休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ロバート・ベイリー『ゴルファーズ・キャロル』

20230314(了)

『ゴルファーズ・キャロル』

        ロバート・ベイリー

  THE GOLFER'S CAROL by ROBERT BAILEY

    練習ティー

    第一ラウンド

    第二ラウンド

    第三ラウンド

    第四ラウンド

     著者あとがき
     謝辞
     訳者;吉野弘人/あとがき
 
    2021年11月/小学館/小説/単行本/中古/ⓒ2020
    <★★★★>

「すべての男は、人生のどこかで自分が

 ジョー・ネイマスにはなれないと気づくときがある」

 

Amazonの惹句から) 1986年のアラバマ。開催中のマスターズで、J・ニク
ラウスが伝説の勝利を収める直前。40歳のランディは、テネシー川の橋から身
を投げようとしていた。若かりし日、今は亡き父親から現実的に生きるように
諭され、夢を諦めたランディ。幸せな家庭を築いていたものの、幼い息子を病
気で亡くし、治療費による借金苦に陥った彼は、愛する妻とプロゴルファーを
目指す娘のためには自分が死ぬしかない、と思いつめていた。そんな彼の前に、
かつて共にプロゴルファーを目指し、事故で亡くなったばかりの親友の幽霊が
現れ「4人のヒーロー、4つのラウンド」を贈るという・・・
 
ミステリー系の作家の作品です。同窓会ゴルフが近づいてきたんで、何か読も
うという気になって見つけたもの。ネットの惹句から一部いただきました。
ゴルフをネタにした魂の救済の物語ってわけです。湿っぽそうで、ちょっとワ
タシには合わないかもなと思いつつ、のんびり読み進めてみました。
 
ランディにとっては、一応ゴルフで成功したかに見える友人ダービーこそがヒ
ーローであり、人生でかろうじて正気を保っていられる水先案内人みたいな存
在だと思っていたのだが、自死の覚悟を決めているランディの前に現れた親友
ダービーの幽霊のいうことにゃあ、自分はお前のヒーローなんかじゃない、ダ
メ男さ、この人たち4人のヒーローと4つのラウンド(のようなもの)をして
みればわかるよ、と言う。
はじめの「練習ティー」というのは、そうした状況の説明に当たる。
ランディは決して守銭奴ではないけれど、形としては、「クリスマス・キャロ
ル」にひっかけている。
 
始めは、なんとゴルフ界の聖人のようなボビー・ジョーンズ(球聖なんて言わ
れる)と。全盛期はもはや100年前だ、、、
完全にファンタジーの雰囲気。しかしランディは覚悟を決めた人間らしく(?)
ケツをまくって、ランディの事情を理解しているらしいボビーに向かっても、
度々怖じずにでかい態度で物言いをする。

(こっちは死のうとしてるんだ、何をごちゃごちゃ抹香臭いことを言うんだ

  ・・・)

場面が変わり、若かりし頃に経験した厳しい状況に一人取り残される・・・
セルフコントロールに関することを勉強させてくれたようなんだが、とりあ
えず自死が一日延びただけに近い、、、
 
 この辺りを読んでいたある日、何カ月ぶりかで練習場に行きました。
 こんなもんだと思うしかないが、あと2回ぐらい、100球づつぐらいは
 打っておきたい・・・
 
さて、奇妙な経験をしたランディはダービーの葬儀に出るが、自殺を決心し
たことにより体が自己防衛システムを働かせたせいでボビー・ジョーンズな
んかが出てきたのではないかと考える。厳格で褒めることもハグすらもしな
かった父に対する愛憎のことも。そして本題、ダービーの奥さんから、メン
バーコースのクラブハウスのロッカー整理を頼まれる。
そこで出遭うのは、アッと驚く、巨星ベン・ホーガン!(ひどい経験をして
いるんだな) で、学ぶのはレジリエンス(回復力)かな?
第三章では、1960年、全米オープンアーノルド・パーマー!(「自分

の人生」のための一歩を踏み出すこと、か) パーマーだなんて、まあ、な

んということ!飛行機の操縦かよ。で、自分の求めているものって、何?
三人とも、実は抱えた鬱屈は重かったと描いている。
さぁ大きく出たんだ、最後の章じゃ、ニクラスとでもと期待までしてしまう。
なんと、4人目のヒーローは、ごつい手をしたレンガ職人、父だった。

