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(帯惹句) アメリカの現代作曲家ピストンは、ハーヴァードで学んだ後、 |
パリでナディア・ブーランジェに師事しました。彼の作品は基本的に新 |
古典派の様式によるもので、代表的なバレエ音楽「不思議な笛吹き」 |
や、8曲の交響曲などが比較的知られています。この弦楽四重奏曲は |
彼の円熟した作風が楽しめるもので、力強さが横溢する第1番、音と |
音が激しく交錯する第3番、そして意外にも穏当な響きが戻ったかの |
ような第5番と、多彩な音が詰まっています。新古典派から十二音へ |
と移行した人ですが、シェーンベルクのような切れ味ではなく、大地を |
踏みしめるようなしっかりとした音楽性を感じさせる作品群です。 |
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けっこう何度も聴いてみているのですが、オーケストラもののような地 |
味でもうっとりさせるような感じはさほどなくて、むしろリズムを強く感じ |
させ、なかなか鋭い。 |
アメリカでなきゃ、民族的な、とかなんとか書きつけてしまうところやね。 |
‘基本的に新古典派の様式によるもの’とあって、そういうことにしまし |
ょう。 |
この3曲は作曲年代ははなれているものの、似た線上にある感じ。 |
点数低目ですがワタシ嫌いじゃありません。地味なゲンダイオンガク。 |
先日のブリテンのような嫌味は感じられない。 |
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*初めて聴いたピストンも室内楽で、、、 |
①フルートと弦楽四重奏のための五重奏曲(1942) |
②弦楽六重奏曲(1964) ③ピアノ四重奏曲(1964) |
④ピアノ五重奏曲(1949) (Naxos 8.559071) |
というもの。ピストンを意識させくれただけのことはあって、再聴、こ |
この弦楽四重奏だけのアルバムよりも、新古典ではあっても、フラ |
ンス風味など変化に富み、かつ落ち着いたたたずまいが素晴らし |
い。 |
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