休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

モーラン:民謡編曲集

20230921(了)

モーラン:民謡編曲集

   アーネスト・ジョン・モーラン - Ernest John Moeran (1894-1950)

6つのノーフォーク民謡(1924)

     6 Norfolk Folksongs 作詞 : 伝承 - Traditional

  ①  No. 1. Down by the Riverside 川辺の夜明け
  ②  No. 2. The Bold Richard 大胆なリチャード
  ③  No. 3. Lonely Waters 孤独な水
  ④  No. 4. The Pressgang 強制徴募隊
  ⑤  No. 5. The Shooting of his Dear 彼の愛するものの銃撃
  ⑥  No. 6. The Oxford Sporting Blade オックスフォードの刃
北極の地
高きドイツ
水夫と若きナンシー
小さな乳母
楽しい荷馬車屋
牧師と従業員
牢獄の歌

6つのサフォーク民謡(1932)

   6 Suffolk Folksongs 作詞 : 不詳 - Anonymous

  ⑭  No. 1. Nutting Time 木の実を拾う時
  ⑮  No. 2. Blackberry Fold 絡みつくブラックベリー
  ⑯  No. 3. Cupid's Garden キューピッドの庭
  ⑰  No. 4. Father and Daughter 父と娘
  ⑱  No. 5. The Isle of Cloy クロイの島
  ⑲  No. 6. A Seaman's Life シーマンの生活

ケリー州からの歌(1950)

   Songs from County Kerry 作詞 : 不詳 - Anonymous

  ⑳  No. 1. The Dawning of the Day その日の夜明け
  ㉑  No. 2. My Love Passed Me By あなたは私の愛を素通りした
  ㉒  No. 3. The Murder of Father Hanratty ハンラッティ神父の殺人
  ㉓  No. 4. The Roving Dingle Boy 移動する峡谷の少年
  ㉔  No. 5. The Lost Lover 失った恋人
  ㉕  No. 6. The Tinker's Daughter 鋳掛屋の娘
  ㉖  No. 7. Kitty, I am in Love with You キティ、私はあなたに恋をしています

 

   マーカス・ファーンズワース(バリトン)①-⑯⑲
   エイドリアン・トンプソン(テノール)⑰⑱⑳-㉖
   ジョン・タルボット(ピアノ)

   ウェイブリッジ男声合唱団のメンバー/クリスティーネ・ベスト(指揮)

    ⑨⑪⑬*

   録音:2010年5月&10月、コブハム、ストーク・ダベルノン、イェフーディ・メニューヒン・ホール
    Tot.65:41
   CD/英民謡/Ⓟ2010&ⓒ2015 米NaxosBMSレコードより移行)/輸入
    <★★★△>

 

あのフランス中部の民謡を編曲を加えてまとめた『オーヴェルニュの歌』のこ
とをなにかというと比較対照に持ち出す癖があります。苦手なジャンルのくせ
して、なんでか?というと、いいメロディが多いというだけでなく、オケ伴で
ある点が大きい。そこへ行くと、このアルバムはせいぜいピアノ伴奏。
気に入るのはなかなか難しいとはわかっていたのですが、好きな作曲家モーラ
ンのアレンジになるものだということで・・・聴いてみる気になりました。
 
NAXOS惹句> 1894年にロンドンに生まれるも、育ったのはノーフォーク
 そのためアイルランドと強い絆を持っていた作曲家モーラン。彼の作品は日
 本でも一部の愛好家に深く愛されています。幼い頃からピアノとヴァイオリ
 ンを学び英国王立学校に入学した彼は、スタンフォードに師事しましたが、
 ヴォーン・ウィリアムズの作品にも強く感銘を受けたのです。第1次世界大戦
 で重傷を負ったものの、それを乗り越え、以降自身のためにノーフォーク
 を始めとした各地の民謡収集を始めます。イギリスの田舎の精神を反映させ
 たこれらの素朴な音楽は、海に生きる船乗りと、大地を耕す農民、その双方
 の気分を完璧に反映させたもので、それらは表情豊かな男声の歌唱によって、
 時にはシリアスに、時には情熱的に伝わってきます。
 
帯には

    どこか懐かしく、どこか近寄りがたく・・・

    「男」のための気高く清々しい民謡曲

とあって、惹句と併せるまでもない、この2行で十分。ピッタリ!
付け加える気になるようなことは、ほんとうに何もなかった。
でもね、そうはいかないので・・・感想としては、ピアノ伴奏という点が音色
的にワタシにはかなり物足りないのですが、生真面目なモーランらしく、歌に
ごく自然に寄り添っている感じが好ましい。バリトンが⑯まで、テノールがほ
ぼ⑰以降という分担。歌い方はまあまあ似た感じながら、バリトンのほうがち
ょっとだけよかったかな。
男声合唱団の何人かが加わるのは⑨⑪⑬だけ。もうちょっと入ってりゃあよか
った。(男声合唱団だけれど指揮者は女性なのね)
 
歌詞の訳はないので、曲名から類推するしかありません。
その上で、、、ゆったり系なら前半なんだけれど、「ケリー州からの歌」が甘
い歌が多くメロディが美しいのみならず、ちょっと変わった(歌うのが難しい)
ものも含まれて、変化に富んでいたのが印象的。
⑭と㉑は聴いたことがあるように思います。
そうそう、③の「Lonely Waters」も知っていました。モーランの地味とはいえ
名メロディーで、いろんな編成のものがありますが、同じタイトルであること

からすると、もとは蒐集した民謡の編曲だったということになるんだね。知り

ませんでした。