休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『やすらぎの森』

20231020(了)

映画『やすらぎの森』

  ルイーズ・アルシャンボー監督・脚本
  2019年製作/126分/カナダ/原題:Il pleuvait des oiseaux/DVDレンタル
  <★★★△>

映画とか映画好きとかいっても色々で良いんだけれど、多くはエンタテイン
メント性のあるものに偏りがち。エンタメ性ったっていろいろだけどね。
でもこの映画なんざ、こういうものとは少々離れていて、ほとんどズルイ。
中年までなら結構理解しづらいと思うが、体がきかなくなってきていること

を切実に感じ始める段階の高齢者になってくると、大分理解はできるんじゃ

ないか。

老人として観て楽しいわけがないものの、人類という「生き物のレベル」に
まで平面を下げてしまえば、一面、結構重大な局面。よく描いているとは思
うものの、で、どう考えろというの?とはじめはムッと反応してしまいまし
た。馬鹿ですねぇ。そういうこともあるかぁ、ぐらいでいいんでしょうに。
これは、小説が得意とする分野かもしれない。(原作があるらしい)
「読む」動機の持ち方、「観る」動機の持ち方、の重ならないところがある
ように思うんだけれど、この映画なんかは、映画の観る動機におさまりにく

いというか、いわば逸脱してしまっているタイプなんじゃないか。わかりま

せんけどね。

うまく書けません。だから感想文はやめておこうと思ったのですが、ま、あ
らすじっぽいものだけ少し書いてみました。

世俗から逃れた年寄りが、数人、なんとなく寄り添って生きているところに
起きる波紋。精神科に療養と称して60年間も外界と隔絶した不当な生活をさ
せられてきた80歳のいわば無垢な女性がやって来たからだ。世捨て人たちは

彼女を受け入れ、いったんは穏やかな日々が戻るのだが、結局ざわついてし

まう・・・

と解説みたいに書いてしまいましたが、実際はこの80歳の女性のせいと言
えるのはむしろ僅かかもしれない。もとからあった老境に伴う状況、つまり
老いや病気やあるかないかほどの外界との関係などの状況が煮詰まっての出
来事が起き始め、その流れに奇妙な老女も加わる、といったほうがいいかな。
森林火災の臭いがしました。
 
「世捨て人」やるのはなかなか難しい。
ま、映画ですから、尻がペッチャンコになっちゃってる人が演じているわけ
でもなかったのですが、、、
こんな映画の類例をワタシ自身は知らないです。ちょっと変な気分です。
カナダの多分まん真ん中の辺り。湖が冷たそうだったが、泳いでましたねぇ。
監督は女性。歌以外はフランス語でした。