休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

20230523(了)

映画『アンノウン・ソルジャー

                       英雄なき戦場』

 アク・ロウヒミエス監督/エーロ・アホ
 2017年製作/132分/フィンランド/原題:Tuntematon sotilas/
 DVDレンタル
 <★★★★>

どうせ取り寄せできないだろうと思っていたところ、OKで、すぐに連絡が来
ました。たまにはこういうこともないとね。
 
原作もあるとのことですが、フィンランドの立ち位置こそが主題とも言えて、
第2次世界大戦だろうがヒットラー側についていることだろうが関係ない、
自分たちの国を守るという一心で、攻め込んでくるソ連軍を撃退するために

戦争に参加している・・・という男を中心に、彼が所属する部隊の面々を描

く。

観たのは2019年に日本で公開されたヴァージョンのようで、132分版。ネッ
トに載っているのはディレクターズ・カット版。48分も長く180分。
解説によれば180分ではメインのキャラぞれぞれのエピソードもいろいろ描
かれているらしい。
ワタシは3時間と聞かされればビビりますが、この作品の場合は、ちゃんと
観たほうが、納得感が増したかもしれない。自分なりにインターミッション

を取って、デザートやお茶やトイレをゆっくり挟んで・・・ わかりません

がね。

中心的に描かれる中年兵卒は、度胸も頭脳も体力もあるが、何しろソ連に土
地や家屋を取られてしまって、憤懣やるかたない。それで戦争に参加し、往
往独自の判断で行動したり上官に礼儀をわきまえない口をきくといったとこ
ろがあるとか、彼だけはちゃんと描かれている。(二つ下の写真のオッサン)

第二次世界大戦でなきゃあ、どうも、根っこが、ただいま現在のロシアによ

ウクライナ侵攻とおんなじような図に見えてしまうじゃないか・・・とつ

い思ってしまう。

大半が寒い森林地帯での攻防なので、「ロシア バフムート制圧/ワグネル
撤退 正規軍に引き渡し」などと言う見出しと共に見せられた廃墟のよりひ
どいとさえ思えるバフムート市街地の状況のような景色は出てこないですが
、、、なんたって、飛び交う鉄砲玉の怖いこと怖いこと。

枢軸国側に加担して(加担させられて)、敗戦した国の中で、連合国側に一
時的にしろ占領されなかったのは、フィンランドだけだと言ってましたっけ。

知りませんでした。

普通、連合国側を「正義」的なものとして描くところ、ここでは逆。ところ

が逆にフィンランド側に「正義」が見えてしまうのは、間違いなく現在進行

形のロシアのウクライナ侵攻があるからという部分もないとは言えないわけ

です。この戦争の「ソ連」の数多くの蛮行も、ここのところ見せられる機会

が多いこともあるし・・・(なんてね、カマトトめいてちょっと恥ずかしい

ですが)