| 20231103(了) |
映画『82年生まれ、キム・ジヨン』
| キム・ドヨン監督/チョン・ユミ/コン・ユ/キム・ミギョン |
| 2019年製作/118分/韓国/原題:Kim Ji-young: Born 1982/DVDレンタル |
| <★★★☆> |

| 随分前に新聞の紹介記事で読んでリストアップ(って、いつものパターンです、 |
| あまり情報はあさらないほうだと思います)していたタイトル。中身はもう全 |
| く覚えていなくて、白紙状態で観ました。 |
| そこそこのキャリアウーマンが、子供ができたのを機に仕事を辞め、子育てに |
| 専念する。 |
| 子育てについてのいろいろな苦労、キャリアがなくなったことへの悔恨や欲、 |
| 母親の家族とのさまざまな軋轢や特に子供のころのトラウマに近い思い出、義 |
| 母の家族とのひどいぶつかり合い。四面楚歌のイメージ。 |
| 男親への反発もあるが、やはり実母や義母との軋轢が大きく影響があるよう |
| で、精神的にも肉体的にも追い詰められてゆく。 |
| こまごまと言えばたくさんあるんだけれど、まあそんなふうで、基本的には、 |
| 韓国の女性も同じなんだなあという、女性の生きづらさと立ち向かっている |
| 姿が終始危なっかしく描かれ続ける。社会的な壁はたいして描かれない。 |
| 子供が2歳になる頃には、すっかり疲れ切っているんだけれど、鬱屈から逃 |
| れる為もあろうか、無理を押して再就職に取り組み始める。 |
| ここで描かれる女性を取り巻く環境は、書いたように日本ともそう違いはな |
| いと思いましたね。西欧の中にはずっと進んだ仕組みにチャレンジして、そ |
| れなりに成功しているふうに見える国もある。この映画で見えているのはほ |
| んの一断面といてもいいような切り口かもしれないものの、人間性のような |
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ものを理詰めで捉えて進んだ国々に比べれば、日本も韓国もかなり遅れてい るといってもよさそう。 |
| 自分の結婚したての頃なんかには、「育休」なんて発想そのものがなかった |
| ですねぇ。それに、カミサンがいかにしんどかったかなんて、ちゃんとわか |
| ってあげてたかねぇ。大いに怪しい。ああ、何とかやってくれてるじゃない |
| か、で済ませていました。そりゃいろいろ手伝いもしましたし、ねぎらいも |
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しましたけどね、ぜーんぜん足りなかった・・・ 今なら「手伝いですって?!」 |

| 戻りまして、そうした話だから、いかにもありふれた感じなんですが、後半 |
| からは、回想に紐づいているかのように、別の要素が加わってくる。 |
| この若いお母さんの言葉(≒精神≒脳)の端々に「異常」が出始めちゃう。 |
| それも、何が起きているのかわかりにくい、微妙な形を取って現れる。それ |
| はここでは書かないでおきますが、映画の様相ががらっと変わってしまう。 |
| 彼女の再就職どころか、いったいこの親子はどうなってしまうのだろうと、 |
| ハラハラしながら観ることになりました。 |

| 前半部分だけで十分にシビアなテーマではあったのですが、この後半があっ |
| たおかげで、評価はともかく、いろんな反応が出たに違いない、きっと。 |
| ワタシにはグサグサきました。 |
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そこらへんに普通に転がっているようなテーマなのに、実際はまだまだ難し くてね、あらためて気づかせてくれるといった感じの作品だったと思います。 何度か、Doppelgänger なんて使い勝手のよさそうな言葉を使って逃げちゃ おうかと思ったのですが、さすがにそれはできませんでした。 |