飛行中の旅客機内でのバイオテロの恐怖
| 20240102(了) |
映画『非常宣言』
| 製作・監督・脚本・編集:ハン・ジェリム |
| ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/チョン・ドヨン |
| 2022年製作/141分/韓国/原題:Emergency Declaration/DVDレンタル |
| <★★★☆> |

| 韓国の旅客機のパニックもの。 |
| 題材的には特に目新しいものではない、あるいはむしろ使い古されたものと |
| 言ってもいいぐらいのものと感じたけれど、ちゃんとおしまいまで観終わら |
| せてくれる工夫が立派。 |
| 育ちに問題はあるものの、大手製薬会社の非常に優れた若手の研究リーダー |
| が、わけあって会社を辞めねばならなくなってプッツン。その恨みの晴らし |
| 方が行き当たりばったりで自暴自棄。旅客機の乗客全員を巻き込んで死んで |
| やろうと目論む。開発中の人殺しのためのウイルスで、伝染性が強く発症ま |
| で短いというものを喘息の吸入器みたいなのに仕込んで機内に持ち込みばら |
| まく。勿論、始めは死人が出た理由もわからず、最初の混乱があるのですが、 |
| わかってからはさらに混乱また混乱。 |
| ホノルルに向かう機内でのメインのキャラクターは副操縦士や当の航空会社 |
| の機長を以前やっていて事故で操縦士を辞めた男(ビョンホン)。機外でのメイ |
| ンはかなり八方破れで猪突猛進の警官(ガンホ/奥さんがその機に乗っている) |
| と、国土交通省だかの大臣(女性)や取り巻き等。 |
| 機内でどんどん発症が進んでしまい、ひどい状態になって行くスペクタクル |
| は煽り役なんかを含めて存外ありきたりなんだけれど、客がわけのわからん |
| ウイルスかなにかに感染した飛行機を簡単に着陸させるわけにはゆかない切 |
| 羽詰まって状態になってからは、アメリカや日本の対応は、手のひらを返し |
|
たように冷たく、ぐさりと来るんですね。もっともな理由とはいえ、なんだ か嫌味が効いていました。 |
| リアルだったのは、韓国国内の航空会社、警察、国、製薬会社(外資みたい |
| やったね)のぶつかり合いや、それぞれの内部での意見の対立など。 |
| 更には、さすがにネット社会らしく、情報が行きわたるのも早く、国内で着 |
| 陸反対のデモが異常に早いタイミングで起こってしまう。国内を二分する状 |
| 況に発展する。なるほどなぁ、という感慨がごく自然に湧きました。 |
| それでもここまでの話の運び具合は、サスペンスたっぷりとはいえ特別な発 |
| 想のものはない。突飛なものというなら、主役の警官のアッと驚く行動にと |
| どめを刺す。書くわけにはいきませんが、この発想はさすがに普通じゃあり |
| 得ないでしょう。それぐらいなのに、通して楽しく観ることができました。 |
|
そうそう、国交大臣をやっていた女性が最後に見せる表情の意味が、ワタシ |
| にはわからなかった・・・ |
| 音楽は、クラシックの有名曲がちらちら使われて違和感はありませんでした |
| が、前半では特に、オーバーな、ホラー系の盛り上げ用の音楽みたいなのを |
| 多用していまして、ワタシにはやりすぎな気がしました。 |
| ところが、カミサンは途中から!しっかり観ていまして、その音楽がものす |
|
ごくよかったと言うもんだから、反応しかけてなんとか思いとどまりました。 アブナイアブナイ。 |