー
  撮影監督;ステファーヌ・メッジ
  制作;2007年7月 エクサン・プロヴァンス(ウィーン音楽祭)
  Ⓟ&Ⓒ 2008 Deutsche Grammophon/ユニヴァーサル/DVD/99分?/邦盤
 
  <★★★☆>

ゾンビものではありませんぞ!
時々聴きたくなる、「とんがった民族色」のイメージの音楽、ヤナーチェク
今回はオペラにしてみました。ほかのオペラにしたかったのですが、DVDが
高かったし、YouTubeなどで観る気もないので・・・ 二束三文だったこれを
選びました。観聴きする元気が出るまでにしばらくかかって漸く・・・
 
管弦楽部分の抜粋は11年前に聴いて感想を書いていました。例えば・・・
  ・・・は暗めの押し出しの強い民謡調が多く、最後はダレカサンのせいで
 やたら有名になった「シンフォニエッタ」の終わり方にちょっと似ていて、
 かなりかっこいい
だってさ。フーン、期待するね。ダレカサンてのはそりゃあ村上春樹さん。
観ました。実際はもっと長いだろうが、このDVDではたった100分ほど。
ヤナーチェクというと名が出てくる指揮者 C・マッケラス らの校訂版、台本
ヤナーチェク自身。原作はドストエフスキ『死の家の記録』で、原作以外
のセリフはゼロだそうな。
 
あらすじは読んでおきましたが、正直あらすじなんてありません。変わって
ます。ストーリーがないと言った方がいい。帝政ロシア刑務所の中での話
で、上記10人ほどぐらいしか歌は確認できなかったですね。もう少し丁寧に
言うなら、4人ほどのそれぞれの個人的な話(つまり犯した犯罪の話)を、
打ち明ける方と聞いて反応する方2-3人で対話する感じなのが並べられる。
間に、新たに連れてこられた政治犯らしき男が、ぼこぼこにされた後、ある
若い無教養な囚人と仲良くなり、字を教えてあげるというような話に発展す
るのが一つ。もう一つ、ちょうど中間ぐらいに、囚人たちの余興的な劇中劇
というか、パントマイムが演じられる。勿論男だけで。エロっぽいものなの
で、演者が歌手からその手のプロと入れ替っているかというとそうでもなく、
何人かはその中に加わっていて、いやー、オペラ歌手にそこまでさせるかと
いうぐらい大変なものでしたね。
囚人でない女性が3人ほど、合唱の中にも女性がちらほら見えました。歌手
もだいたいがごっつい体躯のむくつけきオッサン中心。

映画や舞台なんかで時々使われる「群像劇」という言葉がぴったり。
今のロシアの刑務所みたいに(って、見たことはないが)政治犯扱いがゴロ
ゴロいるのかと思ったら、そんなことはない、下界とは隔絶された世界に持
ち込まれた、人間の様々な下世話な営みを知らされることになる。
これを現実世界の縮図であるとか、下界もここと同じ監獄みたいなもんだと
か言いたがる人もきっといるだろうが(シェローもそんなことを書いている)、
そこまで感じ取る必要は、ワタシはないと思ったけどねェ。
 
そのパトリス・シェローという大物演出家の考えででしょう、主な役柄の方
は、ほとんど全員が常に舞台にいて何かやっているというような演出をあえ
てやったようです。多分ヤナーチェクのオリジナルの折はそうではなく、も
っとはっきりオムニバス風な形だったんじゃないでしょうか。

てなことで、せっかく映像込みではあったのですが、音楽鑑賞記用みたいな
ものだったと言ってもいいと思います。シェローもブーレーズも「プリミテ
ィヴ」とか「プリミティヴ主義」なんて言葉を使ってなんだかんだ書いてい
ましたが、こと音楽についていえば、確かにそんなふうではありました。
ドストエフスキーも読まないで勝手な言い草かもしれませんが、音楽系はそ
れぐらいのスタンスでいいと思っている方なので、お許しあれ。
で、ブーレーズ(この時、81歳ぐらい)のすごさはわからなかったものの、
突き刺さる民族色とでもいうものが、ガンガン攻め立ててくるのがほとんど
快感でした。それさえ書いておけば一応お仕事完了です。
 
マーラー・チェンバー・オーケストラの面々、若!半分は女性だったかな。
人数は50人ぐらいか。音の分厚さよりは鋭さ。エッジが効いた、なんて表現
はワタシ普段使わないんで、なんだか照れくさいが、まあそんな感じでした。
はじめに書いた、以前聴いた管弦楽の抜粋版の記憶通り、 というには記憶の
方は相当に曖昧でしたが・・・ CD、ちょっと探してみよう。本編の後ろに
はメイキング系が長々入っているようで、そっちも気が向いたら観てみよう。
 
 (補)
 10/21 上記CD、見つけて聴いてみました。前半は民族色やあの「シンフ
 ォニエッタ」を思わせるところがいろいろ。後半はワタシにはわからなか
 ったが、とにかくいけてます!恥ずかしながら白状しますと、めぼしいテ
 ーマのほかに、オペラの中でこんな音楽が、様々な曲想が割と明るく鳴っ
 てたっけ―、てな感じ。(何をかいわんや) なんだかちょっと自分にがっ

 かりしましたね。この追記、大事なものになっちゃいました・・・やれや

 れ。

 他にも2枚、ヤナーチェクのオペラの抜粋の管弦楽曲があったんで、車に持
 ち込んでみることにします。感想文は書かないと思いますが、楽しみ。