休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

トルヴェール・クァルテット/マイ・フェイヴァリット・シングズ

20240104(了)

Trouvère Quartet

      /MY FAVORITE THINGS

①My Favorite Things(ロジャーズ/編:高島俊夫)4:07
②Strange Grass Hopper(菅野洋子)5:23
③St.Thomas(ロリンズ/編:高島俊夫)4:18
④勝利(ピアソラ/編:啼鵬)3:04
ブエノスアイレスの夏(ピアソラ/編:啼鵬)5:12
⑥私が愛したロイド・ウェッバー(A・L・ウェッバー/編:宮川彬良)13:13
⑦Roundabout(Anderson&Howe/編:佐橋俊彦)5:45
⑧The 7th Wonder(本田俊之)8:22
⑨Bigmuff(佐橋俊彦)6:14
⑩Ultra Violet(長生淳)4:29

⑪21st Century Schizoid Man

          (Fripp・McDonald・Lake・Giles・Sinfield/編:磯田健一郎)6:47

          トルヴェール・クァルテット
   須川展也(ss)、彦坂眞一郎(as)、新井靖志(ts)、田中靖人(bs)
   ゲスト;小柳美奈子(p)④-⑥⑩⑪、山口多嘉子(perc.)③⑪
     録音;1994年9月 Tot.67:18
     1994年/CD/室内楽/東芝EMI/邦盤/中古
     <★★★★☆>

トルヴェール・クァルテット、ベスト盤に入っていないアルバムから選びまし
た。評価はすでに受けていたようだけれど、この時点ではまだ新進・・・
 
コルトレーンがソプラノサックスで何度も録音した曲。一部にはコルトレー
ンのアドリブ風なフレーズも入れているけれど、様々に自由な編曲が施されて
グッド。
②なんでもこいの菅野洋子さんの、これもジャズ系テイストの軽く自由な曲。
③パーカッションが加わるソニー・ロリンズの有名曲。とても軽妙でスマート!
④ピアノが加わってのピアソラ。ベタな選曲ながら日本人向きに上品。
⑤超の付くつくタンゴ系有名曲。これもピアノが入る。普通やられる(楽譜に
ある?)伸ばす音をずりさげる方法は採らない。サクソフォンではその奏法は
ダメなんで、無理してへんのやね。
⑥ミュージカルものから、L・ウェッバーの凝ったメドレー。これもピアノ付き。
この大作で「仮想A面」の終り、なんだって。
 
⑦「仮想B面」、頭はロックの雄イエスの有名曲。若干クラシック風味。エンデ
ィング前のスローなサウンド、異常に美しい。
⑧才人本田俊之の手の込んだモザイク模様。グループの力量あっての曲。
ジャンルは、ない。
⑨これ、プログレふうなの?⑦のアレンジもいいが、このオリジナルも楽しい。
muffは防寒具かヘマか? ちょっとイギリスが匂う。
⑩「クラシック畑の作曲家から見たロックのフレーバー」?
⑪ピアノとパーカッションを加えて、ワタシでも知っているキング・クリムゾン
の有名曲。(NHK-BSの「ヒューマニエンス」で使われてます!) 最後に(エリ
ック・ドルフィーばりに、馬のいななきふうに)思い切り暴れてますな。
 

どのトラックもすばらしく、順位を付けられない。ベスト・アルバムでは味わえ

ない、オリジナル・アルバムとしての魅力があると思います。大雑把な言い方で

すが。このような編成の音楽をご存じない方には、是非ともお薦め!

クラシックっぽいものだけだと、音色的に飽きてしまう。でも、いろいろやって
みたらオモロイんとちゃうか・・・それを有言実行したグループ。今はどんな活
動をしているのか知らないですけどね。アルバムはみんな聴いてみたいもんです。
 

昔、アメリカに「スーパーサックス」というジャズのちょっと変則のビッグバン
ドがありまして、その名の通りずらっとサクソフォン奏者が占めたものでした。

リズムセクションのほかに、トランペットとトロンボーンがいたかな。いなかっ

たかな。ウーン、そのあたりの記憶はもう曖昧なものになりました。
そもそもこのグループは、もはや伝説的なサックス奏者チャーリー・パーカー
超絶的アドリブを寄ってたかって真似したらオモロイに違いない、みたいな動機
で始まったと記憶しています。来日時、券をもらって聴きに行ったことがありま
す。フェスティバル・ホールのような、どこか大きなホールでした。
今思うと、そのサウンドが、このサキソフォン・クァルテットと当然似通ったと
ころがあったはずなんですよね。で、このアルバムのような曲をスーパーサック
スのようなグループがやったら、これもきっと面白いだろう・・・
そんなことをちょっと夢想しました。

 

はい、オシマイ。