休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

『カラスの教科書』/松原 始

    明日のために今日も食う

20230918(了)

カラスの教科書/松原 始

  序  明日のために今日も食う
  この本に登場するカラスたち

第一章 カラスの基礎知識

  カラスという鳥はいません  いや、いるんですけどね

  カラスの一生  昔は仲間とつるんでブイブイいわせたもんですが
  カラス君の家庭の事情  神田川ニートちゃぶ台返し
  カラス的グルメ  私、マヨラーです
  【カラスのつぶやき 1  カラスに負けた】

第二章 カラスと餌と博物学

  カラスの採餌行動  餌を手に入れる方法あれこれ

  カラスのくちばし  その行動と進化
  山のカラスたち  「野生の」ハシブトガラス暮らしぶり
  カラスの遊びと知能  難しいので、ちょっとだけ
  太陽と狼とカラス  神の使いか、魔女の眷属か
  【カラスのつぶやき 2  旅鴉のカラス旅】

第三章 カラスの取り扱い説明書

  それはゴミではありません  ビニール袋+肉=?

  カラス避けの効果  採餌効率と環境収容力
  頭を蹴られないために  初級カラス語会話
  【カラスのつぶやき 3  あの作品の、あのカラス】

第四章 カラスのQ&A

  よくある質問  カラスの祖先てどんな鳥ですか? 他

  〈カラスの絵本図書館 その1>
  哲学的質問  カラスに死の概念はあるの? 他
  〈カラスの絵本図書館 その2>
  マニヤックな質問  カラスって食えるんですか? 他
 
  結 何はなくても喰って行けます
  主要参考文献
  《おまけ》 あなたのカラス度診断
 
  2013年1月/生物学エッセイ/単行本/雷鳥社/中古
  <★★★★☆>

ほぼ400ページ。紙が厚いし、中身はすいすい読めるものなので、恐れるに
足らないのはすぐわかったけれど、はじめはね、厚!ちょっと引いた、、、
 
メジャーなカラスを一通り説明してくれたあとは、主にハシボソカラスとハシ
ブトカラスを中心に、その違いから説き起こし、ほんとに様々な切り口でカラ
スというものを紹介してくれる。
始めは、ハシボソとハシブトの違いを表にでもしようかと考えたんだが、とん
でもない!項目のあまりの多さに馬鹿なことは諦め、ひたすら楽しむことにし
ました。
どの章も面白いが、やっぱり採餌に関係する記述は、どれもこれも目から鱗

それから、筆者が自身で描いておられるらしいたくさんの絵がまったくもって

カワユイ。往往笑ってしまう。この絵のカラスが何か喋っている夢見そう。

実際のカラスが、この絵ほど可愛ければねぇ!(ペットにするさぁ)

 
馬鹿みたいな書き方ですが、めちゃくちゃオモロイ。
いくつも本を出しておられるから、本になるネタがそうとうあるんだよ、きっ
と。少しでもカラスに興味があるかたはもちろんだが、むしろ逆にカラスに猛
烈に腹を立てている人(きっと大勢いるはず)には、是非読まれることをお薦
めしたいですね。(各章の小タイトルも載せておきましたので、これでいくら
かは面白さが予想出来ると思います、というか、読まんと損しまっせ)
と、これで終わっちゃあ、ホラめくので、採餌についての一面がまとまってい

る、“なるほどポイント” ―ちょい堅め― のほんの一部を引用してみましょう

・・・

 

  さて、カラスの餌について述べた時、カラスは雑食性であり、スカベンジ

 ャー(掃除屋)でもある、と書いた。つまり、カラスはもともと、死骸を見

 つければ喜んで食べる生き物である。そしてカラスがゴミ袋にくちばしを突

 っ込んで中身を引きずり出す姿は、動物の死骸から内臓を引っ張り出す行為

 と全く同じだ。そう、ゴミ袋とは「皮につつまれた肉」であり、それは要す

 るに死骸と同じなのだ。朝の道端はカラス視点では「うまそうな死骸がゴロ

 ゴロしている場所」であり、その横に人間がいるのは「オオカミの群れがた

 むろしている」状態そのものである。割り箸だの何だのが混じっているのは、

 小骨の多い魚を食べている気分だろう。つまり、カラスがゴミを漁る行動は、

 地面に転がっている死骸を漁るのと全く同じ、スカベンジャーとしてごく当

 たり前の行動である。

 彼らは「町に適応して」でも「山を追われて仕方なく」でもなく、「食い物

 があるからごくフツーに」ゴミを漁る。彼らの行動は、森林での生活をその

 まま都市に持ち込んだものにすぎない。

 

テリトリーは普通そんなに広いもんじゃなく、その持ちようの記述も併せると

なかなか興味深いです・・・ 
ここんところもそうだけど、この本、始めっからおしまいまで、へぇ~の連発
・・・ 嘘ではありません。
 
カラスは、というか鳥一般は嗅覚がかなり弱く、ご存じのように目は異常に良
いから、生ゴミ入りの燃えるごみは、回収の直前にしか出せない。
名古屋から南大阪に戻ってからしばらくして、近所の奥さんからちょっときつ
く注意されたものです。
 「夜のうちに出してもらっては困ります!」
朝が早くないワタシたち夫婦は恐れ入るばかり。そこいらじゅうに散らばって
惨状を呈していたようです。宛名が載っているものがあったようで、バレた。
その後分かったことによれば、アライグマもワルサしていたようです。
最近、我が班に住むことになった東南アジアのかたには、(今、班長なもので
すから)ゴミの分別と特に燃えるゴミを出す時間のことを結構詳しく説明しま

した。文句は出ていないようですが、ちゃんとやってくれてるかどうか、チェ

ックしないといけない。

 
必読!(娘に送るか)(とうから嫌がられているかもな)
ハイ、終わり。