| 20250817(了) |

FRANÇESE 鈴木大介

| 録音:1997年10月、埼玉/秩父/Muse Park |
| CD/器楽曲(ギター)/fontec/邦盤/中古 |
| <★★★☆> |
| ギターのことがロクにわかっていないワタクシメ、この鑑賞記は、どう書いた |
| ものか、トンと思いつかず、かなり長い間、CDは車の中に置きっぱなしになり |
| ました。車中の音楽としても、職場の「音」としても、非常に適していまして、 |
| 飽きもせず、邪魔にもならずで、良かったんですがネ・・・ |
| このギタリストは、NHK-FMでかなり長い間、クラシック音楽系の番組のパー |
| ソナリティを、時々替わる女性ミュージシャンと務めていたので、名前はすぐ |
| に覚えた。武満の映画音楽を聴きなおしたいと思っていたこともあって、彼の |
| ギター中心のアルバムを2枚ぐらい聴いたこともあったぐらいだから、親しみ |
| を持っていました。たまたまジャンル違いのものを見つけて手に入れてみまし |
| た。ラジオのパーソナリティなんかをやる前の古い録音です。 |
| そういうことではあるのですが、上記のとおりです、書けなくて困った。 |
| 解説を読むと、スペインへの憧れだとか、セゴヴィアへの尊敬だとか多いみた |
| いで、スペインぽくなってしまっていなくもない、なんてのはわかるし、ギタ |
| ーというなら、もう一つの山「中南米」というのがあって、そっちにはまるっ |
| きり類似点がないということまでは言えたんだけれど・・・ 聴くうち、結局 |
| スペイン風味なるものにしたって、いたって限られてましたね。 |
| ギターはどうしてもスペイン/ポルトガルと中米/南米を引き合いにせずに聴く |
| ことができない(≒作曲することができない)、みたいな習い性(≒症)に引き |
| ずられるみたいだと思い込んでました。そうでもなかった。 |
| タイトルは一曲目のイベールの曲からとったんでしょう。フランス女性にかか |
| わるムードの感じなのか、それとももっと広く、大雑把に「フランスらしさ」 |
| みたいなことなのか、ワタシにはどっちとも言えない。ましてやそれをこのア |
| ルバムの全体に冠することなんて、できるはずもない・・・ |
| なに、ここの作曲家は皆元来ギターのプロパーじゃないそうで・・・ 考えるだ |
| け無駄。これイイネェ、あれイイネェ風に、何とかやっつけてしまうことにし |
| ます。ギターのいい聴き手じゃないこと、バレバレです。今さら気にはしてま |
| せんがね。 |
| イベール(1)(15); イベールのイメージとは全くかぶらない。(1)は三連 |
| 符が軽妙に細工が効いて明るい舞曲風が見事。(15)は3拍子風2拍子で、 |
| 深く甘い。いいですな。 |
| ルーセル(2); セゴヴィアのすごい面に惹かれたわけじゃないみたいで、ま、 |
| こんな感じさ、と書いてみた。3拍子のアレンジで、明るい。 |
| タンスマン(3)(17); 大好きなタンスマン。パリ命・・・さすがスぺインに |
| はほとんどなびかず。オリジナルのマズルカを見事に料理(3)。(17)のほ |
|
うはエスニックな風味がフッとするような気がする。民族的な憂いのムード。 素敵! |
| サマズイユ(4); 批評家としてのほうが知られるというが、まったく知らない。 |
| セゴヴィアに捧げられたもので、こりゃフラメンコ、もろスぺイン風。 |
| フランセ(5~9)(14); さすが多作家で器用な方でプロパーではないなんて誰 |
| も言えない。(5-9)ではギターの表現の幅を余裕綽々で楽しませてくれる。 |
| ファンタジックで、しかもちゃーんとフレンチ。(14)はパッサカリアといっ |
| ても3拍子の舞曲の組み合わせみたいな感じのもんでしょう。表現の幅のみな |
| らず、技巧にも凝った、トータルで11分を超える作品。 |
| プーランク(10): バロック以前の古めかしさと同時に、メロディは非常に美し |
| い。さすがと言いたくなる。フム、でも・・・どこかで聴いたような・・・ |
| モンポウ(11-12); この中の二人のスペイン人作曲家の一人で、ギター作品は |
| 少ないのね。「歌と踊り13番」はギターオリジナル曲のように書かれているけ |
| れど、(12)はともかく、(11)のほうのメロディは絶対に知っている。 |
| 関係ない話ですが、モンポウのピアノ音楽のCD、全部仕事場に持ち込んでBG |
| Mにしてみたくなっちゃった。 |
| ミヨー(13);これまたセゴヴィア。ワタシはつい素っ頓狂と書いちゃう奇妙な |
| 曲想が躍動して、いかにもミヨー。ここにスペイン風味、当然ゼロ。 |
| ファリャ(16); もう一人のスペイン人、ファリャ。スペインを知らず、民族音 |
| 楽一つ使ったわけでもないのに、ドビュッシーが、スペイン風味を見事に出し |
| ていたなどと、追悼エッセイに書いたそうな、と紹介されている。言葉ではそうな |
|
んだが、音楽としてはこんなふうになった、ということ。ちょっと物憂い調子 の曲。 |
| オーリック(18); 『赤い風車』『ローマの休日』『恐怖の報酬』・・・映画音楽 |
| が有名なオーリックで締めている。ミヨーより尖っているが、いかんせん短い。 |
| 印象に強いのは、(3)(15)(11)(17)あたり。イベール、タンスマン、モンポ |
| ウ、ですか。なんか月並みだな。何か書こうと思って、真面目に聴いたんですが、 |
| どれも強烈ってわけでもなくてね、適当な記述になっちゃいました。べたべたほ |
| めるのも嫌ですし。でも、始めにも書いた通り、飽きの来ないずっと流しておれ |
| る(大事なこと!)いいアルバムでした。 |