休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『パラサイト 半地下の家族』

20220111(了)

映画『パラサイト 半地下の家族』

  ポン・ジュノ監督/ソン・ガンホ
  2019年製作/132分/PG12/韓国/原題:Parasite/DVDレンタル
  <★★★★>

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カンヌ映画祭やオスカーの外国語映画賞など、あまりにも華々しい評価、と
いうか名をあげた作品。
カンヌのせいか、社会派か芸術的作品のイメージで捉えていたもんだから、
敬遠していました。レンタル屋の「推し」に入っていたのを、「ま、いいか」
と、例によって選ぶ時間のなさと気まぐれで手に取ってみました。
 
半地下にすむキム一家は4人とも失業中。その長男へ、金持ち一家の娘の家
庭教師(英語)の職が舞い込んだことから、ストーリーは動き始める。
その後、長女には美術系の教師の職、オヤジにはお抱え運転手、母親には家
政婦という職が、前任を蹴っ飛ばしてとんとん拍子に割り振られ、タイトル
通り寄生体のごとくこの裕福な一家に巧みに取り付く。
キム一家は、半地下――奇妙な構造で、家賃はめちゃくちゃ安そう。水害時
のトイレは笑ったが、これはコワイ。ライフラインなどはズルをしているの

に、スマホはちゃんと持っている――に住んではいても、4人ともなかなか

の芸達者なのね。

で、ものごとは(映画は)そううまくは運ばない。ここで終わるわけがない。
前任の家政婦の切り口から、突拍子もない状況が次から次へと展開してゆき、
ハチャメチャに。
エンディングもエンタテインメントの王道、うまいと思います。

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    御馳走を前に、収入が増えて満ち足り始めた、というイメージのキム一家・・・
 これは映画の中のシーンでなく、宣伝用か何かみたいですね。

 

面白かったというべきか、楽しいというほうがいいか。
これをホラーか何かだと思い込んでいたカミサンは、さっさと自室でスマホ
の奴隷になっていたようですが、訊かれていたので、「オモロイから観るべ
きやで」と伝えなしゃーないね。
社会的な問題提起もあると言えばあるけれど、そんなもの何にだってあると
いう程度のものだったし、映画のための映画ではさらさらない、非常によく
できた娯楽作品なのでした。これに比べりゃ、しばらく前に観た『グリーン・
ブック』なんて、エンタテインメントであると同時に社会派の塊ってことに
なっちゃうよ。カンヌ映画祭パルムドール・・・へーぇ、そうなんだ。ど
うでもいいことだけど、‘そんなタイプ’じゃないように思いました。