20231014(了) |
タンスマン 管弦楽作品集
Alexandre TANSMAN(1897-1986);Works for Orchestra
(1)オーケストラのための協奏曲 23:32 (1954) ①Tranquillo 5:05 ②Lento 4:30 ③Presto 4:21 |
④Lento 4:33 ⑤Vivo 5:03 |
(2)オーケストラのための6つのエチュード 30:46 (1962) ⑥Allegro eusoluto 2:47 ⑦Andante sostenuto 7:53 |
⑧Allegro schezando 4:17 ⑨Lento 6:25 |
⑩Allegro con spirito 3:08 ⑪Très long 6:26 |
(3)オーケストラのためのカプリッチオ 17:22 ⑫Ballade 5:18 ⑬Notturno 6:54 ⑭Scherzo 5:10 |
アントニオ・デ・アルメイダ指揮/モスクワ交響楽団 |
録音:1994年7月、モスクワ、モスフィルム・スタジオ Tot.71:52 |
CD/管弦楽/Ⓟ&ⓒ HNH International/MALCO POLO/独・輸入/中古 |
<★★★☆> |
Cover Painting by Péter Jandó
(ちょっとシャガールみたいやけど、ちゃうんやね)
この鑑賞記、とても難しい・・・ いい言葉が見つからない、言葉にしにくい音楽。 |
曲ごとにメモは取ったものの、それはパスします。 |
バルトークのような大傑作とは言えないけれど、ビューティフルで重みの感じら |
れない(!)、でもなかなか立派な管弦楽のための協奏曲=「オケコン」の(1)。 |
⑧の『春の祭典』の引用(これはそのものズバリで笑ってしまう)やアメリカのコ |
ープランドみたいな音が聞こえて楽しい(2)。でも「エチュード」はヘンじゃな い? |
(3)は抑えたところがイタリアの日差しの影の部分のよう。(なんてね、イタリ |
アを知りもしないでよう書く!) でも全体としてはレスピーギのローマ三部作の |
ようにカラッとした南欧を思い浮かべそうな世界・・・ チャイコフスキーにも |
「イタリア奇想曲」という有名曲があって、案外通じるところはあるかもしれない。 |
ま、妄想。これまで聴いてきたタンスマンの管弦楽作品の印象と似たような感じと |
言えば言えそう。交響曲(5番しか知らない)などもそんなふうなのかな。聴きた |
いとは思っているんだけど。 |
いずれの作品も決して品の良さを失わない(この点がキモ!)、ダークにはならな |
い。いわばファンタジーの世界に住み続けているかのよう、というのが一番近い |
表現なんじゃないか。 |
オーケストレーションの上手さから言うと、この前のずっと年上(50歳以上)の |
リャードフなんかのほうが、ノーマルさにおいては、上手いかもしれない。 |
不協和音をたくさん使っているけれど、なんだか控えめなイメージ。けっして本当 |
に使いたいと考えているわけではないみたい。ましてや、無調やセリーなんざ・・・ |
これも空想です。実際には色々と試みたようです。 |
どこかで聴いたことがあるみたいなところが多いのは、まあ、この作曲家の場合は |
よくあって、ここでの3曲で言えば、(2)ということになる。モロ引用がわかる |
からね。で、実はその(2)が一番面白いような気がする。 |
(タンスマン、いつもうまく書けたためしがないのです)(★4つでもいい) |
(でも、好きですねぇ、この作曲家) |
CHANDOSの交響曲の録音を聴いてみたいとは思ってます。(安くなってこないの |
で、だいぶん前から手を出しかねているまんまです) |
NAXOSでさんざん聴いたオケです。オケの歴史は浅いが、若者が多いということ |
ではないように思います。 |
ヘッドフォンで聴くと、オケのアラはさほどないのですが、ところどころアンサ |
ンブルが怪しいと感じる時もある。残響は決して長くなく、ホール(スタジオ)の |
音色もごく普通で、色彩感も特別ということはない。ところが車の中だと意外と |
キラキラとして聞こえました。不思議。 |
録音はやや華奢で地味。もっと派手さがあっていいし、あるいはもう少し骨太な |
録りかたもあり得ただろうに。 |
マイブームというものはあるもので、このタンスマンやケクランはそうでし
たね。タンスマンはでもまだ聴きたいものが聴けていません。
ちょっと前だと、メシアン、ツェムリンスキー、モンポウあたりはそうでし
た。ちょっと懐かしい。