(1)ストラヴィンスキー/ダンス・コンセルタント(1942) |
(2)ヒグドン/ソプラノサクソフォン協奏曲(2005) |
(3)酒井健治/Rhotons(2015) |
(4)M・カーゲル/DIVERTIMENTO?(2005-06) |
20210206、住友生命いずみホール |
ちゃんと休みをもらっておいて行ってきました。久々の生演奏。 | |
開演の30分前に、お客様様サービスとしてでしょう、デュオの小品が奏され | |
ました。本来はロビーでやるところ、ちゃんと舞台で演奏されたので、演奏 | |
会の一環みたい。 | |
(1922,1945改訂) |
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紹介のボードにはなにかあだ名のようなものが書いてあったように思います | |
が、多分これでしょう。 | |
プーランクの室内楽は大体聴いている気がしていましたが、この曲は知りま | |
せんでした。いかにもプーランクらしい素敵な曲。 | |
それからが本番で、音楽監督を務めておられる作曲家西村朗さんが、どの曲 | |
も一言説明してくださった。ラジオで聞き馴染んだお声、手慣れたお喋り。 | |
4曲とも初めてです。 | |
(1)ストラヴィンスキーは「三楽章の交響曲」のころの作品。なんだかい | |
ろいろ引用されているような感じが伴うわかりやすい合奏協奏曲。 | |
上記プーランクとは繋がる感じもあるけれど、これは大戦中で20世紀前半 | |
なんですよね。あとの3曲がいずれも21世紀に入ってからの作品というこ | |
とを考えると、むしろ浮いているとさえ言えそう。まあそんなことはなかっ | |
たですが。リズミカルさやストラヴィンスキ―らしい音色がとても楽しかっ た。 |
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(今、たまたまアンセルメ/スイスロマンド管のストラヴィンスキーをまと | |
めて聴いている最中で、見渡すと載っていません。アンセルメは少なくとも | |
ステレオでは録音してなかったんですね。) | |
(2)ヒグドンは米国の人気の女性作曲家で、尖がった音楽じゃないですが、 | |
CDを1枚聴いたことがあって気に入りましたので、何枚かCDをリストアッ | |
プしていますが、このコンチェルトは入っていませんでした。 | |
緩急はついていて、「急」な部分は見事に盛り上がりますが、概して「緩」 | |
の時の濃厚な抒情性の印象が強く残ります。そして、やっぱり「アメリカ」 を感じさせるサウンド。 |
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それにしても上野耕平というサックス奏者のソプラノサックスはものすごく | |
濃厚で黄金色の艶っぽさ。西村朗さんの絶賛(特に低音)がよくわかります。 | |
(3)酒井健治という作曲家は名前すら知りませんでした。ワタシのちょい | |
前に座っていて、紹介を受けていました。曲名は「光子」の意だそうで、光 | |
の粒と波という性質を、上記の上野のサクソフォン(ソプラノとアルトの持 | |
ち替え)を中心に、プラス8人(Fl. Tr. Tb. P. 弦楽Q.)で描き分ける。サッ | |
クスの特殊な奏法やいろんな面白い色彩感など、その時はとんがっていて面 | |
白かったけれど、まあ、もう一度聴き直さないと、なんとも言えない。 | |
ホールの音、ここだけで書くのもヘンだが、よかったなぁ。 | |
(4)マウリツィオ・カーゲル。もっと古い曲をCD1枚分ぐらいなら聴いた | |
ことはありますが、、、このへんてこりんな曲はもちろん聴いたことなどあ | |
りません。それにCDじゃわからない。14人ほどの奏者の動きや顔の表情 | |
などは舞台でないとわからない。音楽はそれなりに尖がったものなんで、音 | |
だけでも十分納得してしまうところ、さらに、さまざまな打楽器の内、ある | |
鐘のような音を合図に、奏者が1人1人立ち上がっておふざけや芝居をする。 | |
しまいにゃ指揮者までも。DIVERTIMENTOのあとに「?」が付けられてい | |
るのがそういうことなんでしょう。「喜」「遊」曲。 | |
ドナウエッシンゲン音楽祭(現代音楽やジャズで名は知ってはいます)の委 | |
嘱作。 | |
ワタシにはその「茶番」は特に面白いとは思えなかった。晩年のカーゲルさ | |
ん、ギャグをいろいろ考えたんやね。全部楽譜にふざけ方も事細かに書き込 | |
まれているんだそうな。 | |
カーゲルのはワタシには楽しめたとは言えない。前の3曲はよかったです。 | |
この室内オケ、けっこう上手いと思うなぁ。ホールの音もとてもいい。 | |
次の定期演奏会は5ヵ月も先で、7月。団員さんたちはだから当然、何足も | |
の草鞋を履いていらっしゃるわけですな。 | |
その曲目がいい。 | |
A・ピアソラの有名な曲が3曲(バンドネオン協奏曲も含まれている)と、 | |
なんとなんと、ツェムリンスキーの『抒情交響曲』(編成を小さくしたもの | |
のよう)。ムムム、ツェムリンスキーって生を聴いたことがない。聴いてみ たい・・・ |
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でもって、その次(来年2月)の定期とセットで買うと安いという。そっち | |
の曲目もなかなか頑張ったもの。 | |
ちょっと悩む・・・
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