休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

ルトスワフスキ・ペンデレツキ・ケージ・黛 弦楽四重奏曲

20230605(了)

Lutoslawski・Penderecki・Cage

   ・Mayuzumi String Quartets

(1)ヴィトルト・ ルトスワフスキ(1913-1994):

   弦楽四重奏曲(1964)       ①8:29 ②15:08

(2)クシシュトフ・ペンデレツキ(1933-2020):

   弦楽四重奏曲 第1番(1960)      ③6:56

(3)黛 敏郎(1929-1997):弦楽四重奏のための

   プレリュード(1961年)         ④11:03

(4)ジョン・ケージ(1912-1992):

   弦楽四重奏曲(1949)

                     ⑤4:16 ⑥4:55 ⑦10:36 ⑧1:33

 

    ラサール弦楽四重奏団
    録音:(1)-(3)1967年、ベルリン/(4)1972年、ハノーヴァー
    CD/Ⓟ 1968,1976(Cage)/ドイツグラモフォン/Polydor/輸入/中古
    <★★★△~★★★☆>

(1)ルトスワフスキ
細かいカシャカシャいう音が、悪魔のくすくす笑いか、大きめの昆虫の集団
のざわめきを連想したり、、、『2001年;宇宙の旅』の時に使われたリゲテ
ィのある曲とか、『エイリアン3』でのエイリアンのうごめき(E・ゴール
デンサールの音楽)とかも思い出しました。特に好きというわけじゃないで
すが、印象には残ってしまうサウンド。いや始め①はごく音楽的なんですけ
どね、②に入るとだんだん変容してゆく。シャカシャカが過ぎ、ピツィカー

トが、次にはずりさげが増えてくると、頭の中に譬えが思い浮かばなくなっ

た。

ミツバチの巣の中の音を間近で聞いているみたいな感じになってきた・・・
ルトスワフスキとしては、かなり尖がったときのものなんでしょうか。「十
二音」物なんかじゃないようですけどね。
1964年とあります。4曲の中では、最も新しいんだ。やや意外。
暗さがはっきりと感じとれるようになったところで、おしまい。
 
(2)ペンデレツキ。(1)の4年前の作品。せいぜい一楽章の長さ。若書き。
同じポーランドだから、なんてことはないと思うが、(1)の②とそこそこ
似た感じのサウンド。(1)ほどは尖がっちゃあいないが。
④に替わっていても気づかないこと度々。
 
(3)黛の曲なんて、めちゃくちゃ久しぶり。
③が終っても始めはよくわからず、④に入り込んでいました。
非常に抑えた始まりだったからですが、、、とまれ、どこか雅楽っぽい音色
が聴かれます。かなりの緊張感。そこへぽろぽろっと入ってくる音は、何故
か琴の音を連想させられたりする。
そして、始めの雅楽のような音がじわじわ主になってくる感じ。
後のほうでは、どこか琵琶のような音色が主になって印象に残りましたが、
そこへも上記雅楽っぽいサウンドがぞろぞろなだれ込んで主になってきて、
ついには乗っ取られたみたいになって終わってしまう。
ところで、琵琶に似た音は、ゆっくりとしたものじゃないので、耳なし芳一
や怪談めいたものは連想しません・・・
 
(4)ケージ・・・ 他の3曲と見事に違う音楽。
なんとか旋法などという名前があるんじゃないかと思う。ある高低(度)の
差というか、組合せを、残響を付けて力まずに弾くとこんな音(和音?)に
なるという決まりごとがあるんだと思う。まったく知りませんけどね。他に
何かで聴いた気がする。ケージだったのかな。とても静かな抑えた曲調。
そしてそういった旋法のなかで、茶々を入れるような、旋法から外れたよう
な、横やり的ハーモニーを加えて出来る緊張具合を楽しんでいるみたい。
第4部(最後)の1分半は、いかにも古代、ギリシャだとかそれ以前なんか
を連想させるゆったりした舞曲。
ケージの曲のみならず、アルバムの締めとして、ふわふわととりとめのなさ
が支配していたものに結び目を付けたみたいな格好、なんて感じをもった。
 
ケージは普通聴きたいなんて思わないほうなんですが、このカルテット、実
はなかなかイケてました。4曲の中では最も印象的。好きかどうか、よくわ
からないんですけどね。<★★★☆>
これは、そう、、、入眠時の音楽に向いているかな。いい夢を見ることがで

きるかどうかではなく、このごろどうもロクでもない夢を見ることが多いん

で、、、

 
(4)を除けば、さすがにこれは職場では流せない(鳴らせない)。
ま、いつも通り車の中ならOK。