休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

オーボエのための傑作(協奏曲)集

20230801(了)

Masterpieces

for oboe

(Meisterwerke  für Oboe)

<1>リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)
  オーボエ協奏曲 ニ短調 AV144(1945)
    ①8:33 ②8:41 ③7:49              <★★★☆>
    指揮;ネヴィル・マリナー  録音;1982頃
<2>シャルル・ケクラン(1867-1950)

  Pieces、オーボエとピアノのための

       9つの楽章 Op.179

    ④~⑫ 18:13                     <★★★★>
    指揮;ベルンハルト・ギュラー  録音;1985頃
<3>ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)

  交響的組曲『グロリアーナ』Op.53aから

  第2曲「リュート・ソング」(1954)

    ⑬ 5:04                       <★★★△>
    指揮;ウリ・セガル  録音;1988頃

<4>ベルント・アーロイス・ツィマーマン(1918-1970)

  オーボエ協奏曲(オーボエと小オーケストラのための)

  (1952)

    ⑭ 2:59 ⑮ 7:28 ⑯ 4:01             <★★★>
    指揮;ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト 録音;1997頃
 
     シュトゥットガルト放送交響楽団
     Ⓟ 2001 hänssler Classic/近現代音楽/協奏曲/独輸入/中古CD
     Tot.62:48

今度はオーボエ
といっても、2ヶ月ほど前に、ホリガーのオーボエ(など)で現代ものを聴き、
ちょっと疲れた鑑賞記を書いたわけですが、まあその続きみたいなもので、も
っと穏やかな作品群でもって口直しをした、みたいな具合ですかね。
すべてコンチェルト形式。指揮者は4曲とも違っているが、オケはシュトゥッ
トガルト放送管(今は多分名前が変わっているはず)。さすが放送局らしい企
画の勝利。
 
(1)R・シュトラウスの有名曲。ちゃんと聴いたのは初めて。
初期作品かと思っていたらそうじゃないんだ。全体としてはロマン派の馥郁た
るムードに包まれていながら、ちゃんと聴いていると、そこいらじゅうに R・
シュトラウスらしいサウンドやメロディがちりばめてあって、結構ビックリ。

ばらの騎士」の伯爵夫人の面影すら感じられて、車中でついつい「フーン

・・・」。

マリナーが統率するきりっと引き締まったアンサンブルも利いていました。
 
(2)ケクランのこの作品は聴いたことがあるような気がしていましたが、ど
うも勘違いらしい。オーボエ作品はかなり聴いていたのに、この曲はケクラン
を集めたあたりにはなかった。まぁいい曲が加わったということです。
印象としては大雑把に二つ。自然体とでもいうか、これぐらい作為の感じられ
ない音楽(家)はめったにないということ。叙情的な部分であれ、踊りやテン
ポの速いものであれ。もう一つは、「オーヴェルニュの歌」の叙情や哀愁を帯
びたメロディ、鄙びた雰囲気に共通するものが感じられるということ。
なんてね、ついこういうことを書いてしまう。やっぱりケクランはいい。
 
(3)ブリテンの編曲もの。ケクランの曲と比べると、そりゃあ作為に満ち装
飾的と言えるだろうが、大仰だよね、その言い方。
たった5分ながら、キラキラと美しく、これはこれでたいへん素敵な小品。
 
(4)ツィマーマン・・・ブリテンとかわらない年齢のツィマーマンだけれど、
音楽のほうは先へ進んだ。(1)のロマンもなければ、(2)や(3)の余情、
叙情もない。諧謔や滑稽味などが主。ま、喜遊曲には近いかな。暗くはなく、
しんどさもない。ワタシは好きとは言えないが、嫌いということもない。
 
(2)には魅了され、(1)は案外な拾い物だった(大作曲家に失礼な言い方か
もしれませんけどね、まぁ個人的なことなんで、赦してもらいましょう)とい
うことになります。
しばらくオーボエはいいかな・・・。