休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『シェイクスピアの庭』

20210306(了)

映画『シェイクスピアの庭』

 
  製作・監督・主演;ケネス・ブラナー//ジュディ・デンチ/イアン・マッケラン/

               キャスリーン・ワイルダー/リディア・ウィルソン

  音楽;パトリック・ドイル

  2018年製作/101分/G/イギリス/原題:All Is True/DVDレンタル
  <★★★★>

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引退後のシェイクスピアは、あまりよくわかっているわけではなさそうだけ
れど、といっても、ある程度はわかっていて、それを膨らませたんでしょう。
盛りだくさんながら、わかりやすくまとめてあって、楽しかったですね。
 
ロンドンの劇場で同業者をしり目に大成功し、49歳で引退。広い屋敷と庭。
庭の一角を早逝した息子(ハムネット)のための庭に自分で作り直し始めるんだ
けど、気付けば、それまでなおざりにしていた家族とその周りは、遺産の相
続をはじめとして、もめごとだらけ。
息子への断ちがたい思いを通奏低音(実はミステリー含み)としつつ、様々
なことに、再認識と懺悔をする羽目になります。
不倫ぽい状態の長女(スザンナ)、鬱屈しているらしいひどく嫌味な次女(ジュ
ディス)、一見物分かりはいいがどこか冷たく、これも鬱屈しているらしい年
上の妻(アンナ/ジュディ・デンチが絶品というか、堂々としている)。
成功者に対し様々言い寄ってくる人たち、妬み嫉みをぶつけ続ける人達。
例えば、14歳で学校をやめ、旅行すらしていないのに、なんで人生や世界
がそんなふうに分かるのだ、とか・・・
それについちゃあ、いい答えが用意されるんですけどね、断筆の理由はよく
わかりませんでした。
本人としては、当時の教養としてのギリシャ語なんてものは話せなかったが、
足りないもの、必要なものは、自分の中にあるものから想像、再構成すると
いうことで、実力でもって這い上がったという認識を語っている。
 
いろんな話がどうなってゆくのか気になる中で、一つだけポツンと独立した
エピソードとして、初期のパトロンで、どうもいろいろとあったらしい大立
サウサンプトン伯(I・マッケラン)が立ち寄って、シェイクスピアと二人だけ
で会話を交わす。意味深なシーンという扱い。観ちゃったから、もうこれが
ないと寂しいものの、ちょっと浮き気味だったかな。
そのサウサンプトン伯には、脱落してしまった競争者たちには得られなかっ
シェイクスピアの成功の形を、「金」と「紋章」(大事だったよう)と
「家」、そしてとりわけ「詩」だと言わせていました。
 
息子に関するミステリーなんて書きましたが、そうややっこしい話ではない
とはいえ、ここに書くわけにはゆきません。
最後の映像は麗しい終わりかたになり、「言葉」で締めました。すごくいい
エンディングだったもんだから、印象が大分上がりましたね。
 
屋敷と庭がなんとも見栄えがしました。さすがイギリスという感じ。
音楽は名手パトリック・ドイル。久しぶりに聴きました。抵抗感があるとか

いうんじゃありませんが、残念ながらあまり印象に残るものではありません

でした。

 
 (シェイクスピアは、ゴルフは知っていたはずで、かなりの確率で、プレ
  ーをしただろうと言われています。単なる連想です。同窓会ゴルフが来
  月あると案内が来ました。また珍しいことにその翌月、パートの職場関
  係でも話が来まして、出費がきついですが、練習しないといけません、
  もうちょっと暖かくなってほしい。)