休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

映画『サリュート7』

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20180707(了)
映画『サリュート7』 Salyut-7
  クリム・シペンコ監督//ルボフ・アクショノーバ/イリア・アンドリューコフ
  2016年/ロシア映/118分/DVDレンタル
  <★★★>

(映画.com解説から) ロシア宇宙計画の歴史に残るスペースミッションを、国営
宇宙開発企業ROSCOSMOS全面協力のもと映画化。1985年、ロシアの宇宙ス
テーション、サリュート7号が突如として制御不能になった。このままでは地球に
落下する恐れがあるため、宇宙飛行士をステーションに送り込んで直接修理す
ることが決定。サリュート計画に当初から関わってきた技師ビクトルと退役パイ
ロットのウラジミールが担当に選ばれ現地へと向かう。彼らは無事サリュート7
号に到着するが、ステーション内部は氷漬けになっており、全機能が停止してい
た・・・
とまあ、そっけない解説です。
米国のお金のかかったものから見ると、アメリカ映画をよく研究はしているもの
の、リアルさは乏しいし、ストーリーとしてもいたって素朴だったかもしれません
が、でもワタシには‘その頃の技術’の表わし方という意味では、なかなかどう
してリアルだし、面白かったですね。
それにSF系とはいえ、なんといっても今から見ればもう33年ほども前の(前の
国の)お話だということ。映画の題材としてうまかったのかもしれない。
このお話に影を落としている事故(ワタシは記憶にありません)も匂わせて、そ
れがためにいったん弾かれてしまった実力のある宇宙飛行士が、再登板する
にいたるくだりから始まります。
ソ連軍人や政治局員ふうなエライサンが、いかにもの言葉を連発する。
実話をもとにしているとか書いてあったはずで、とすれば、ソ連の感じがズバリ
出ているんじゃないかと想像します。
まだまだ冷戦時であったことを思えば当然ソ連が判断しそうな、あるいは言い
そうな言葉がどんどん出てくる。まだまだ出足りないし、表現も穏やかに過ぎる
ぐらいだという気はしましたけどね。
もっとも、ここまで描いても、さしさわりはなかったんだということにもなるわけで、
つまりロシアは変わったんだよというわけでしょうか。
大トラブル発生。古い宇宙船の修理どころか、帰還できるかどうかの問題に変
わる。
おりしも、アメリカのチャレンジャー号が打ち上げられ、(助けに?)来てくれる
らしいが、地上ではそれについての侃々諤々が尋常でない。
「(技術を)見られて(取られて)しまうなんて、とんでもない、、、」というような
言葉やシーンが、何度も出てくる。
もちろん現場はそんなことなど気にしちゃいない、気にしておれるはずもない。
どちらか一人なら帰れないこともないと分かるんだが、乏しい時間をぎりぎりま
で二人一緒に帰還する道を探ることにする。
で、ついに帰還のアイデアは枯渇。諦めて最後の語らい・・・。ところがその中
からわずかに望みをつなぐ方法を一つ思いつく・・・
エンディングのナショナリズムの表現は、古風ではあるものの、愛敬と共にちょ
っと奇妙なインパクトもありました。ロシアでは大うけしたんじゃないでしょうか。
長雨の最中でしたけれど、七夕にはちょうどよござんした。