休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

カール・シューリヒト 10枚組 3-1

カール・シューリヒト/

       ザ・コンサートホール・レコーディングズ

          〈3-1〉

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<Disc 1>
ブルックナー交響曲第7番(Hague Philharmonic Orchestra)
1964年9月/オランダ/ハーグ 60:26
<Disc 2>
ワーグナー:リエンツィ序曲、ジークフリート牧歌、ローエングリン第1幕への
前奏曲ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲(Bavarian 
Radio Symphony Orchestra)
  1961年9月/ミュンヒェン 53:12

 

CD/10枚組/クラシック/Ⓟ&ⓒ 2003 SilverOak Musuc/Scribendum/輸入中古

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Amazonに書きつけられたある方のコメント)
ドイツの名指揮者、カール・シューリヒトがコンサート・ホール・ソサエティ
に残した録音を集めたCD集。
かつてDENONから15枚くらい出されていたのだが、それを全部復刻している
わけではない。
権利の関係が絡んでいるのか、バッハの管弦楽組曲第2〜3番、モーツァルト
リンツ交響曲ブラームス交響曲第3番、ウェーバーのオイリュアンテ
序曲、ヨハン・シュトラウス2世のトリッチ・トラッチ・ポルカと宝のワルツ
が欠けている。
さらに不誠実なことに、メンデルスゾーン真夏の夜の夢ブラームスの交響
曲第4番、悲劇的序曲のオーケストラがバイエルン放送交響楽団とのセッショ
ンのはずなのに、南西ドイツ放送交響楽団にされている。
さらに、メンデルスゾーンのフィンガルの洞窟もシュトゥットガルト放送交響
楽団との録音なのに南西ドイツ放送交響楽団になっている。
コンサート・ホール・ソサエティの音源自体が、かなりザックバランな録り方
をしていたのか、バッハのブランデンブルク協奏曲の第5番第3楽章の冒頭の
音が欠落しているなど、少々「やんちゃ」な商品である。

 

 

さて、真面目に鑑賞記。といっても普段あまり聴くことがない「クラシック」。
・・・
上掲文はうれしくなるようなもんじゃなく、後ろ向きで、この方、シューリヒ

トが好きかどうかわからない・・・でもきっとファンなんだろうな、ワタシよ

りは。

 
ワタシは、レコードを買い求め始めたころは、圧倒的に安いコンサート・ホ
ール・ソサエティという通販が多かった。その中に何枚かシューリヒト指揮
のものがありました。この指揮者で初めて聴く曲もあったはず。もう今はL
Pはほとんどないのですけどね。とにかく印象深いのです、この方。オケと
たいして練習もせずにコンサートや録音を行ったこと、概して相当テンポが
(時には極端に)速かったこと、しかし時に独特のテンポの動かしや表現を
採って、これが嵌ると、えもいわれぬ愉悦を味わうことができること・・・
レコードはなくなったし、その後たくさんの演奏を聴くうちに、ああこんな
変わった演奏でなくてもいいんだと思うようになっていったのですが、なぜ
か時にふっと思い出すことがあって、CDを買い求めました。ウィーン・フィ
ルなどを指揮してのメジャーレーベルへの録音は、そんなにヘンじゃない。
ブルックナーシューベルト
やっぱり聴いてみたいのは、アンサンブルなんか揃ってないけど、猛スピー
ドでとばしたり、独特のアゴーギグにアッと思わせられるもの。
で、もうそんなのは卒業しようかな、でも最後にゾロっと聴き溜めしようか
な、なんて思って、この安いセットものを手に入れてみました。

これでサヨナラ できるか、な?

でも、そんなにヘンテコリンな演奏じゃなかった。

 
そんなことで、半分ぐらいは聴いたもの、残りには聴きたいと思わないもの
がある。なので、細かい記述はしないつもりでしたが、10枚分のメモはそれ
でもさすがに長いので、三分割・・・
 
<Disc 1>
このブルックナーの7番はLPの時から何度も何度も聴いてきました。オケに
も録音にも不満が大ありでした。でも、演奏自体はなかなかのものだと思っ
てます。ウィーン・フィルとの8番や9番(EMI)にも負けない。
CDはこれが3枚目。そしてこの音が最もいいみたい。LPが最もよかったよ
うに思うが、もう覚えていないと言うべきでしょう。金のかかっていない
ヘタクソな録音であることは確かなんだけどね。こんな音なのに、不思議
な魅力があるのです。それがシューリヒト。
 
<Disc 2>
「リエンツィ序曲」と「ジークフリート牧歌」はやや速め。リエンツィのほ
うは、ヘンですが、どこかメンデルスゾーンでも聴くみたいな感触がありま

した。ワタシはこのリエンツィ、気に入りました。昔は好きではなかったの

です。

一方、「ローエングリン」と「マイスタージンガー」(これはなんだか繋ぎ
変えて ― つまり編曲している?)のほうはテンポは速いどころか、逆にと
ても悠然とした感じでしたね。シューリヒトさん、こんなのもあるんだ。
録音は10枚ではいいほうで、盤のレーベル面にカッターナイフで4本ほど
切り傷を入れたら、なお響きが豊かになりました。
演奏はさすがバイエルン放送響。ゲネプロの前、いきなりに近いみたいなの
に、さすがワーグナーゆかりの地のオケ・・・なんてね。胡麻をすっている
わけじゃなく、結構真面目です。
シューリヒトらしかったのは「リエンツィ」かもしれないが、〈METライ
ブ・ビューイング〉のテーマ音楽で使われているために、結果耳についてい
る「ローエングリン」がなんだかいままでと違って聞こえたこと、「マイス
タージンガー」が実に堂々としていて、シューリヒトらしくない(ゴメンナサイ、

奇妙な言い方です)ものの、音楽が充実していたこと、などで、この盤は意

外な儲けものになった気がします。