20220205(了) |
「協奏燦然!」
(1)坂田 直樹 : 残像の器
(2)西村 朗 : ピアノ協奏曲<シャーマン>
指揮;飯森範親 |
ピアノ;小菅 優 |
いずみシンフォニエッタ大阪 |
2月5日/住友生命いずみホール/ライブ |
<★★★★△> |
半年以上も前に買い込んでいた分。いつの間にか来ちゃうもんですねぇ。 |
大阪の街中には久々に出かけました。ほぼ100%のマスク。土曜日の午後。 |
人出は少なくなかったと思う。 |
プレ・コンサートには間に合わず(チェロ独奏でした)、プレ・トークから。 |
このオケの音楽監督で、本日のピアノ協奏曲の作曲者でもある西村朗さんと、 |
(1)の作曲者坂田さん。 |
(3)の前には西村さんと編曲の川島さん、そして指揮の飯森さんのトークも |
あった。 |
(1)は協奏曲じゃなく、純然とオーケストラ曲。現代音楽と言った時、ワタ |
シなど、最も思い浮かべやすいもので、様々な不協和音が乱れ飛ぶ――じゃな |
い――乱れ鳴るというタイプのもの。調性なんぞあろうはずもない。 |
いやもう、キラキラと(たんなるきらめきを超えて)なんとも美しかった。 |
旋律的なものは全くなくて、目の裏に様々にのこる残像、音楽で言えば残響と |
いうことになるのかもしれないが、そういった視覚的な余韻を音で立体的に表 |
わす。そんな試みらしい。 |
これ、録音されたもの、もう一度聴いてみたいなぁ。 |
このオケからの委嘱作で、今回が初演。録音、あるはずもない。 |
この作曲家、1981年生まれというから長男と同年代で、なんと大学も同じ。 |
(実際は長男はこの方より学歴は4年遅いから、互いに知らないだろうな)、 |
卒業後フランスで更に学び、あのIRCAMで研鑽を積んだそうな。受賞歴もめ |
ざましい。(始めのほうで、ある映画音楽を連想しましたが、書かないでお きます) |
(2)は作曲は2000年ごろ。2004年に小菅のピアノで(ドイツで?)初演さ |
れた。指揮は同じ飯森だったそう。 |
西村さん、プレ・トーク時もまずまずお元気のようでしたね。 |
シャーマンを現代においての「祈り」だとか「舞い」だとか、そしてとりわ |
け「熱狂」として描かれる。小菅のふとい腕から繰り出されるピアノの細か |
くも強烈な打鍵の連続と、室内オケのぎりぎりいっぱいの大音響は、いやあ、 ド派手。 |
全体がクレッシェンドで出来上がっていたみたいな印象を持ちましたね。ま |
たそういう印象を助長する猛烈な幕切れでした。 |
◇INTERMISSION & トーク |
(3)俗称のほうが有名かもしれない、いわゆる「オケコン」の室内オケ・ヴ |
ァージョン。いや正しくは「いずみシンフォニエッタ大阪版」というべきだそ うです。 |
三管編成で書かれたものを、基本、一管編成のオケでやり、目をつむって聴け |
ば、ちゃんと三管編成でやっているように聞こえる、という無茶なコンセプト |
というか、試みなんだ。 |
大成功していたと思います。 |
管は、最低限の持ち替えで済むように。マリンバやピアノなどを駆使。でもね、 |
弦なんて数じゃ薄っぺらだしね、チェロは2、コントラバスなんて1人だよ! |
なのに、すごいんだ。このホールの大きさがいいんだろうな。オケのメンバー |
はうまいし、飯森のもと、エライ練習したろうし。 |
もちろん始めは目をつむって聴いていたけどね、好奇心が勝って、一体どうや |
ってんだろうと、ギラギラ見ちゃいました。なんてったって、若いころから、 |
いわゆる「弦チェレ」と並んで大好きな曲だし・・・ |
最低限の持ち替えったって、クラリネットの方なんて4本持ってましたね。 |
告白しますと、第一楽章と第五楽章で、どういうわけか涙が出て来まして、我 |
ながら驚きました。(笑ってやってください!) |
次の7月の定期の演目の前半はクセナキスが4つ。後半は今日と同じバルトー |
クで「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」。バルトークは編曲者も同じ! |
共に好きなほうじゃないんだが、聴いてみるかなぁ。 |
ああそうか、7月と来年の2月とのセット券だと安いんだ。今回も同じ買い方 |
をしてたんだっけ、忘れてた。(ハインリッヒ・ビーバー? そんな古いもの! |
そして ジョン・ケージ、メンデルスゾーンの編曲もの、なんかが載っている) 悩ましい。 |
ははーん、両方の券を一度に買うと「サポーター(年間会員)」という呼び名 |
になるのか。そういやチケットにサポーターなる文字が書いてあった・・・オ |
レは「サポーター」だったんだ。フーン、客を少しでも持ち上げようという寸 法か。 |
※今日(2/7)、申し込んじゃいました。 |