すぐ隣にいる「野生」が家を出入りする・・・なんて感覚じゃないね
20221116(了) |
猫語の教科書/ポール・ギャリコ
/訳者 灰島かり
編集者のまえがき |
第1章 人間の家をのっとる方法 |
第2章 人間ってどういう生き物? |
第3章 猫の持ち物、猫の居場所 |
第4章 獣医にかかるとき |
第5章 おいしいものを食べるには |
第6章 食卓でのおすそわけ |
第7章 魅惑の表情をつくる |
第8章 ドアをどうする? |
第9章 クリスマスのおたのしみ |
第10章 旅行におともするコツ |
第11章 母になるということ |
第12章 じょうずな話し方 |
第13章 猫にとっての正しいマナー |
第14章 愛について |
第15章 別宅を持ってしまったら |
第16章 これはしちゃダメ |
第17章 じゃまする楽しみ |
第18章 子猫のしつけと子猫の自立 |
第19章 終わりに |
写真家のメモ |
わたしにとっての”猫語の教科書” 大島弓子 |
1998年12月(第一刷) 2010年11月(第一八刷) |
ちくま文庫/ⓒ1964 Mathemata A.G./英//中古 |
<★★★★> |
今は、ある程度の規模があれば、だいたいどんなスーパーにもペットフー |
ドのコーナーがあって、専門店は大苦戦でしょうね。ワタシの感覚では、 |
陳列されている商品の量や種類は、犬用対猫用はかなり拮抗している。 |
そして、並んでいる餌という商品は、実はどちら用でもかまわない物が多 |
いんじゃないかと睨んでいるんですが、、、素人考えなんでしょうかね。 |
猫は、すぐ隣にいる「野生」というイメージの生き物ですが、ワタシは飼 |
ったことがありません。 |
内容はだいたい想像がついて、それも思ったとおりの内容らしい。 |
何故か急に読みたくなりました。理由はハルノ宵子さんの本「猫だましい」 |
以外にも何かあったはずなのに、、、どうやら忘れてしまいました。 |
古い本ですよね、これ。米国で書かれたのが1964年。今から58年前。日本 |
で翻訳の単行本が出たころ(1995年?)はでかい、豪華な装丁で出たんじ |
ゃないでしょうか。知りませんけど、そんな気がします。 |
そして、たぶんこれは相当売れた有名な本に違いない。 |
「編集者のまえがき」だけでも演出がおかしく、大いに「人を食っている」 |
のですが、この擬人化による「人食い」(≒共存)、犬と全く違う戦略によ |
る効果に笑いながらも、類型化されても喜ぶ「ヒト」となって、ひとつひと |
つ頷いてしまいました。 |
第2章なんざ爆笑もので、人間をいかに手なずけるか。家をのっとるか。 |
簡単とは言え、まず男の転がし方はどうやるか。 |
女はなぜ警戒すべきなのか。 |
家のボスである子どもをよく見きわめるには。 |
独り者とのつき合い方は難しく、どうするか。 |
特に、「男について」と「女について」は笑える。今とは若干違うようなと |
ころも、あるっちゃあるけれど、基本はそう変わらないんじゃないですかね ぇ。 |
第1章は、第2章の最初の実践編。多分章を入れ替えたらつまらないから、 |
こうしたんでしょう。 |
猫好きの多くが知っていそうですね、この本。 |
(かくして猫は人の世界を牛耳り続けるのだ・・・) |
(牛耳られ続けようではないか・・・) |
「編集者のまえがき」と第19章「終わりに」だけが「ヒト」が書いているこ |
とになっていて、あとは、経験を経た猫が主に子猫を対象(第18章を除き) |
にして、猫の伝統たる「ヒトのたぶらかし方法~しつけ方」を、微に入り細 |
を穿って述べているというスタイルを採っている。各章のタイトルを見てい |
ただくだけでわかると思うので、説明はしません。 |
でもまあ、ひとことで言うなら、男の目からのヒトの観察を戯画化した、と |
でも言えばいいんじゃないですかねぇ。あるいは「飼い主の心構え」という |
言い方もできそう。 |
以下はつけたしのようなものです。
こういう見方もあって、犬好きのワタシなんぞ、どこかほっと(?)します。 |
特に最後のところ。 |
基本的には人為的に作られた犬という「性格」と、自然のまま人間に寄り添 |
うことになったらしい猫(の「性格」)とは、違いは厳然としてありますけ どね。 |
猫は本当にずっと猫自身の「戦術」のままだったんでしょうか。 |
ワタシは猫でもいいなぁと思っていたところ、流れで犬になっちゃった我が 家は、夫婦と犬(柴犬娘)一匹。 多分もう猫を飼うことはないでしょうね。(なんか、人生でやり残したこと! みたいだ)
せんだっても書いた纏向遺跡、、、ちょっと気になります。 |