休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ミナリ』

20211221(了)

映画『ミナリ』

 監督・脚本;リー・アイザック・チョン//スティーヴン・ユアン/ハン・イェリ/
                    ユン・ヨジョン、ウィル・パットン
 音楽;エミール・モッセリ
 2020年製作/115分/G/アメリカ/原題:Minari
 <★★★△>

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80年代のアメリカは中部のアーカンソー州の片田舎。
農業で成功する夢を持って韓国からやって来たジェイコブ・イの一家の奮闘
記。描かれるのは2年ぐらいかな。
水の便が悪い。男の子に心臓の疾患がある。奥さんは乗り気でなく、別の夢
らしきもの(カリフォルニア行き)がある。
移り住んだのはでかいトレーラーハウスみたいな高床の長屋。まあ前にも住
んだヤツが農業をやったのか、それ用の小屋もいくつか。
資金は足りないし生活費も稼がなければならないので、夫婦そろってパート
的にやっている仕事がある。ちょっと変わった仕事で、ひよこの雌雄の判別。
何年もひよこの尻を見続けているという人もいて、楽々とこなしている様子
がなんだか悲しくおかしい。オスはそのあとは処分されるだけなんだね。奥
さんが子供に説明しにくそうにするシーンは記憶に残ってしまった。
奥さんが呼んだのだろう、彼女の母親が韓国からやってきて、5人家族にな
る。このオバアチャンと男の子との関係が上手くいくまでしばらくかかるの
が丁寧に描かれる。
そのほかに、手伝ってくれるヘンな信心深いオッサン(ウィル・パットン!)
とか、韓国でもクリスチャンだったか、教会に行くようになること、などの
挿話が続く。結局男の子の心疾患や水のことが通奏低音として流れる。農家
としての存続に暗雲が垂れ込めることをきっかけに、夫婦の間の亀裂が深ま
ってしまう。そんな中、オバアチャンが倒れてしまうと、一家はいったいど
うなってしまうのかという状態になる。
まあその先にさらなる大事件が待っていまして、こればっかりは書けません。
映画はこの一家を、優しい視線で見つめ続けてましてね、移民や移住の暗さ
さはそんなには(?)ありませんでした。奥さんの最後の決断(の理由)は
よくわかりませんでしたけどね。

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話かわって・・・

奥さんの眼・・・白目がほとんど感じられない。黒目ばかりのように見える

シーンが多かった。たんなる映り方でしょうが、不気味に見えなくもなく、
かなり気になりました。他のキャラクターでも時にそう見えましたが、この
奥さん役のかたの目が特にそうでした。表情が掴みづらく、気味が悪かった。
意図されたものじゃないとは思う。
動物の目というのは・・・ねぇ、動物の眼というのは白目がたいていなくて、
どこ向いてんだかよくわからない。捕食者や競合者などに視線を気取られな

いように進化したんだという説明はもちろん知っています、、、この場合は

違う。でもホント、なんだかヘンな気分でしたね。
うちの犬コロの例で恐縮ですが、上目遣いになると白目がいくぶん見え、俄
然表情というものを感じます。関係ないか・・・
脱線しました。

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ミナリというのは訳では「セリ」と出たので、つまり日本でいうところの春
の七草の「芹」のことらしい。オバアチャンが孫の男の子と小川の岸近くに
植え、映画の最後のシーンにも繁茂した状態であるのが映ります。
あの薬効のある野菜だとしたら、どうなの?と言われても、このお話の中で
どんな意味があるのかはワタシにはよくわからなかった。この植物の使い道

というよりは、なんだか前向きにさせてくれる象徴として置かれているよう

でした。

 
夫ジェイコブを演じていたのはスティーヴン・ユアンというかたで、あの長
大なテレビドラマ『ウィーキング・デッド』のメイン・キャラクターの1人
として出ていましたので、よく覚えています。壮絶な死にざまも。韓国人じ
ゃなく中国人だろうと思っていました。
脚本を気に入ったブラッド・ピットとこのかたは製作者としても名前が載っ
ていました。