20240425(了) |
ALBERT ROUSSEL(1869-1937):Symphonies 1-4
Disc1 58:00 |
(1)交響曲 第1番 Op.7「森の詩」 (1906) 33:51 |
①5:23 ②7:04 ③8:12 ④13:02 |
(2)交響曲 第3番 Op.42 (1929/30) 23:55 |
⑤5:45 ⑥9:23 ⑦2:55 ⑧5:42 |
マレク・ヤノフスキ指揮/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 |
録音:1993-94年、ラジオフランス、オリヴィエ・メシアン・ホール |
CD/管弦楽/Ⓟ&Ⓒ 1996 BMG Music/輸入盤/中古 |
(1番)<★★★★>、(3番)<★★★☆> |
全集といっても、たった4曲、もちろんマーラーやブルックナーのように長く |
もない。(2番だけは、このすっきりした演奏でも40分近くあります) |
ルーセルはとっつきやすくないイメージが強くて、あまり聴いてこなかった作 |
曲家です。取り返そうという気もちが働いて、一昨年は管弦楽をまとめたもの、 |
去年は室内楽をやはりまとめて聴きました。だから、作曲家としては一年ぶり。 |
大昔聴いたクリュイタンス/パリ音楽院管のLP盤(3番4番や「くもの饗宴」 |
「バッカスとアリアーヌ」)についての記憶は、もうすっかりぼやけてしまい |
ました。音は当時のEMIとしては悪くはなかったかな。 |
クリュイタンスは大好きで、ラヴェルの管弦楽全集のLPをほんとによく聴きま |
したが、これの録音には実は不満がありましたね。これらのLPはいまだに残し |
ています。プレーヤーが長らくイカレタまんまですけどね。 |
ルーセルの管弦楽と言えば、変わったバレエ音楽『くもの饗宴』(1912)がと |
りわけ好きで、それで作曲家のイメージが出来上がってしまったため、『くも |
の饗宴』以外は好きなんだか嫌いなんだか、いまだによくわからない。 |
だから、なんでもかんでもこの初期作といっていい『くもの饗宴』を基本にし |
て聴いちゃう。今回は、そんなワタシのイメージが変わるかもと思って選んで |
みました。まぁ正解でした。(いつも通りの屁理屈です・・・何故かこの屁理 |
屈が要るみたいなのです、年齢に伴いがちなことなのでしょうかねぇ) |
第1番; もやっとした音色や雰囲気 |
年はちょうど二人の間。音楽はどちらかというとドビュッシー寄り。しかし、 |
どちらにもない、独特の「芯」みたいなものがあって、この後も何度も書くこ とになるんじゃないか。 |
ドビュッシー 1862-1918 |
ルーセル 1869-1937 |
ラヴェル 1875-1937 |
ともあれ、もわーっとしてとても濃密な音色や雰囲気は、あとの3曲にはない。 |
この第1番の大きな特色であることは確か。いいですねぇ。ワタシは好きです。 |
それも、指揮者のきちっとした音楽づくりが、むしろこの曲の魅力をかえって |
引き立てているよう思う。 |
第3楽章の抒情的な部分なんかは、絵で言うならターナーみたいな。というと |
英国なんだけれど、そういやぁ、長い第4楽章の一部にも英国っぽいイメージ |
の音もありました。濃いものじゃありませんが。 |
第3番; ルーセルとしてもよく知られているであろう第一楽章の始まり。新古典風。勇 |
ましい。第2番とはまるで違う。でも第2楽章以下まで続くはずがないね、と |
思っていたら、果たしてそう。アダージオは案外力感を伴いべとつかない。R・ |
シュトラウスの「英雄の生涯」のような木管のフレーズに導かれる曲想は独壇 |
場。ラヴェルやドビュッシーとは全く違った世界観といっていいですね。と、 |
ここまでは古さは感じなかったのですが・・・ |
ヴィヴァーチェは短く、男性がソロで踊るバレエっぽい。終楽章もその続きで、 |
今度は男性が何人もで踊る感じ。ドビュッシーやラヴェルのような斬新な感じ |
はせず、むしろ古典派やロマン派を引きずってその集大成っぽいとでも言った |
ふう。元気よく、古くさいながら十分にカラフルではあった。 |
まあ、だからまとめちゃうと、第1番や第2番より時代を逆にちょっと遡っち |
ゃったみたいなところもあるとワタシには思えました。 |
★数はあくまでワタシの好み。演奏は実にきちっとした優れたものでした。 全部一気にアップするつもりになっていましたが、ここで休憩にします・・・ |