休みには中古屋のはしごⅢ

基本音楽鑑賞のつもり。ほかに映画・本・日記的なもの・ペットなど。

リーム:ヴァイオリンとオーケストラのための作品集 第1集

20230504(了)

Wolfgang RIHM(b.1952) Music for Violin and Orchestre・1

リーム:ヴァイオリンとオーケストラ

       のための作品集 第1集

(1)第3の音楽(1993) 17:40
(2)光の強迫(パウル・ツェランの思い出に)(1975-76) 18:04
(3)画家の詩(2014) 16:08
 
  ティアンワ・ヤン(楊天媧) ヴァイオリン
  ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団
  クリストフ=マーティアス・ミューラー 指揮
  録音:2016年3月、独、ルートヴィヒスハーフェン、フィルハーモニー Tot.52:05
  CD/現代音楽/協奏曲/Ⓟ&ⓒ Naxos Rights Ltd./独/輸入/中古
  <★★★☆>

<NAX0S公式紹介文> 現代ドイツを代表する作曲家ヴォルフガング・リーム。
作曲年代によって作風が変化することで知られ、彼の作品目録には、抒情的
的雰囲気を持つ曲から前衛的な曲まで様々な作品がひしめいています。
名手ティアンワ・ヤンは、以前にもリームの「ピアノとヴァイオリンのため
の作品全集」(8.572730)をリリース、作曲家への深い傾倒を示していますが、
今作からの「ヴァイオリンとオーケストラのための作品」では一層深化した
愛情が感じられます。3曲の中では「光の強迫」が最も初期の作品で、冒頭
に打ち鳴らされる打楽器の衝撃的な響きを縫って、ヴァイオリンが神秘的な
旋律を紡いでいきます。ミヒャエル・ギーレンとゴットフリート・シュナイ
ダーによって初演された「第3の音楽」はやはり打楽器が多用されたスリリ
ングな作品。緊迫感に溢れた音楽が展開されていきます。ルノー・カピュソ
ンに献呈された「画家の詩」は2014年の作品。こちらは抒情的な旋律に絡み
合う神秘的なオーケストラの響きの美しさで知られており、21世紀に書か
れたヴァイオリン協奏曲の中で最も高い人気を誇ります。
 
ウーン、なかなかねぇ、この辺りになると、知識の乏しさが決定的で、スッ
キリした鑑賞記書くの、難しいワ・・・(なーんて、何でもそうですがね)
 

(1)Dritte Musik

オケは小さい気がするが、打楽器がいろいろ。木琴やヴァイヴ。ラテン音楽

でよく聴くコンガないしボンゴ。ハープやピアノ。めずらしいと思ったのは、
アコーディオンのような音。
非常に緊張感に満ちている。サスペンスのムードも。重低音でドカンと何度
も脅しもするが、暗くはない。
神経症的な敏感さ、よく言えば細やかさが、案外日本人向きだな。

ヴァイオリンはもちろん独奏楽器として出ずっぱりだが、協奏的じゃないか

も。

 

(2)Lichtzwang

Zwangはワタシなら、「圧迫」とか「束縛」なんかのほうがわかりやす

い気がする。ま、安直に、わかりたいという欲求がそう書かせてしまうわ

けです・・・

ソロもオケの各セクションも、力も気持ちもグッと入っていて、気持ちの
ほうは相当とんがっている。とんがってはいても、わけの分からなさとい
う感じではない。打楽器は多くない。変わった音としてはオルガンかな。
それでも、この(2)から(1)へはつながっているみたいな感覚を持つ。
パウル・ツェランが何者かは知らない(1920-70、ルーマニア/今のウクラ
イナの詩人)のだけれど、鎮魂的な雰囲気は全然ない。
チラッとモーツアルトの知っているメロディが聞こえた気がしたが、気の
せいかな。

 

(3)Gedicht des Malers

中では最も新しいものだが、ソロ・ヴァイオリンもオケ・パートもかなり

歌う。解説にあるように叙情的と言っていい。
「21世紀に書かれたヴァイオリン協奏曲の中で最も高い人気を誇ります」
そうなんですか。知らんかった。(ホンマカイナ) でも難解さはあまり
感じられない、オケの弦のみならず、全てがかっこよくほとんど美しいと
いってもいいので、案外そうなのかもしれないですね。
聴きやすさのために、ワタシにはこの曲に最も早く飽きが来てしまいそう。
 
いいアルバムでした。

この手の音はちょくちょく聴かないとならない、ワタシ、具合が悪くなる

のです・・・

というのはちょっと誇張で、具合が悪くなることはないのですが、ある種
の禁断症状ふうな気分になるというのは、それほど誇張でもない。
現代音楽は基本的に「クラシック」じゃないですからね、ワタシの感性じ
ゃ受け止めきれないものに当たることも少なくないのですが、そりゃ当た

り前。さしずめこのアルバムなんかは、どれも調性なんかないようだが、

抵抗感ゼロ。

アルバム全部がリームというのは初めてでしたが、皆OK。これからも探

してみたい作曲家になりました。猛烈な多作家だそうです。ただ安く手に

入りそうなものはほとんど見つかりませんでした。