休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

いずみシンフォニエッタ大阪 第51回定期演奏会

 贅沢な時間ではあったのですが・・・

20240210(ライブ)

いずみシンフォニエッタ大阪

第51回定期演奏会

(1)ブリテン:シンプル・シンフォニー Op.4

(2)冷水 乃栄流

   :室内オーケストラのための「ハルシネーション」

 INTERMISSION

(3)一柳 慧:室内交響曲「タイム・カレント」

(4)藤倉 大:三味線協奏曲(室内オーケストラヴァージョン)

 

   飯森範親(指揮)/いずみシンフォニエッタ大阪
   本條秀慈郎(三味線)
   (於;住友生命いずみホール

 
 
プレコンサートが始めにあり、金管3本(トランペット/トロンボーン/ホルン)とピアノの
四重奏。曲はわかりませんでした。ロマン派の音楽。素敵な音色でした。ト
ランペットはN響の、ホルンは都響のトップかセカンドの方だとか。
そのあと始まったプレトークは、当然、去年秋急逝された西村朗さんを悼み、
そして西村が17歳(?)の時に作ったと言われる曲が拍手なし、指揮者な

しで演奏されました。それからやっと本チャン。ブリテン以外は知らない曲

です。

 
(1)のブリテンは実は元々あまり好きな作曲家ではないせいか、この初期
の有名作も特にこれといって書いておきたい感想なし。
 
少しは面白かったのが(2)。「ハルシネーション」というのは、生成AIが
まことしやかに嘘(真実を言っているつもりも嘘を言っているつもりもな
いんだろうが)を言うこと、みたいな語でしょ? そんなイメージは(って、
どんなイメージ?)持てなかったものの、若々しいサウンドの洪水で、室
内オケでも結構わくわくしました。
作曲者名は「ヒヤミズ ノエル」と読み、本名なんだそうな。期待の若手作
曲家。席が近く、そばで見ました。まさに20代でしたね。
 (関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト第9弾/委嘱新作)
 
(3)の一柳の曲は、アンサンブル・アンテルコンタンポランからの委嘱作
という華々しい由来の曲なのに、まったく響かずじまい。元々は一柳の追

悼演目として企画されたそうだけれど、西村の急逝があって、その意味が

霞んでしまった。

 
そして最後の(4)、期待の藤倉大。藤倉はせっかくだから生で聴きたかっ
た。でも残念ながら、これもワタシにはまったく響いてくれずじまいでした。
音楽会のタイトルの「和洋感応」云々の意味はわかる気がしても、西洋音楽
らしい室内オケのサウンドと、いかにも音域が狭く乾いて響きの薄い三味線
の組み合わせは、指揮者が推すだけでなく、実際に面白いと思える人もいた
のだろうが、ワタシには面白さはまるっきりなくて、ほぼほぼ陳腐に聞こえ
るばかり。せっかくの熱演でしたけどね、、、 たとえば武満の「ノヴェン
バー・ステップス」を聴くようにはいかなかった。本人の考え方などが小冊
子に載せてあったので読んだのですが、それでも全然ピンとこなかった。

日本だけでなく世界でもありがたがられている非常にめぐまれた方らしいし

ね、残念。

藤倉の邦楽器や古楽器の扱いに関して、去年の新聞記事にこんなふうに書か
れている。曰く・・・
  楽器の持つ歴史やコンテクストから解放された、全く自由な音楽が生ま
  れる。それこそ無頓着なくらいに・・・
突き抜ける自由さ、なんて見出しがついている。でも、三味線はつらかった。
まぁ、口に合わない少数派もいるんですよってことで、正直に素人の感想を
書きつけておくことにしました。もっとも、機会があったらこの作曲家、ま
た聴いてみますよ。

 

半年ぶりのライブですから期待はしたのですが、こんな感じで、ワタシには

今一つでした。こんな時もあります・・・

   (ワタシが撮ったんじゃありません、ホールの宣伝写真です)

 

現代音楽の作曲家はけっこうたくさん輩出されているはずだけれど、聞くと
ころによれば、初演される作品なんて微々たるものだし、再演される曲とな
ると、もうめちゃめちゃ少ないそうな。そういう世界だから、作曲家なんて
いくつもの草鞋を履かないと大抵やっていけないんだろうということはわか
る。勝手なこと、偉そうなことを言うのは申し訳ない気もしないではないで

すけどね、現世の作曲家さんたち、めげないで作曲「も」頑張ってください

な。

 
次回は7月で、テーマはスペイン。スペイン近代の有名作曲家名(アルベニス、
グラナドス、ファリャ、ロドリーゴ)が並んだ最後に、カサブランカスという「現代作
曲家」(CDを一枚聴いたことあります)が載っています。