20231027(了) |
ラッブラ(Edmund Rubbra 1901-1986)
(1)交響曲 第1番 Op.44(1935-37) ①9:53 ②5:40 ③18:55 <★★★★> |
(2)献辞 Op.56(1942) ④Andante 4:29 <★★★☆> |
(3)協奏交響曲 Op.38(1936) ⑤12:33 ⑥5:15 ⑦13:52 <★★★☆> |
リチャード・ヒコックス(指揮) |
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 |
ハワード・シェリー(ピアノ)(3) |
録音:1995&1996年、Brangwyn Hall (1)(3)世界初録音 |
CD/管弦楽/Ⓟ&ⓒ Chandos Records Ltd./輸入/中古 |
英国人っぽくないところが多い、20世紀の作曲家です。 |
(1)これだけ聴き残していた(はずの)ラッブラの交響曲第1番です。 |
若書きなんだから、たいして面白くないんじゃないか・・・ |
そんなことなかったですね。だいたい作品番号はもう44番で、もはや若書 |
きとはいえないですし。 |
ドイツ系のロマン派や後期ロマン派の音が感じられるのは、受けた教育や好 |
みということもあるのでしょう。 |
そしてちゃんと英国風味もある。緩徐な部分でも感じたけれど、北欧のバイ |
キングではなく、あくまで英国北部の荒くれを思い起こさせる野太さの部分 |
とか。わりと近いと思う言葉としては「男っぽさ」でしょうか、雑ですが。 |
②ではぶ厚い音にブラームスが感じられる。 |
でも盛沢山なのは③で、①の野太さによるパワーだけでなく、マーラーの交 |
響曲のイメージを感じさせる最後の大盛り上がりでは、こっちも盛り上がり |
ました。 |
(2)ヴォーン・ウィリアムズの70歳の誕生日に因んだ作品らしい。 |
しずしずと始まって ―まあ低いトレモロというわけじゃないんだけれど―- |
神聖さを感じさせるブルックナーの交響曲の始まりを思わせるのね。これも |
ドイツ音楽に傾倒した結果なんじゃないかなぁ。規模感はブルックナーほど |
はないんだけどね。それにこの長さだしさ。そのブルックナーのゆっくりめ |
のスケルツォみたいに進んでゆき、最後は穏やかに締めくくる。 |
「献辞」の「意味」がわからないけれど、ま、捧げたというイメージでしょ うね。 |
(3) またオケコン。このあいだ聴いたタンスマンでもこのタイトルがあっ |
たんでした。でも・・・この曲は、ヴィルトゥオーゾ的というほどではない |
ピアノが活躍する、という点が特色で、気持ちの上での激しさのある幻想曲 |
といった趣。ピアノ協奏曲と言っても一向にかまわない。イギリス系のプロ グラムにどうでしょうか? |
⑤はイギリスのみならず、あちこちの民族的な気持ちの高ぶりみたいな表現 |
が色々聞こえるという感じ。⑥はSaltarellaだからイタリアの踊りなんだろう |
けれど、チャイコフスキーやストラヴィンスキ―にもあったような。元気一 杯のアレグロ。 |
⑦緩徐楽章というにはいささか物々しいが、徐々に木管が悲し気に歌いだし、 |
オケがぶ厚く主張をはじめる。掴みやすいメロディはあまりないものの、、、 |
やはりかなりブラームス好きだったんじゃないですかねぇ。厚い弦、木管の |
歌い方、ティンパニの使い方など、なんだかそんな気がしてしまう。 |
そういうことを聴きつけることで、なんとか自分なりに掴まえようとしてし |
まう良くない癖が出てしまいました。毎度とはいえお恥ずかしい・・・ |
いつか、この演奏者による交響曲のCDを(確か大体持っていたはずで、録音が |
良すぎる気がしないでもないんですが) 引っ張り出して、全部聴いてみてもい |
いな。 どんな感想文を書いたのかは完全に忘れましたが、結構気に入っていた |
記憶がある。(1)を聴いていると、特にそう思いました。 |
4,10,11番はまだみたい。楽しめそうだ・・・