休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ベイビー・ブローカー』

20230623(了)

映画『ベイビー・ブローカー』

 監督;是枝裕和ソン・ガンホカン・ドンウォン/イ・ジウン/ペ・ドゥナ
 2022年製作/130分/G/韓国/原題:Broker/DVDレンタル
 <★★★△>

チャチなクリーニング店を営むサンヒョンと、養護施設出身で「赤ちゃんポス
ト」で働く仲間ドンス。彼らには「ベイビー・ブローカー」という裏稼業があ
ってね、それで収入を補っていたよう。あるいは裏が主か。
ある土砂降りの夜、ソヨンという若い女赤ちゃんポストに赤ん坊を置き去り
にするが、ポストには入れず、その手前に置く。
そのままでは赤ちゃんが死んでしまう可能性があり、裏稼業にバッチリなので、
ドンスは連れ帰りサンヒョンと裏家業の皮算用をするが、翌日、女が赤ん坊を
戻してもらおうとやってくるも、いないもんだから警察沙汰にしようとする。
しょうがなく二人は里親を見つけるために連れ去ったと言い訳してしまい、女
も(成り行きで)それに加わることになる。ベイビー・ブローカーもほめられ
たものじゃないが、この女の言い分や言い方には、事情があることは感じられ
るものの、とてもじゃないが同情できない。
赤ちゃんを連れたままの彼らの里親探しに陰で絡んでくるのは、彼女の(別の)
罪ではなくベイビー・ブローカー二人にかねてから目を付けていて、金の受け
渡しの決定的瞬間を捕えようとしている女刑事二人(内、年かさのほうの刑事
には子供に関するなにか強い鬱屈があるらしい)と、赤ん坊の父親の妻を中心
にした一団。
 
里親探しは実際に何度か面談を経る。なんだかハチャメチャな面談の中には、
陰で絡んだ2パーティの仕込みも含まれる。
そうそう、里親探しの3人には、立ち寄った養護施設でこっそり彼らの車に潜
り込んだ男の子(6-7歳かな)が加わってにぎやか。
どれもうまくいかず、価格だけがどんどん高くなっていくのだが、概して暗さ
というか、陰鬱さはなく、時にはギャグっぽいところがあって笑わせる。
勿論しまいには状況が煮詰まってしまうのね。
 
悪い終わり方はしないのだけれど、おしまいは、どうでしょう、説明がいくら
か足りなくはないですかねぇ、ワタシはわかりにくかった。いつもの通り観直
しはしませんでしたが。
でも、女(ソヨン)と年かさのほうの女刑事などは、もともと悪人ではないキ
ャラのサンヒョンやドンスの優しさに染まるかのように気遣いを見せるように
なるのが、良いんだか悪いんだかわからない。ほっとさせてはくれました。