休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ベルファスト』

20221125(了)

映画『ベルファスト

 監督・製作・脚本;ケネス・ブラナー//ジュード・ヒル/カトリーナ・バルフ/
        ジュディ・デンチ/ジェイミー・ドーナン/キアラン・ハインズ
 音楽;ヴァン・モリソン
 2021年製作/98分/G/イギリス/原題:Belfast/DVDレンタル
 <★★★☆>

世評の高いらしい映画を観てみました。
 
北アイルランドの状況については、何か言える知識はありませんが、ベルファ
ストという町が、1960年代後半のがどうだったのかということはわかりま
した。ああいう状態の中でブラナー監督が幼少期を過ごしたということなんで
すね。あんな小さいころから、映画少年だったんだ。
 
父母の強い愛情以外にも、街のみんなに知られ見守られていることや、偏りの
少ない観方をもつおじいちゃん、おばあちゃんの価値観にもくるまれたような
状態で日々過ごしている。そんな中にも、いわば紛争が飛び火してくるような
形で、少年の日常にも入り込んできて、どんどんエスカレートする。
ベルファストを去ることになるまでの、黄金の日々が、作り物のイメージをあ

えて残しつつも、強く想像力を掻き立てるモノクロ画面の中に捕らえられてい

る。

映画館で観るカラーの映画はちゃんとカラーで映ってましたね、『チティ・チ
ティ・バンバン』なんか、どぎついほどに鮮やか。
 
北アイルランドの中でも、紛争の影響を受けて、いたって簡単に対立軸ができ
てしまうことについちゃあ、がっかりさせられるけれど、避けようもなく発生
してしまうこと自体は、ほとんどヒトの世の常。
ここじゃカトリック系とプロテスタント系の対立が大きいが、それだけだけの
話じゃない、ちゃんと一般化されていたようにも感じました。
 
ブラナー監督に当たる、一家の下の子の目を通して描いています。
そんな中で一家がどんなふうに生きていたか、自分の記憶だけに頼ることなく、
役者さんたちとも(子役の方たちとも)話し合いながら、作り上げたそうな。
一般化されてはいても、これが間違いなく自分史であり家族史であり地元史の

一ページでもあったんだという誇りと無念さのようなものが出ていたと思いま

す。感情移入よりはやはり理性の勝った観方にはなりましたが、良作。
まぁワタシにゃほかに言いようがない。

(デンチさんの足のむくみは演出なんだろうなあ。老母のも、ひどいむくみ

 なんだけど・・・これだと、いまならかなりいろんな薬を飲まされるな)

 

11月のものです。アップ、忘れてました。