休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『FLEE フリー』

20230608(了)

映画『FLEE フリー』

  監督・脚本;ヨナス・ポヘール・ラスムセン
  2021年製作/89分/G/デンマークスウェーデンノルウェー・フランス
  合作/原題:Flee/DVDレンタル
  <★★★☆>   

アフガニスタン人アミン(同性愛者)が、いかにしてデンマークに難民/移民
としてたどり着いたかを中心に、彼へのインタヴューを繋いでゆく形で描く。
実話だそうな。変則だがドキュメンタリーのジャンル。
アニメーションとニュース映像のようなものと、この映画のために撮った映
像が少しと。
 
ヨーロッパへ逃れようとしたきっかけは、父親がタリバンに逮捕され戻って
こなかったこと。
このとんでもない艱難辛苦をアシストしたのは、世界中にあって暗躍する大
小の悪徳密入国斡旋業者。
彼らに人生を支配され、どれだけ無力感にさいなまれてき続けたか、という
ようなアミンの感慨をつぶさに見ることになる。
 
カブール~モスクワ~エストニア~(バルト海)~エストニア~モスクワ~
イスタンブールコペンハーゲン~~米国・・・
これら国や地名にも、「~」にもドラマが詰まっていていちいち書けないが、
だんだん家族と離れ離れになって行く経緯がつらい。まずは長兄、次に姉二
人、そして次兄と母親。
モスクワを出るのに最も時間がかかったみたいやね。ロシアとモスクワの描
き方(当時の官憲の腐敗ぶり)では、この映画はロシアで公開されることは
ないだろうなぁ・・・
 
父親がどうなったかはついにわからないままになったが、その他の家族とは、
何年もかかって再会を果たした。自分はある研究者としてある程度成功した
ようで、長らく待たせた男性と結婚して米国に住み、そのほかはヨーロッパ
に別れ別れではあるが住んでいるという。
 
20年ほどもかかって、やっとのことで友人の映画監督に話せるようになっ
て企画されたものだとかで、ワタシのような者には、正直どれぐらい理解で
きたか怪しいもんですが、、、勉強にはなりました。