もう死んだ父はここじゃ40過ぎぐらいだ。相手が息子だとは知らない。

「9ホール回ろう」と持ちかけてくる。

友人でありヒーローの一人でもあったダービーの幽霊が消える前に言っていっ
た。
 「お前が許さない限り、彼はお前に気づかない・・・」
なんで「赦す」じゃなく「許す」なの?(なんとなくわかりました)
 
年があまり違わない父子が立つ1番のティーインググラウンドからの眺めが、
すごく美しいと書かれている。単純にそう書かれているだけなのに、何故か
読むワタシもそんな気がしてくる。(もっとも、現実の早朝なら、ワタシは
時差ぼけで、どこであろうと朦朧としていてアカンけどね)
 
 物語とは関係ないけどランディの父親の持ち球が「バナナスライス」なん
 だって。それでもけっこうやる。実はワタシも長い間その球筋だったので
 す。少しアウトサイドから入ってしまう。昔はそればかりだったので慣れ
 て、その球筋を結構インテンショナルに打てたものです。ドライバーだけ

 ですけどね。今は・・・えー、案外まっすぐに左に行ってしまうことが多

 い、かな。ハハハ。

 
やれやれ、理解しあえるのか、癒しはあるのか!ランディは果たして自殺せ
ずに頑張って生きて行けるのか。
そりゃそうでしょう。なんてったって父と回るんだもの。眼がしらに来ちゃ
った。ちなみに、4人目のヒーローと思われたニクラスはレッスンこそしな

いけれど、大逆転でマスターズを制し(1986年の実際の大会)、物語をアシ

ストしている。

人生のことをファンタジーだと言うわけにはいかないんだけれど、このお話
はやっぱりファンタジーだと思うなぁ。
めげるだけめげたこの男の再生を、ゴルフとファンタジーがになう物語で、
鬱屈を融かし合わなくてなんとする!というお話。
 
癒しというとね、野球の『フィールド・オブ・ドリームズ』を思い出します

ね。原作本の『シュレス・ジョー』もよかったけれど、映画版のほうはもう

ズバリ。

十分に野球ができなかったプロの選手(たち)と、メジャー寸前で夢をあき
らめた医者が、若い農婦の一家と物書き(サリンジャーがモデル)の尽力で引き寄せ
られ、癒される。ついでに物書きも農夫自身の父親も、、、という泣かせる
ファンタジーストーリーでした。
こちらの小説は、「癒し」というと正しくないんだが、切り口は結構近いと
思った。点数は甘目。
久しぶりのゴルフの読み物でした。

またまた物語とは何の関係もありません ・・・ゴルフは(も)結局仲間が
いるかどうかってことになりますかね。一人でやってあれこれ楽しむのは易

しくない。こんな幽霊も現れちゃくれない。

さて・・・

 

半年に一度の同窓会ゴルフ(中学の)。ゴルフはもう長らくこれしかやって
いません。この3回ほどは、ゴールド・ティーからのスタートになっている
のです。もう皆ジジ・ババですからね、それも仕方ないと思います。
ところが今回の幹事からの連絡では、それじゃ物足りないという意見が事前
にあったので(実はワタシです)、希望者が集まるなら一組だけ後ろから ―

―といってもフロント・ティーからですけどね ――やってもいいから、希望

を出してくれとメールがきました

一日だけ考え、ワタシもそっちでやりたいと答えたら、最終案内でそっちに
入れてもらえた。4人中では多分ワタシが最も飛ばない。
脚が攣ったりしないように、ちゃんと犬との散歩とストレッチは欠かさぬこ
と! でも最も大事なのは、ジジイなのに夜型で朝弱いので、時差ぼけにな
らないよう調節すること!(こういう時間調整を度々やり続けるってぇと、
体内時計などに影響してしまい、寿命を縮めるんだそうな。クワバラ)
 

 

3/24 この日はどういうものか雨に降られずに済みました。雨続きの予報だっ

たので、ラッキーでした。それで、書き加えてアップしました。

スコアは、前でも後ろでも、そんなに大きくは変わらなかったですね。

時間調整も成功しなかった。

次回は9月ごろらしい。88歳の恩師が出る気でおられるんだとか。この数回
は仕事(!)で忙しくて出られなかったが、なんと今エイジシュートを狙っ

ておられるそうな。今回休んだ女性も一人、出るって。二人とも練習はちゃ

んとしているとか、、、すごい。