休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

カール・シューリヒト 10枚組 3-2

カール・シューリヒト/

                   ザ・コンサートホール・レコーディングズ

                             〈3-2〉

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<Disc 3>
シューマン交響曲第3番「ライン」、マンフレッド序曲(SDR)
  1960年12月/シュトゥットゥガルト
ヨハン・シュトラウス2世:シャンペン・ポルカ、常動曲、ジプシー男爵序曲、
ウィーン気質、南国のバラ、酒・女・歌(Vienna State Opera Orchestra)
  1963年4月/ウィーン Tot.75:24
<Disc 4>
シューベルト交響曲第9番「グレイト」(SDR)
  1960年9月/シュトゥットゥガルト 51:24
<Disc 5>
ヘンデル:合奏協奏曲Op.3-4、Op.6-10、「アレキサンダーの饗宴」、Op.6-4
  (Bavarian)
  1961年9月/ミュンヒェン 52:07
<Disc 6>
ブラームス交響曲第4番、悲劇的序曲(Bavarian)、
  1961年9月/ミュンヒェン 69:01
ブラームスハイドンの主題による変奏曲(SWR)

 

CD/10枚組/クラシック/Ⓟ&ⓒ 2003 SilverOak Musuc/Scribendum/輸入中古
 
 *SDR; シュトゥットゥガルト放送交響楽団
 *SWR; 南西ドイツ放送交響楽団 バーデン=バーデン

   現在両者は統合され バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団

 *Bavarian; バイエルン放送交響楽団

 

<Disc 3>
シューマン/ラインの録音は初めて聴きました。はじめこそアンサンブル
がばらけた感じで、どうなるんだと心配させますが、どんどん調子づいて
行き、時々「オッ!」と思わせるシューリヒト独特の演出を織り込みつつ、
おしまいまでノリノリ。なんと音の寂しさもほとんど忘れるほどでした。
盤に切れ目を入れてもさほど変わらんかったけどね。録音よかったらとん
でもない名演だったんじゃないか・・・なんてね、こうなると昔の名演奏
に拘る‘好事家’と似てくるかもなぁ・・・
「マンフレッド序曲」も同じテンションが続き、素晴らしい。
それと、考えてみるとワタクシメは、シューマンの少なくとも交響曲をあ
まり熱心に聴いてこなかったなぁ、ってことも大事な感想のように思えて

きた。この演奏だからなのか、うれしい「要注意」なのか・・・

 

さて、それに比べシュトラウスⅡものは、録音はたった3年の差なんだけ
ど、音質が格段に良い。そしてこの演奏がチャーミングで素晴らしい!
やっぱりウィーン・フィル関連だからなのか、ウィーン国立歌劇場管弦楽
団はリハーサルなんてろくにやらなくったっても、楽団員全員があのリズ
ム感や楽しさが体に染みついているんだろうね。あとは四の五の言わなく
ったって、ちゃんと演奏できちゃう。元のアルバムから2曲がカットされ
ているそうで、確かにこの盤の収録時間はいっぱいいっぱいだけれど、惜
しい・・・ 上品でさらっとして粋な感じの、かのクレメンス・クラウス
に負けてない(!)、しかもどこか独特な気がしました。
 
<Disc 4>
シューベルトの「グレート」。メンデルスゾーンが天国的長さ、と言った
と伝わっていますが、やっぱり長い。LPでですが、高校時代かなり聴き、
メンデルスゾーンの言い草もそこで読んだと思います。
第一楽章の途中からテンポが上がって、終わりまでずっと熱量が高い。長
い!という印象は変わらないです。
それにつけても、この楽章のエンディングについては、このバタバタがス
ピーディに終わる形が普通だと、長い間思ってまして、他の演奏と全く違
っているとわかるまでけっこうかかった。シューリヒトはこういう箇所が
いろいろあるヒトなのです。
大人になってからはシューベルト交響曲はまるで聴かなくなってしまい
ました。この曲も「未完成」なんかも例外じゃない。嫌いというんでもな
いんですが、ウーン、退屈ってことですかねぇ。
もっとも、音はスッキリしません。というか、シュトゥトゥガルト放送響
との録音は概してアカンね。が、長いとはいえ、シューリヒトの音楽自体

は、テキパキして好ましいと思いました。もっとも、もう聴く機会がある

かどうか。

 
<Disc 5>
ヘンデルの合奏協奏曲集。
残念ながら、これはワタシが聴きたい音楽ではありません。
演奏も録音もしっかりしたもののようだとは思いました。
 
<Disc 6>
このブラームスの4番も昔はLP。今はCDで持っていますが、今回のほう
が明らかに音質が向上しています。昔のLPもここまではよくなかったと
思う。
フワーっと妙に軽い入りだったのが、どんどん気持ちが入ってくるのが独
特。それが最後までダレない。評価は、熱狂的な批評家がいたこともあっ
て、もともと高かったのですが、こんなに熱かったっけ。
このセットものに入っていない3番が、オケも音も粗かったんだけれど、
実はちょっとした弄り(例えば第3楽章)がイカシテまして、ワタシのお
気に入りでした。ここまで音質向上するのなら(いやいや、そうでなくっ

てもなんですが)、バッハかヘンデルの代わりに、入っててほしかったよ

・・・

「悲劇的序曲」もおおむね同じようなことが言えそう。「ハイドン・ヴァ
リエーション」のほうは、もとは3番とのカップリングで、これはオケの
表示は間違い。南西ドイツ放送響だった。でも、3番の高ぶる気持なんか
は入っておらず(まあそんな曲じゃないですけどね)、わりときれいな
(≒平凡な)演奏で、音もさほど悪くありませんでした。