休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『PLAN 75』

20230930(了)

映画『PLAN 75』

 監督・脚本;早川千絵/倍賞千恵子磯村勇斗/ステファニー・アリアン
 2022年製作/112分/日・仏・フィリピン・カタール合作/DVDレンタル
 <★★★△>

 

予備知識はごく少なかったのですが、お話の大筋は想像通り。
メインのキャラクターほぼ3人による視点がそれぞれにある。SFというか
架空のシチュエーションです。
 
75歳になったら死ぬ自由を選べるというのが国会で通る。独居や老々介

護や貧困の年寄りが多くなりすぎて、国はにっちもさっちも行かなくなっ

ちゃったか。

その安楽死の「システム」はすんなり軌道に乗ったみたい。それにかかわ
る立場の違う3人の小さなストーリーが描かれる。彼らの行動が、互いに
面識がないまま交錯するところもある。
78歳の寂しさはちゃんと描かれていましたね。倍賞さんがうまいのかな。

自死のありようは、ベルトコンベアーみたいな、ある種落ち着いた、あん

な感じなんでしょうね。分かりっこないけど。

そしてまず間違いなく富裕層には関係のないことに違いない。

 

短編小説にちょっと捻ったエンディングを付けた感じでした。ただし、彼

女の「その先」に待っている寂寥なんて、絶対あるわけだが、どうなるも

のでもない。もっとも、そのあたりはもうこの映画のメインテーマではな

いのかもしれないとは思う。さらに言うなら、最後のシーンは希望なんか

でなく、ストーリー上、いくばくかのカタルシスのためだとか、何かバラ

ンスをとるしかなかったというふう、というのがワタシの感覚。ただただ

終わらないはずのひどい孤独感に思いを致すのみ。

 

観た人には、イヤでも、どう思いますか?という問いかけが、なされてし

まう。

話を広げず小さくまとめてあるから、とてもわかりやすい。お話について
は、特に言っておかなくてはという気がするものはありませんでした。
何がしたいのかまるでわからない現首相の方針なるものと較べて何が言え
るか、なんてことについても然り。(連想そのものが筋違いですね、ハハ

ハ) ただし将来的には人口構成とか老人増との兼ね合いで、絶対ないとは

言えないかも。寓意に近いものは感じました。

 

コメント、これでは短かすぎますよね・・・ てんで・・・

 
カミサンがね、始めのところをチラッと見て、倍賞千恵子さん、オバアチ
ャンになっちゃったねぇ、と云ってから別室へ行ってしまった・・・
(おいおい、オレタチだって難しいところへやって来た感じだぜぇ・・・)

 

さらに、蛇足・・・

タクシーの運転手が、コロナの時に離れちゃって戻らず、少ないもんだか
ら、年寄りの運転手を採用したり、白タクまがいのものを作らせたりと

(ライドシェアなんて言葉、ちょくちょく聞いて、連想が向かいました)、

ちょっと意外な策が実際に検討されているらしいけれど、さぁ、どんなも

んでしょう・・・

シニアドライバー用のステッカーがいろいろ載っていました。これらは単
なるアイデアなのかどうか。貼ってる車、見たことがない。もっとも、こ
れらのほうが、後ろで見る人の気持ちに、注意喚起のみならず、なにがし
か優しいものが混ざりやすいかもね。

マグネットものも、単なるステッカーも。

まだまだ、やたらたくさん載っていました。