休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』

20221130(了)

映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』

  ロジャー・ミシェル監督//ジム・ブロードベントヘレン・ミレン
                 /フィオン・ホワイトヘッド
  音楽:ジョージ・フェントン
  2020年製作/95分/G/イギリス/原題:The Duke/DVDレンタル
  <★★★☆>

イギリスの1961年のできごとの映画化。とても説明的な邦題・・・
60の爺さんケンプトン(ブロードベントさんは少なくとも70には見えるか
ら確かに爺さんだけどね)は、一応タクシーの(よく喋るウルサイ)運ちゃん
であるだけでなく、売れないけれど脚本を書いている。脚本には死んだ娘の影
響が濃いよう。教養高いようなのは文学系の素養からなんでしょう。
 
テレビ受信料はBBCを観ないのならば要らないだろうと、BBCの線を外して刑
務所に入れられるというのが始まり。NHKについては日本でも受信料を払わな
い人が多くてよく話題になる。これについちゃあ、まあいろいろな意見もある
でしょうが、ともかく似てるんですな。
 
で、ゴヤの『ウェリントン侯爵』が14万ポンドと聞いて、ケンプトンはその
身代金のようなものでもって、あるいは見つけたものに謝礼が10%ぐらい出
るというのでも十分大きい。それでもって受信料が払えない年寄りの役に立つ
に違いないという考えで、絵を盗んじゃう。やすやす盗めちゃうのが妙なんだ
が、実話ってんだからしょうがない。
多くは盗んじゃってからどうなるかに力点を置いて描かれる。
 
ケンプトンの奥さんは見かけも考え方も固く地味。息子(次男らしい)は優し
い性格で二十歳そこそこ、ケンプトンの影響が少なくない。この家族のユニッ
トのほかには、ここをもう出ている長男と彼女、奥さんがお手伝いさんとして
務めている裕福な家の奥さんなどが絡む。
ケンプトンは年金暮らしのよう。奥さんもそうかもしれない。年金が少ないか
らだろう、仕事の口の話題が多い。
日常がとても明るく面白く描かれていて、ついつい頬が緩む。
 
この盗みには裏があるが、それはともかく、ひょんなことから盗んだ絵のこと
がバレてしまって、とうとう裁判になる。裁判は盛り上がりますな。
 
教養をさほどひけらかさないケンプトンの気の利いた皮肉やユーモアたっぷり
の台詞が楽しい。まあ多くがはぐらかしともいえるんだけどね。表情もゆたか。

ほとんど仏頂面で心配性の奥さんと好対照。(さあ、どうだ、ヘレン・ミレン

のこんな役!って感じ)

 
この事件の影響でかどうか、英国では1985年には、75歳以上のヒトから
はテレビの受信料は徴収しないことになったというテロップ。

(単にテレビ、と出た。BBCだけの話じゃないんやろうか、その辺はよくわか

らず)

 
まだ最近だもんだから、こんな記事(朝日)覚えていました。

 

ワタシ、受信料のことなどで議論する気はないんですが、ここで物申してい
る新聞協会の「日本新聞協会メディア開発委員会」なんてものは知りません
で、いったいどんな力(影響力)があるんだろう・・・
もの申している側の繰越金に関する言及、並びにジャンルに関する言い草に
も、首をかしげざるを得なかった。これが新聞社どもの総意?
 たったこれだけの記事ではよくわからないですけどね。
 
(追)
音楽は、多くがソース・ミュージックだったので、感想の対象外ですが、ほ
んの少しだけ優しいオーケストラ・サウンドが聴かれました。ジョージ・フ
ェントンの名を見て納得。代表はエンドタイトル。