休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 『歌物』

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク 5&6/11

 Pierre Boulez conducts Schoenberg(1874-1951):

  Chamber Works・Orchestral Works・Vocal Works

 

【CD5】 45:25                      20210613(了)
(13)地には平和をop.13 D1 
(14)コル・ニドライop.39 D2 
   ジョン・シャーリー=カーク(語り)、BBCコーラス、BBC交響楽団
(15)3つのドイツ民謡op.49 D3〜D5 
(16)2つのカノン  D6〜D7 
(17)混声合唱のために編曲した3つのドイツ民謡 D8〜D10
   BBCシンガーズ(1,3-10)
【CD6】 57:12                       20210622(了)
(18)4つの混声合唱曲op.27 D1〜D4 
(19)3つの諷刺op.28 D5〜D7 
(20)6つの無伴奏男声合唱曲op.35 D8〜D13 
(21)千年を三たびop.50a D14 
(22)詩篇第130番「深き淵より」op.50b D15 
(23)現代詩篇op.50c D16 
(24)ワルシャワの生き残りop.46 D17
   BBCシンガーズ(D1-15)、ロンドン・シンフォニエッタのメンバー(D4、D7)
   ジョン・シャーリー=カーク(語り)(D16)、ギュンター・ライヒ(ナレーター)(D17)、
   BBCコーラス(D16/17)、BBC交響楽団(D16/17)

 

   全ての指揮;ピエール・ブーレーズ
   録音;1974~1986年
   Ⓟ&ⓒ 2013 Sony Music Entertainment/11枚組/現代音楽

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今はじっくり音楽を「鑑賞」できるような季節じゃなくなっちゃい

したが、この鑑賞記はちょっと前のものです。

夜中の暑さについちゃあ、毎年苦労してしまいます。ひとえに、エ

コンの電気代が恐いという、ケツの穴の小ささからなんですけどね…

 

【CD5】 45:25

(13)地には平和をop.13 D1                9:05

     BBCシンガーズ

   <★★☆>
楽しさも面白味もありません、残念。
調性がやや不安定な印象を持ちましたが、それだけで、なにも言及したい
ことなし。こういうの書いてたんですね。そのことになら若干驚いた。こ
んなのばかりなら、大作曲家にはならなかった。
 
(14)コル・ニドレop.39 D2                 12:26
     ジョン・シャーリー=カーク(語り)、BBCコーラス、BBC交響楽団
   <★★★☆>
ブルッフに「コル・ニドライ」というチェロ協奏曲的な曲があってよく知ら
れているが、これと同じだろう。要はユダヤ教典礼歌の旋律を取り入れて
いるわけで、シェーンベルクのこの曲の場合は、旋律のみならず、言葉を選
んで語りと合唱にも受け持たせているということやろう。
12分半のこれだけは、無調でも12音でもないようだけれど、オケの音色
などが素敵で、気に入りました。
名前(シェーン=美しい、ベルク=山)からしユダヤ人以外にあり得ない
と思っていた通りで、当然ユダヤ教にも触れていたということやね、、、
(と、いつもの妄想)。
 
(15)3つのドイツ民謡op.49 D3〜D5      3:30/2:48/4:15
(16)2つのカノン  D6〜D7                0:48/2:43
     テキスト:ゲーテ
(17)混声合唱のために編曲した3つのドイツ民謡 D8〜D10
     BBCシンガーズ              3:56/1:47/4:07
   全て<★★☆>
この3つは、まとめます。といいますか、予想通りで、ほとんど書くことがな
い。(16)の2曲と他の区別もワタシにはつかない。続いている感じでした。
タイトルも見ずに聴いていたときは、イギリスっぽいということ、バックボー
ンはピューリタニズムじゃないか、なんてことでした。ドイツ語だということ
すら分からなかったということです。ハズカシ。
 
CD6】 57:12
そしてこっちのCDに入ると、俄然サウンドがとんがっている。面白いかどう
かはともかくとして・・・そんなふうに分けたんやね。
テキストは作曲者本人のものが大半。対訳があればざっとは目を通すだろうが、
解説に当たるものはもともと何もない。まあどうせワタシは音としてしかよう
聴かん。何を感じることになりますか・・・
 
(18)4つの混声合唱 op.27 D1〜D4             11:00
(19)3つの諷刺 op.28 D5〜D7                11:26
   共に<★★>
D4とD7にだけ器楽が添えられ、ここだけ淡く彩色されたかのよう。無調やセ
リーが試みられているんでしょうか。何を味わえばいいのかよくわからない。
もっとも、D7など、好きなリゲッティの「レクイエム」のような曲に繋がっ
ていくような感覚を味わいました。

 

以下3曲は無伴奏

(20)6つの無伴奏男声合唱op.35 D8〜D13          15:32
(21)千年を三たびop.50a D14                  3:06
   共に<★★☆>
ぶ厚いながら、不安にさせるサウンドばかりですが、落ち着けます。何を歌っ
ているのか分からないワタシは、声じゃなくオケのほうがいいのに、と思うば
かりですが。
 
(22)詩篇第130番「深き淵より」 op.50b D15         4:30
   <★★☆>
(23)現代詩篇 op.50c D16                    5:33
   <★★★☆>
シェーンベルクともなれば詩篇第130番は、こんなふうになるのね。案外こ
れこそはリアルかもしれない。嘆息のような声が効いている。ここまでとは感
じが違うのは、聖書というテキストがあることもあるかも。
それに対し(23)はオリジナル。だけど魅惑のオーケストラサウンドがバァー
っと広がり、まぁ、詩篇だろうがナンだろうがどうでもよくて、今までのしぼ
み加減だった気分を生き返らせてくれる。
 
(24)ワルシャワの生き残り op.46 D17             7:26
   <★★★☆>
テキストは作曲者自身で、英語。ドイツ語が混じるのは、引用だろうか。タイ
トルからしてシンドイ内容なんろうが、男声合唱もオケも非常に魅力的なサウ
ンドでした。
 
いささか抹香臭いCD5よりは、ぐっと新しい感覚のCD6のほうが、ワタシの言
い方では「ほっと」したことは確かですが・・・
ハイ、予想通り、書くことのなかった2枚でした。
 
 
さてさて、あとは大物ぞろいです。
ですが、実は、『ヤコブの梯子』と『モーゼとアロン』は、このセットものと全
く同じ音源でもってすでに聴きました。始めに書いてもよかったのですが、、、
また聴けば気も変わるかと・・・。
ヤコブの梯子』は、このブログに移行した中に入っていた(2016年秋)ため、
すぐに見ることができましたが、『モーゼとアロン』のほうはそれより前の分だ
ったようで、見るには自分の控えを探さないとなりません。ちょっと面倒です。
 
(『モーゼとアロン』は2012年5月でした。基本変わり映えしないですね。今の
感覚と似たようなことを書いている。それから、出典が「出エジプト記」だから
なのか、あるいはよほど書くことが見つからなかったからなのか、『十戒』とい
セシル・B・デミル/C・ヘストンの大作映画のこと、モーゼの長い山上の垂訓
の最中に民衆を扇動してしまう商人エドワード・G・ロビンソンのことなどを書い
て終わらせている。)
 
大物第一弾は後期ロマン派に属する「グレの歌」(1900~1911)